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繕い裁つ人の内容
映画『繕い裁つ人』は、2015年1月31日に公開開始されました。
原作は、2009年に漫画雑誌『Kiss PLUS』にて連載が開始され、その後、後継誌の『ハツキス』に引き続き連載され2015年1月号にて最終回を迎えた同名漫画です。
監督の三島有紀子さんは、NHKの局員時代に『NHKスペシャル』や『トップランナー』などのドキュメンタリー作品を企画・監督し、独立後2012年の『しあわせのパン』、2014年の『ぶどうのなみだ』の脚本・監督を務め、『ぶどうのなみだ』では第38回モントリオール世界映画祭のワールド・グレイツ部門に招待されています。
今作『繕い裁つ人』も第16回全州国際映画祭、第18回上海国際映画祭日本映画週間に招待されています。
映画『繕い裁つ人』は、着ることと生きることの切っても切れない関係を、温かさの中にも厳しさと切なさを込めた眼差しで描く作品となっています。
最近オーダーメードのシャツとかスーツとか作るようになりました。
服を作ってくれる人との対話とか楽しめるようになってきたそんな時にこの映画見ましたので心にしみてきました
映画は2時間でまとめ切れない内容が多い中、この作品はテーマがブレず登場人物の感情の変化が丁寧に描かれていたので違和感を覚える事なく見終える事ができました。
ゆったりと優雅なひと時を過ごせました。
今は安価で便利な服が多く売られていますが、自分にとっての「服」の位置づけ、そして「こだわり」とは何かをまるで「頑固おやじ」のような中谷美紀さんの姿から考えさせられました。
職人さんってやっぱりかっこいいですね。
ホッコリできる映画でした。
古き物を大切にし守ること、また新しい事をどう考えるか。
良い職人が少なくなってきている今、大切な何かを教えてもらった気がします。
ノスタルジックな洋裁店の物語で、とても現在の物語とは思えないレトロ感を好む方には好評を得ている印象でした。
しかし原作漫画があるため設定が違う部分に不満を持ったり消化不良の視聴者もいたようです。
あらすじ
神戸の街を見渡す坂を登っていくとその店はあった。古びた洋風の一軒家の中に「南洋裁店」という小さな看板掛けられた店がありました。店主の南市江が作る服は、いつも即日完売してしまいます。なぜならすべて昔ながらの職人スタイルを貫く手作りの一点ものだからです。
ある日、神戸のデパートに勤める藤井は、市江に服のブランド化の話を提案しますが、まるで「頑固じじい」のような彼女は、けんもほろろで全く興味を示しません。一代目である市江の祖母が製作した服の仕立て直しやサイズ直しをしてあとは先代のデザインを流用した新作を少しだけ作る事、市江はそれで満足なのです。南洋裁店の服は、世界で一着だけそして一生もの服、それが市江の繕い裁つ服が愛される、潔くも清い秘密だった。
だが、自分がオリジナルのデザインしたドレスを作りたいはずだという藤井の言葉に、市江の心に閉ざしていた何かが揺れ動き始めます。
見どころ
主人公の着用する服
やはり洋裁店の物語という事で、衣装にはこだわっています。衣裳デザイナーである伊藤佐智子さんが今作のためにデザインし作られた衣装が数々登場します。
例えば主人公・市江が着ている服は、序盤は重々しくて暗めの色が多く、実際固い素材が使われていましたが、市江の心情の変化と共に変化していくそうです。主演の中谷美紀さんは、「最後のシーンで市江の着ている服にも注目していただきたいですね。」とおっしゃっています。
ロケ地神戸の映像美
これぞ三島ワールドと言うべき独特の空気や世界観が披露されています。得にロケ地の兵庫県神戸市は、三島監督が「慣れ親しんだ神戸で撮影したい」というたっての希望で実現しており、南洋裁店のロケ場所として選ばれたのは、神戸から少し離れた兵庫県川西市にある歴史的建造物の旧平賀邸であったり、図書館は監督の母校である神戸女学院の図書館で撮影がされています。
スタッフ
監督:三島有紀子
脚本:林民夫
音楽:小林洋平
キャスト
南市江:中谷美紀
「南洋裁店」の二代目主人。
藤井:三浦貴大
神戸のデパートに勤務している。市江の仕事に心奪われブランド化を持ちかける。
牧葵:片桐はいり
先代からの付き合いある顧客。
葉子:黒木華
車椅子に乗った女性。近々結婚する予定。実は藤井の妹だった。
ゆき:杉咲花
母親の服を自分用に仕立て直しにやって来る女子高校生。ファストファッション好き。
泉先生:中尾ミエ
