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映画『夏の終り』予告編

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夏の終り(映画)の内容

映画『夏の終り』は、2013年8月に公開されました。

原作は、作家の瀬戸内寂聴さんが「瀬戸内晴美」時代に書いた小説「夏の終り」で、自身の経験をもとにした作品です。1963年に「夏の終り」のほか、「あふれるもの」「みれん」「花冷え」「雉子」を含む短編小説集として出版され、女流文学賞を受賞しています。

年上の男と年下の男との三角関係に苦悩する女性を描いており、登場する年上の男のモデルは作家の小田仁二郎さんで、年下の男は後に瀬戸内寂聴さんと駆け落ちする夫の教え子がモデルになっています。

原作の「夏の終り」は1963年にも「みれん」というタイトルで映画化されており、原作が発売されてから50年という節目の年に、2回目の映画化となりました。

演じるのは満島ひかりさん、綾野剛さん、小林薫さんなど実力派俳優陣です。

二人の男性の間で揺れる女性を、満島ひかりさんが見事に演じている。どうしていいかわからないともがき苦しむ演技が印象的だった。

なんとなく見始めたけど、胸が苦しく切なくなりました。道理や節度を十分過ぎるほど分かっていても、どうにもならない気持ちもあるんだなと思いました。実際、あの人と一緒に観たいと思ってしまう私の中にも醜く純粋な感情があります。

不倫の話だけど、ドロドロした感じはあまりなかったです。その点では不倫を題材にしたほかの作品よりは見やすかったかなと。ただ、ちょくちょく回想シーンが入ってくるので、時系列を整理するのが難しかったですね。

満島さん、綾野さん、小林さんの演技はもちろんですが、映像の良さも印象に残りました。衣装や音楽、レトロな感じなどがうまく表現されていたと思います。

満島ひかりさんは、この映画を通して「初めて映画を撮る新人さんみたいでした。『わからないから、できません』と、熊切監督を何回も困らせてしまった。本番前に必ず熊切監督と『これで大丈夫?』と目で確認し合うんです。それくらい難しかった・・。」とコメントしています。

演技がうまいと評される満島ひかりさんでも、難しかったと感じていたのは驚きですが、劇中では見事に演じていたと思います。

あらすじ

結婚して子どももいる年上の作家・慎吾と長きにわたって一緒に生活している知子は、慎吾が妻と知子の間を行き来する生活に不満もなく、妻と別れてほしいと思ったこともなかった。

そんなある日、かつて彼女が家庭を捨てて駆け落ちした相手の涼太と再会してしまう。それ以来知子の心は揺れ動く。

知子は慎吾との関係を継続させつつも、涼太と以前のような関係に戻ってしまう。二人の男との三角関係に知子は次第に苦悩していく。

見どころ

満島ひかりの演技

三角関係に苦悩する女性という難しい役をを見事に演じ切っています。今作での満島ひかりさんの演技を高く評価する声は多かったです。

映画の広告の画像でも見れるように、一点を見つめる表情はとても演技でできる表情とは思えません。表情で伝える満島ひかりさんの演技にぜひ注目してください!

苦悩する人間の姿

頭ではいけないとわかっていても心は満たされている、どうしたらいいのかわからない。この映画はそんな状況に悩む人間の姿が描かれています。

慎吾が知子に「一緒に・・死んでくれないか」と言う一連のシーンは、見ているこちらも苦しくなるほどでした。

スタッフ

原作:瀬戸内寂聴
監督:熊切和嘉
脚本:宇治田隆史
音楽:ジム・オルーク

キャスト

相澤知子:満島ひかり
染色家として自立している女性。年上の夫と娘を捨て、夫の教え子の涼太と駆け落ちする。

木下涼太:綾野剛
知子の10年以上前の愛人。知子と駆け落ちする。

小杉慎吾:小林薫
知子と同棲8年になる妻子持ちの作家。知子よりかなり年上で通称「先生」。

鞠子:赤沼夢羅
知子の家に出入りする女学生。

小杉ゆき:安部聡子
慎吾の妻。知子の存在は知っている。

知子の前夫:小市慢太郎
知子が涼太と駆け落ちして娘と共に捨てた夫。

 

