小さな旅の見逃し無料動画配信と再放送情報6/21兵庫県・城崎温泉｜Youtube/Dailymotion/Pandora/Miomio/9tsuよりオススメ

この番組を視聴することで私の「温泉」に対する考え方が、偏っていたと気づかされました。しかもそれを教えてくれたのは温泉旅館の方ではなく、温泉街の射的場のご主人です。私の中で「温泉を楽しむ」ということは「旅館に泊まる、その中で食事や入浴を楽しむ」ということだったのですが「それは楽しみ方の一部であり全てではない」という様なことを気づかされたのです。射的場を営む人から「温泉」に対する発言が出てくるとは思わなくて、とても驚かされました。撮影時の城崎温泉は夏。夕方の温泉街には浴衣を着た人々が溢れ、にぎやかに下駄の音を奏でます。通りには土産物屋やお食事処が並び、目が泳いでしまいそう。近くの川沿いでは、穏やかなライトに照らされた、柳の木々と静かな川面を見ることができ、温泉街は緩急をつけた非日常を感じさせてくれます。こういう飾らない旅先の映像を見ると、自分が旅行した気分になれるので、眺めているだけで楽しめます。番組内では城崎温泉に関わる様々な人たちが出演していますが、そこでよく耳にする言葉は「共存共栄」です。これは誰しもが願うことだと思いますが、それを願っていてるだけでは実現させることは出来ない。城崎温泉では、この「共存共栄」が湧き出る温泉のように地域に染み込んでいる、そんな印象を受けました。それは大人だけではなく小さな子供にまで、地域の隅々に届いている。そうです、番組のタイトルにもある「少女の夢」も、城崎温泉で暮らす住人という思いを色濃く反映した内容だったのです。以前よりよく耳にする「多様性」という言葉。「国際社会では既に～」だったり「ビジネスモデルとして～」という風に、新しい分野の代名詞のように受け止めていました。でもこれは最近生まれたものではなく、昔から私たちの中にあることなんですよね。城崎温泉で古くから実践されている「共存共栄」は、地域の「多様性」を受け入れるという共存があればこそなのですから。個々の違い（多様性）はあるけれど、協力することで一つにまとまることができ、それが発展にもつながる。そんな当たり前を再発見させてくれる「小さな旅」でした。

共存共栄を合言葉に、外湯を中心に街全体が潤っている兵庫県の城崎（きのさき）温泉街が舞台。優しい街灯りの中、外湯巡りで観光客が溢れかえり、遊技場などで楽しむ光景を見て、古き良き日本の姿が残っていることに感激。取材中に山本アナが涼を取るため訪れた食事処で会った、小さな可愛らしい店員さん（お店の長女で小学２年生の松本葵ちゃん）に驚かされました。かき氷メニューの「宇治金時」を注文すると、ひらがなで書いた注文用紙を手に相手の目を見てオーダーを復唱する様は立派な店員さんです。更に驚くことに、厨房に入りシロップと抹茶を混ぜ、茶筅を使ってダマにならないように丁寧にといていました。そんな彼女からは決して「おままごと感覚」ではない真剣さが伝わってきて、お客さんが多い時にご両親が忙しくて大変そうな様子を見て、「自分から率先して手伝うようにしている」という、若干７歳の大人な考え方にも脱帽でした。城崎のほとんどが家族経営とのこと。７歳といえば遊び盛りの子供だと思いますが、暮らしの中で自然と「おもてなしの心」が受け継がれていくのだと思いました。７０年以上の歴史あるお店の代々受け継がれてきた古い機械で、４代目の和也さんが削った新雪のようなふわふわ氷に、娘の作った美しい深緑の抹茶シロップがたっぷり掛かり、仕上げにお母さん（昌代さん）が小豆を盛って完成させる言わば家族の共同作品である「宇治金時」が美味しそうで食べたくなりました。そんな姉たちを見て５歳の妹・紫（ゆかり）ちゃんもお店のお手伝いを始め出したのですが、転んでしまい泣きだす始末。間髪を容れず、少しにやけ顔の葵ちゃんが待たせていたお客にお水を出しフォローする姿に「お客様第一主義」の精神が身についた先輩店員にも見え、妹も姉の背中を見て成長していき、父から娘そして妹へと受け継いでいくのだろうと思いました。この話のクライマックスとも言える番組最後の灯篭流しのシーンに感動。川面に浮かび、そよそよと流れゆく灯篭の灯りの幻想的な光景の中、彼女が書いた願い事に更なる感動を覚えました。大人たちが故郷を思い外湯を中心とした街づくりを進める姿を見て、子供たちも自然と人を思う心が芽生えるのかと感心しました。「少女の夢、湯にきらめく」自分よりも他人のことを思える優しき心の持ち主の彼女から、他人を傷つけ批判するのが珍しくない大人たちに対して、大切なことを教えられた気がしました。幾度となく再放送をするのも納得できる感動のお話でした。