市江の恩師。
橋本:伊武雅刀
市江と同じく、町の仕立屋を営んでいる。
南広江:余貴美子
市江の母親。
永野芽郁
小野花梨
奥野匡
立石涼子
峰蘭太郎
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繕い裁つ人の感想
祖母の跡を継いで、南洋裁店の二代目店主となった市江を演じる中谷美紀さんが、ミシンをかけている姿が美しく思わずその姿に見惚れてしまいます。デパートの藤井からブランド化の話があるが、全く興味を持たず二人が激しく対立する姿も見どころです。価値観の違いから二人は対立しますが、いつの間にかお互いに刺激を受け合っている関係に惹かれました。恋愛などが絡んで来ると、話がまた違った方法に行ってしまいますがこの映画ではそんなこともなく素敵でした。服を作る作りてと洋服を着る人の人間模様が、見ていて気持ちが癒やされる気がしました。中谷さん演じる洋服店の店主は、とにかく洋服のことは一流ですが洋服以外の事はほとんど何も出来ないほど不器用でそのギャップが良かった気がします。一人の客の為に丁寧に、端整込めて一点物の洋服を作るの姿がこんな生き方も素敵だなと思いました。静かで物語が淡々と進んで行くのにいつの間にか映画に惹きつけられているそんな映画でした。しかも、この映画に登場して来る人物たちはみんな善人で見ていると、気持がほっこりとして来ました。中谷さん演じる店主が、自分の服が愛されていないのではないかという不安も着てくれる人の想いを知り解消され良かったです。
とっても静かな作品です。その静謐さが良いという方もいれば、メリハリにかけるので退屈する方も多いのかもしれません。今も尚こういったお店はあるのでしょうか。デパートなど大手企業に押されて職人さんが消えていくのが寂しい限りです。デパートの商品化を誘われていてこの作品の店主は決して首を縦に振ることはありませんでしたが、高齢化や跡継ぎもままならない中で仕方なく淘汰されていった人たちも多くいるはずです。中谷美紀さんがそんな主人公を熱演、頑固じじいとまで揶揄されるような凛としたたたずまいは彼女ならではです。でも鉱物のチーズケーキはホールごと食べてしまったり、そんな豪快な姿にギャップがあってなんだか可愛らしかったです。仕事に誇りとプライドがある女性、仕立て屋としてのお仕事シーンが多かったけれどもっとプライベートの場面を増やしてほしかったです。そうすれば更に彼女の人となりに惹かれていったはずです。女子高生3人組は杉咲花に小野花梨・永野芽郁、豪華なメンバーでした。でも対比されることで中谷さんの大人の魅力が引き立って、やっぱり素敵だなと思えます。取り合えず安くておしゃれの先端を行く服を選んでしまいがちですが、きちんと作られた服もいいなと思えました。
わたしは、こちらの映画を、かなり前に観ましたが、今でも鮮明に素敵な映画だったなと、覚えております。もともと、中谷美紀さんが、大変好きなのと、洋裁に興味がありましたので、絶対に観ようと思い、観れました。大変、中谷さんは頑固に、頑なに自分の意見を曲げない、真の強さを持つ女性を、演じていながらも、人に対する、恐怖心や疑問を常に持っていた様に感じました。しかし、人と人とが密に交渉しなければ、洋裁人としても、自立した女性と見られないことから、自分の殻から、必死に抜け出そうとする、心の葛藤があふれている、映画だと感じました。特に、いちばん好きなシーンがありまして、中谷美紀さんが、カフェでめちゃくちゃ、美味しそうな、レアチーズケーキを、スプーンで最高に幸せ!!という、可愛らしさ満開で食べているシーンは、きっと、真似したくなる女性はいたのではないかな?と、想像してしまいました。レアチーズはかなり、大きめサイズなのですが、ペロリペロリと食べていて、仕事の辛さから解放されたい、ケーキは女性にとって、必需品と思えるほどの食べっぷりに、わたしは大変嬉しい気持ちになりました。洋服をミシンで縫うシーンも、足で踏みながら、すごく彼女らしさが、伺える美しい、大好きな映画でした。