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夏の終り(映画)の感想

40代女性
40代女性

あの瀬戸内寂聴さんが自身の体験をもとに描いた作品だとか、出家して坊主頭の穏やかな笑顔からは想像できませんでした。俗世にいた時にはかなりのことをしていたのですね。なんだかけだるげな感じの物語、こういうのに満島ひかりさんって良く似合います。二重の眠たげな眼がいい、大人の恋愛ドラマといった感じでした。女の生きざまを見せられたといった感じで、こういった日々が今の暮らしの糧になっているのでしょう。ごく普通に恋愛して結婚してという私には遠い世界です。女性ファンが多い寂聴さんですが、彼女らの生き方に共感してくれるからなのかもしれません。何しろ自分自身が不倫に三角関係と自由にしています。今も若々しくてこうして小説なども書かれたり、どん欲さは変わっていないみたいです。淡々としていて大きな出来事は無いけれど、だからこそ現実にあったことなのだと考えさせられます。それを退屈と思ってしまう方もいるのかもしれません。そんなストーリーなのですからもちろんハッピーエンドで終わることはありません。でも、恋の終わりは新たな人生のスタートと前向きになれます。楽しかった夏は終わり、新居に引っ越してすっぱり過去を捨ててしまう姿に女のしたたかさが感じられました。

30代女性
30代女性

瀬戸内寂聴さんが波乱万丈な人生を送り、その中でも不倫をしていた過去があるということは衝撃を受けつつも知っていました。その役を名女優満島ひかりさんが演じるということでかなり注目度は高かった作品です。やはり彼女の演技はうまいです。演技が上手い女優とは?と言われると満島さんが思い浮かぶ人が多いという話を聞いたことがありますが、まさにその通り。一つ一つの表情から目が離せないですし、複雑な心理が見事に伝わってきます。彼女を見るだけでも、この映画は見る価値アリと言いたいところ。でも、それだけではなく脇を固める綾野剛さんと小林薫さんも素晴らしいです。こんな渋い男性2人の間を行き来する知子が羨ましい!と思う女性ファンも多いのではないでしょうか。正直、私もちょっと思っていしまいました。でも、やっぱり不倫てドロドロしますよね。得られるものって本当にないんだなということを痛感しました。この映画は、不倫関係に足を踏み入れてしまいそうな人や、過去に経験がある人、パートナーが不倫しているのではと疑っている人全ての人にグサリと刺さる作品だと思います。でも、一番見て欲しいのはまだ結婚していない人たちだったりします。結婚への覚悟、人を愛するとはどういうことかについて考えさせられる作品です。

50代女性
50代女性

満島ひかりさんが、さすがの演技力でとても良かったと思いました。大人の女性の恋愛の心情をさりげなく演じていて、すごいと思いました。綾野剛さんが、迫真の演技でとても良かったと思いました。泣きながら、捨てないで、時々会ってくれればいいと懇願するシーンは、胸が締め付けられて苦しくなりました。若い女性がこの映画を見ても、それほど共感できるところはないかもしれませんが、いろいろな恋愛を経験してきて年齢を重ねた女性には、心に刺さるものがあると思いました。小林薫さんが、さすがのベテラン俳優の素晴らしい演技力で、存在感が際立っていたと思いました。渋い男の色気が出ていると思いました。映像の撮りかたやセットや、ファッションや着物の着方などが時代を感じました。平凡でごく普通の人生を歩んでいる自分としては、女としての部分を忘れられず心のままに生きていく主人公の生き方は、自分には出来ないことだからこそ少しうらやましい気持ちになりました。全体的にしっとりした雰囲気が漂っていて、フランス映画のような感じがすると思いました。人間というのは、自分の力だけではどうしようもないことというのがあって、思った通りに生きていける人ばかりではないのだと思いました。

40代女性
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タイトルに惹かれてみたものの、この作品は女性受けも賛否両論あると思うのですが、瀬戸内寂僧さんという有名な方の実話による小説を再現したものです。女性の立場として、共感できるとか、わかる、自分も同じだとはみんなの前で声を上げにくい内容ですが、瀬戸内さんの体験談ということを覗くと、ドラマとしての見所は大きいです。
大人向けですが、失楽園のように不徳、不倫、不貞行為がテーマというちょっと応援しにくいテーマ。主に心情描写で主演女優の美しさがなんともうまく表現できていると思うんです。女優の満島ひかりさんの演技が美しくもあり、また同性としてはセクシーでもあり、この方の乱れ具合が凄く印象的でした。これまで満島ひかりさんという女優さんは注目していませんでしたが、透明感のある綺麗な方だと思いました。他小林薫さんも出演されていますが、彼女ももうベテランの方になってきているという印象です。この作品はいわゆる既婚者女の内情というものを表現されているのですが、そこに性という要素が加わりとても淫らに映るのです。熊切和嘉監督作品、大人の女性が見ればちょっと反感を買う内容でこれは正統派ではありませんが、映像が綺麗ですから、見応えはありました。

40代女性
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登場人物の関係性や性格、そして彼女たちの素行など、終始じめっとした空気が漂っており、”夏の終り”というよりも、夏前の梅雨の時期のような作品でした。昭和の中期の古さを感じさせる映像や美術は、とても風情を感じて素晴らしいのですが、主人公・知子と不倫相手の小杉、知子の二股の恋人の木下といい、主要キャスト全てがスッキリとしない人間関係を送っているため、見ているこちらまでモヤモヤ、うずうずとしてきます。不倫の経験や願望が無い人、シロクロはっきりつけなきゃ気が済まないという性分の人には、ストレスさえ感じてしまうような登場人物たち。私もどちらかと言うとそういうタイプの人間なので、見終わったあとは体が痒くなるような気持ちになりました(苦笑)。原作は瀬戸内寂聴さんの体験記です。出家してからの寂聴さんはとても好きなのですが、正直この時代の寂聴さんは、非常に苦手な女性だなと感じてしまいました。全ての不倫がダメだとは決して思わないのですが、結局不倫なんてどっちつかずで、誰も幸せにならないものなのだろうと強く感じました。そんな体験をした寂聴さんだからこそ、現在のお姿があるのかもしれません。ちなみに主演の満島さん、小杉役の小林薫さん、木下役の綾野剛さんらの演技がすこぶるうまい!その分だけ、今作を見て嫌~な気持ちにさせられたのだと実感しています。

30代女性
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瀬戸内寂聴さんの実話を元に書かれた小説が原作という事でとても楽しみにしていた映画でした。混沌とした戦後時代の世界観が男女3人の複雑な関係から伝わってきていたような映画だと思いました。そしてこの映画を見て瀬戸内寂聴さんがどんな波乱万丈な人生を送っていたのかが、少し分かったような気がしたような気がしたのと、戦後の女性の強さが描かれているように感じました。その一方主人公の知子を振り回しているように見える不倫相手の慎吾と元恋人の涼太が、都合よく知子に甘えて、都合良く去って行ったりする辺りが、表向きは強がっているけど本当の中身は弱い当時の男性の象徴のようにも感じました。結末は曖昧に終わりましたが、かえって見ている側が色々想像できるので、不思議な感覚が残って良かったのかもしれません。後は何より知子演じる満島ひかりさんの演技が良かったと思います。当時まだ20代だったと思うのですが、妖艶で不思議な女性のキャラクターが上手く演じれていてとても、美しかったです。まだ昭和という時代の真っ只中に、こんなスキャンダラスな小説を発表した瀬戸内寂聴さん。当時の人達の反応も気になりました。そして瀬戸内寂聴さんの人生に改めて興味を持たせてくれた映画だと思いました。

30代男性
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瀬戸内寂聴さん原作。女の生き方を赤裸々に描いた作品です。妻子ある男性と年下の男性の間で揺れ動く女性が主人公。不倫と二股と言ってしまえば、世間様から後ろ指を指されるものです。ネット社会になって、その傾向はさらに加速したように思います。芸能人の吊し上げを見ていると正義を振りかざす人間が多くなったこと。「映画は、大きい意志に媚びることなく、スポットライトを浴びていない弱者の声を拾い上げるものだ。たとえそれが犯罪者であっても、言い分は聞くべきなんだ」とどこかの映画監督が言っていましたが、その意味で「夏の終わり」は、しっかり映画してると感じます。不倫も二股も確かに責められることかもしれません。許されざる恋かもしれないし、揺れ動く彼女の姿は、不誠実なのかもしれない。どっちのことも愛しているし、どっちの関係も自分にとっては必要だと、そう思ってしまう彼女は、不誠実な自分に苦しんでいるし、二人の男性も同じように傷つき、苦しんでいます。その姿は痛々しいものです。愛しているか、愛していないかなんて本人にしかわからないし、本人にも簡単にわかる話じゃない。不倫にしろ、二股にしろ、愛があったのかどうかなんて解き明かせないし、愛があったら許されるって話でもない。依存する場所がどこにもなかった彼女が行き着く先が、たまたま妻子持ちの男性の懐だった。阻害され、蔑まれる中で生まれた傷は、強く癒しや安らぎを求めてしまう。傷つけられ続けた人間が、自分を立て直して生きていくためには、それだけ多くの安らぎが必要だったということなんです。でも、だからこそ、同時に彼らに依存してしまっている事実が彼女を傷つけ、苦しみや悲しみを運んでくる。自業自得といえばそれまでだけど、悪循環にはまり込んでしまっているんです。そんな女性の物語。今の時代には、この物語は歓迎されないかもしれません。でも、そこに踏み込んでしまった人たちも、彼らなりの思いがあって、彼らなりに必死に考えて、生きてきた結末なんです。それをとやかく言える権利なんて当事者にしかない。正しくないかもしれない、でも間違えるのが人間だし、人間臭さってそういうところに現れるんじゃないでしょうか。