百貨店勤務の藤井青年が急な坂道を上った先にある洋館。普通の住居のように見えていてそこには洋裁店の看板が。家の中には様々な生地やボタンがあります。そしてノックもせずに家の中に藤井が入るとミシンに向かって女性が仕事をしています。この冒頭は女性が背中しか見せないうえに、ミシンがとても古めかしいことから、そこで仕事をしている人がまるで幽霊のように感じられます。実際、彼女の服をブランド化しようという藤井の申し出を拒絶する主人公の市江は、この洋裁店を始めた祖母の型紙を守り、生活のために祖母の時代から付き合いのある一軒の店で販売するための服を作ることをのぞいては、祖母の作った服の直しの仕事しか引き受けない、祖母の亡霊にとりつかれたような人物でした。祖母に服を作ってもらった30歳以上の大人だけが参加する「夜会」も彼ら・彼女たちの服の、おしゃれではあっても今の流行とは異なることと相まって亡霊たちの集会のようでもありました。この映画は、主人公の市江が祖母の亡霊に憑かれた厳格な職人から、祖母がかつてしたように、彼女自身のデザインの服、それも着る人が一生着たくなるような服を作り始めるアーティストに変わるまでを描いたと言えると思いますが、実は、映画全体の中で十分機能していないような気がするあるシーンがもっとも印象的でした。たまたま早めの時間に洋裁店にやってきた藤井の前に市江が寝ぼけまなこで、パジャマ姿で現れてしまいます。恥ずかしくてすぐ姿を隠してしまいます。一瞬、職人でもアーティストでもない、母親と同居している、洋裁以外は取り柄のない娘が現れてしまったのか、それとも演じる中谷美紀の素が出てしまったのでしょうか。
静かに時間が進んでいく、おだやかな気持ちになれる映画でした。最近では、私は、洋服は流行や見た目よりも、着た時の着心地の良さが一番だと思うようになりました。主人公の市江は、祖母の後をついで、洋裁店をやっています。生活のために、一種類だけ服を作って友人の店で、売っています。あとは、先代が作った洋服を着ているお客さんからの、お直しを受けています。質の良いオーダーメードの洋服なら、年を取って体形が変わっても、お直しで体に合わせていつまでも着続けることができるというのも、素敵です。母親のワンピースを、娘用に作り替えるのも素晴らしかったです。デパートに勤める三浦貴大さん演じる藤井は、市江の洋服に惹かれてデパートで取り扱いたいというのですが、受け入れるはずはないのですよね。自分なりの新しい服を作ることもありませんでした。杉咲花さん、永野芽衣が出ていたのにもびっくりしました。いまどきの女の子たちも、だんだん変わっていくところがよかったです。こんな風におだやか気持ちになれる映画を、これからも観たいと思いました。日常を大切に、毎日普通に生きていけたらいいなと思います。こんな時だからそう思うのもあるかもしれません。
繕い裁つ人は、2014年に公開された日本の映画です。しあわせのパンの三島有紀子監督が、服をテーマに人々のつながりと、心模様を繊細に描いていて見ていて味わい深い作品です。頑固な洋裁店主として中谷美紀さんが演じてくれているところも興味深かったです。しかし、店主には秘めたる思い出があるという設定もこの映画を面白くしていたと思います。また、黒木華さんや永野芽郁さんなどの若手女優が出ているところもよかったと思います。この映画の中では、主人公の市江が葉子のためにウエディングドレスを作るところが感動的でした。その胸元には、妹が母親に買ってもらった漢書の人生を変えたワンピースがついているところもとても感動的です。当初はただ頑固だった主人公が、自分らしい洋服を作りたいという気持ちに目覚め、その後、周りにいる人のために洋服を作るように変化していくプロセスも見応えがあります。また、時代設定が少し前の設定になっていて、主人公が使用しているミシンが足踏み式であるなど、ちょっとレトロ感がするところも、見ていて懐かしい気分になりました。主人公がアトリエを構えている建物も田舎の中にあり、外観もレトロチックで面白かったです。
繕い裁つ人は洋服を作る職人のこと。中谷美紀さん主演女優という珍しい映画だと思って見たのですが、日本人らしさを存分に表現されたよい作品であったと思います。、コミックのコメディ作品の映画化作品であると聞きましたが、コミックを読んでいない自分でもとても心に響いています。シチュエーションは、日本によくある職人の生き方そのもので、市江さん(中谷美紀さん)が地味ながらも素敵に演じています。主人公は先代からの洋裁店を継いでいるので、毎日ミシンの前に座っているのです。主人公の喜びは仕事を通して依頼主の洋服を仕立て、そしてそれを喜んでもらうということ。それだけで充分にしあわせを感じて生きていく姿勢に共感できました。主人公を取り巻いている人間模様は理想的だと思います。こんなふうに生きていきたいな、と思える世界です。監督はしあわせのパンなどで知られていると、あの三島有紀子さんという方で、アットホームな作品を作る方です。とにかく、これまでピンとくる作品がなくても、中谷美紀さんの演技がとてもしっくりとくるのでした。心温まるヒューマンドラマで、日本人には理解できる内容になっているので、すべての世代の方に見てほしい作品です。
中谷美紀さんが、とてもきれいで佇まいが美しくため息が出ました。祖母のあとを継いで南洋服店の二代目店主となった市江が、ミシンを踏む音と窓から降り注ぐ柔らかな日差しが、時間が静かに流れていくようでした。デパートの藤井から、ブランド化の話を持ち込まれるのですが、全く関心を示さず自分のスタイルを貫く姿がカッコいいと思いました。三浦貴大さんが、とてもいい演技をしていて良かったと思いました。最初は価値観が違い、衝突する2人でしたがお互いに刺激を受けあい、服に向き合っていくのが良かったです。恋愛感情などが変に入らず服に対する気持ちに焦点をあてて描かれていて、純粋さがとても良かったと思いました。仕立てられた服なんて、自分にはあまり縁がない物に感じますが、その人その人の人生やいろいろな思いが込められているのが、よくわかりました。エンディングの平井堅さんの「切手のないおくりもの」が、映画のストーリーにとてもあっていて良かったと思いました。全体的に静かで淡々とした雰囲気が漂う作品ですが、なぜかすごく惹き付けられるものがありました。一点物の洋服のようにクラシカルで、とても上品な映画だと思いました。ただ単に服を着るのではなく、丁寧に気持ちを込めて着ないとならないと思いました。
中谷美紀好きです。『嫌われる松子の一生』からずっとファンです。『繕い裁つ人』でも美しいです。特に歩く姿。ミシンを踏む姿、チーズケーキを食べる姿も美しかったです。ものづくりの道具も美しいですね。洋裁のはさみや、ボタンの美しさを見ることが出来ます。ものづくりを生業とする人たちに対する憧れはあります。自分には絶対無理だなと。仕事ひと筋で生きてきたように見えるアラフォーの女性にとってのファンタジーの要素も少しあります。自分の仕事を評価してもらえる人たちに囲まれていること。自分の仕事に対して気にかけてもらえる、それも年下の男性(三浦貴大さん)に出会えるということ。軽々しく恋と呼んでいいのかどうか、もうそんな次元で生きていないような、そんな雰囲気がありました。関西人としては、神戸が舞台のうれしさがあります。建築好きとしては、ヴォーリスの図書館が見どころでした。神戸女学院の大学図書館ですね。この映画の雰囲気にぴったりです。グッゲンハイム邸もハイライトで登場します。南洋装店そのものが、レトロ建築で、木の感じ、ステンドグラス、扉、デザインの美しさにため息が出ます。片桐はいりさんのお店も美しい食器がたくさん並んでいました。余貴美子さんも出演していて嬉しかったです。杉咲花ちゃんもとても可愛らしい。伊武雅武さん演じる洋装店が、現実だと思いました。クールビズで洋装業を諦める話を思い出しました。それでも、今に生きる人たちのために、先人の技術が受け継がれるといいなあと、憧れているだけですが、思いました。
「しあわせのパン」や「ぶどうのなみだ」の三島有紀子監督の作品ということで観る前から期待が大きかったのですが、今回もその期待に見事に応えてくれました。三島有紀子監督の作品はいつもそうですが女優さんがとても素敵です。素朴な飾らない美しさを見せてくれてる芯のある女優さんをさらに魅力的にしてくるなぁと感心してしまいます。主役の南市江役の中谷美紀さんのミシンに向かう時に姿勢の美しさと表情の美しさに惚れ惚れしてしまいました。ウェディングドレスを作ってもらう葉子役を演じた黒木華さんの可愛らしいけれど独特な雰囲気がこの映画にとても合っていて魅力的でした。思い出のワンピースを使ったウェディングドレスのシーンは見ながらポロポロと涙を流してしまいました。温かい気持ちになりポロポロと流す涙には癒しの力が強いのか、この映画を観終わった後すっーと穏やかな気持ちになりました。この作品でも女優さんの衣装はもちろん、インテリアや小物など細かいところまで丁寧に凝って作られているなと感じます。女優さんも丁寧に演じている感じがするし、光や影の演出も丁寧で本当に大事に大事に作られた映画なんだろうなと思ってしまいます。ファッションや手芸がもともと好きなのでこの映画にとても興味を持っていましたが、映画を観た後は今まで以上に自分の持っている洋服たちが愛おしくなりもっと大切にしようと思いました。それと同じように丁寧に作られたこの映画もわたしの大切にしたい映画のひとつになりました。
まとめ
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