 

30代男性
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こちらの映画は尼として活躍している「瀬戸内寂聴」さんが出家する前に自身の体験・経験談を基に執筆し出版した小説を実写映画化したものとなっていて、本人が若かりし頃に三角関係の恋愛を題材にして作られているものとなっているため、実話を基にしている作品であることは確かであります。ストーリーは原作の小説版とほぼ一緒でありますが、少しばかりオリジナル要素も含まれている部分もあるので、原作版を知ってる方はそういった部分を見つけたりしながらストーリーを楽しむという方法がおすすめであります。三角関係に悩まされる主人公は果たしてどちらの異性をとるのかになりますが、取り巻く環境の中で繰り広げられていく人間関係とかまさかの展開、ちょっとした修羅場など色々な部分が見どころ満載となっているため、恋愛映画が好きな方とかにはおすすめしたい作品となっています。「瀬戸内寂聴」さんが当時どういった気持ちでこの三角関係に対応してきたかについても、知ることができるため、貴重な映画であることは確かであります。「瀬戸内寂聴」さんの若かりし頃の話しを題材にしている映画でもあるので奥が深い作品であることは間違いないでの、多くの方に見て欲しい作品です。

 

30代男性
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作家として有名な瀬戸内寂聴さんが、ご自身の経験に基づいて書かれた小説が原作だそうですね。主人公の女性相澤知子と、彼女を取り巻く2人の男との三角関係が描かれているのですが、瀬戸内寂聴さんの若い頃の経験が下敷きになっていて、小説が発表されたのも1960年代とのことで、作中も明らかに昭和前半の時代背景で描かれていますね。基本的には年上の妻子ある男と不倫をしていた主人公が、年下の男とも出会って心惹かれてしまうお話なのですが、年上の男は身勝手だし、年下の男は純情な部分が目立ちます。しかしそれ以上に主人公が感情的で、愛を求めていて、どちらの男を選ぶのか決めることができません。ある意味、究極的に自由な生き方ですね。平凡な人生を歩んできた人、特に女性が主人公に感情移入するのは難しいとは思いますが、一方で世の中にはこういう生き方もあるんだなと思わされました。主演を務めた満島ひかりさんは、この映画が制作された時はまだ20代だったはずですが、幅が広く、かつ艶やかな演技を見せてくれて、確かな実力を感じさせてくれましたね。あと、不思議なのは三角関係が描かれているのに、登場人物たちの性格のせいか、あまりドロドロとした雰囲気を感じさせない映画です。

50代女性
50代女性

瀬戸内寂聴の自伝的小説が原作となる。舞台は1960年前後だろうか。歳の離れた既婚の作家と半同棲中の女性染色家が、かつて家庭を捨ててまで駆け落ちした若い愛人ともよりを戻し、愛と情、どうにもならない想いの中で生きる道を選んでいく物語。画面全体が隅々まですっきりクリアではなく、照明を極力落としていると思われる。それが昭和の時代を思わせる。むしろその時代に撮られた映画なのではないかと錯覚しそうになる。しかし、俳優陣は満島ひかり、小林薫、綾野剛という、歴とした21世紀の面々。まだ男尊女卑がの思想が残る時代の女性の立ち居振る舞いや言葉遣いを、その時代に生きていた筈もない満島ひかりが見事に再現しているのは、小林薫によるところが大きいか。綾野剛との若手同士では現代風になる部分もあるが、それほど気になるところではない。「妾」という立場が存在していた、そしてそれが男の甲斐性であった時代。音際から妾宅気付で夫宛に手紙が送られたり、電話がかかってきたりすることは、現代では信じられない。自分の恩師の妾としての暮らしを続けながら自分との関係も曖昧なままであることに、若い愛人は次第にバランスを崩していく。現代では「リセットという言葉が使われるが、この主人公はこのどうにもならない気持ちのリセットをすることができたのか。見上げた空と主人公のラストシーンの表情から読み取るよりないところは、評価が分かれるところだと思うが、観客の心によってそれは変わるのかもしれない。

 

まとめ

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