歴史秘話ヒストリアの見逃し無料動画配信と再放送情報7/1植木等のスーダラ節｜Youtube/Dailymotion/Pandora/Miomio/9tsuよりオススメ

老若男女問わず、日本国民から愛されている「スーダラ節」。その主役である「植木等」について、若い人は俳優のイメージが強いだろう。しかし、彼は伝説のコミックバンドと言われる「ハナ肇とクレイジーキャッツ」のメンバーであったことは、40代以上の人にとってはあまりにも有名な事実である。そこにいた作曲家の萩原哲晶、後に参議院議員、東京都知事にもなる、天才作家の青島幸男。「スーダラ節」は歌っている本人の「植木等」だけでなく、「萩原哲晶」、「青島幸男」の3人が揃ったからこその名曲である。戦後、日本人全員が暗く、つらい最悪の時代を過ごしてきたなかで、そのつらさを笑いとばしてくれた名曲「スーダラ節」。曲は知ってはいるけど、その裏側を知っている人はほとんどいないであろうところにスポットを当てた、注目すべき番組である。ただのコミックバンドではない、「ハナ肇とクレイジーキャッツ」という、時代をつくったコミックバンドのメンバー「植木等」を中心として生まれたからこそ、日本中から愛された名曲に仕上がった「スーダラ節」。日本人なら知っておきたい情報が盛りだくさん。教養にもいろいろ種類があるが、「スーダラ節」は間違いなく、昭和の、日本の教養である。

植木等さんが、実際に活躍していた頃のことを知らないので、番組を見るまで、どんな人なのか、ほとんど知りませんでした。でも、なんとなく私がイメージしていたコメディアンとは、かなり違って、音楽界に縁の深い人だったんだなと思いました。それも、オシャレなイメージのジャズをやっていたというのは、かなり意外でしたが、そういうところも戦後の経済成長にのって、人気が出たのかなと思いました。1962年、小学生になりたい職業を尋ねたアンケートでは、「会社員」が男の子の1位、女の子でも3位に入っていて、「ユーチューバー」が上位にはいる今とは随分、違うなと思いました。そんな時代に、サラリーマンになれなかった植木等さんや、青島幸男さんは、かなり屈折した青春時代を過ごしたのではないかと思います。でも、僧侶だったという父親が「“わかっちゃいるけど、やめられない”というのは最高だ！親鸞聖人の生き方と同じだ」と言ったから、植木等さんが『スーダラ節」を歌うことを決めたというエピソードを聞くと、自由な発想をするお父さんのおかげで、今のコメディの世界の礎が築かれたのだろうと思いました。そして、昔のコメディアンは、今のお笑い芸人と比較すると、はるかに高い技術を持っていたんだなと感じました。コメディも音楽もできるという、お笑い芸人は見たことがありません。

クレイジーキャッツといえば、私のような昭和30年代生まれの人間なら、昭和の古き良き時代を思い出しますが、その中でも植木等さんは何とも言えない味のある存在だったと記憶しています。今回番組で取り上げられた「スーダラ節」は植木等の出世作という印象があり、子供心で当時その唄を聴いていて「なんてふざけた唄なんだろう」と思いっていました。しかし、大人になりサラリーマンとして働くようになって「スーダラ節」を聴いた時、子供の頃に聴いた時と違う印象を受けました。番組中で植木等さんのお父さんが「スーダラ節は親鸞聖人の言葉と通じるものがある、素晴らしい作品だ」という言葉を聞いて、なるほど！と感じました。スーダラ節が流行した高度成長期からバブル期までは、サラリーマンは今では考えられないような労働環境でありながら、日本の将来は右上がりになるしかないと信じて、上司や顧客の無理難題を受け止めて、体力勝負でみんなが邁進していた時代に、ちょっと一息ついて自分を見つめなおす、いわば一服の清涼剤のような存在であったと思います。植木等さんは戦前生まれの方なので、番組であったように、こんなふざけた唄を唄うのか？と悩まれたのではないかと思いますが、お父様の話を聴いて、懸命に働く当時の方々の心を救うという事に気が付かれたのではないかと思います。いい話でした。

戦後の日本で流行したコミックソング「スーダラ節」の誕生秘話とそれを生んだ人々の物語が深く掘り下げられていて、面白かったです。スーダラ節といえばその軽快なリズムとメロディが特徴的で、一度聞いたらつい口ずさみたくなるような耳に残るような曲です。その存在はもちろん知っていましたが、そこに込められた歌詞の意味については深くは知らず今回初めて知った事実も多くてとても興味深かったです。この歌が生まれたのが戦後の高度経済成長期だったのも驚きですが、その当時の男の子のなりたい職業1位がサラリーマンというのも驚きました。スーダラ節はそんな時代のサラリーマンの日常と悲哀を軽快なリズムで歌った曲だというのも衝撃的でした。そしてこの歌を歌った植木等さんがこのコミックソングを歌うべきか悩んでいた時に、僧侶である父親から「わかっちゃいるけどやめられない」という歌詞は人間の真理をついた親鸞の教えにも通ずるものだ、と言って植木等さんの背中を押したというシーンは胸にぐっときました。様々な人たちの思いと情熱によって完成したこの曲が、当時の高度経済成長期の日本の働くサラリーマンたちを勇気づけたのだと思うととても感慨深く見てしまいました。

戦後の日本の経済の高度成長を代表している曲と言ってもいいと言える時代格差を感じさせない聞くと楽しい気持ちにさせてくれる「スーダラ節」の誕生秘話にはまさに作られるべきして作られた曲だと思いました。作詞家の青島幸夫さんの胸を患い、属する事ができないサラリーマン社会に対する思いや歌っている植木等さんの実家がお寺である事や少年時代に父親に代わり僧侶として檀家周りをしていた経緯から、このような詩を歌う事は自分の信念に反するからと悩み、葛藤の中実家のお寺は浄土真宗で親鸞聖人の教えそのものであるとの父親の言葉で、歌う覚悟を決めた事からも歌うのは植木等さんしかいないと、運命的なものを感じました。私自身は、この歌詞のわかちゃいるけどやめられないが親鸞聖人の教えであると聞いた事驚き、まさに目からウロコと言う言葉が頭に浮かびました。またレコーディングの時に植木等さんが最後にどうでもいい気持ちで歌ったものが採用された事がこの曲そのものであると思い、最初のB面からA面に変わった事等全てにおいて目に見えないものも含めていろいろなものが動き、世相にもあっていたのだと思いました。でも植木等さんの無責任を責任を持って歌い、演じた事がヒットの一番の理由であると思います。

植木等さんが歌う「スーダラ節」のあのメロディは自身の鼻歌から生まれたと聞き、意外でした。歌詞が青島幸男氏だとは知っていましたが、青島氏が結核を患いサラリーマンになれなかった過去は初めて知りました。大学を出てサラリーマンになった人々の自堕落な生活をあらわした歌詞のように感じます。植木等さんは最初、この歌を歌うのをためらったそうです。真面目ですね。実は彼の父は僧侶でした。しかも、利他の精神を重んじる大変立派な人でした。「これは自堕落で欲を捨てきれないサラリーマンの歌だ。もし、こんな歌を歌ったら父はどう思うだろう」と悩んでいたのかもしれません。ある日、思いきって父に相談してみることにしました。父は意外にも大賛成。植木等の「スーダラ節」の誕生の瞬間でした。「わかっちゃいるけどやめられない！」が親鸞上人の教えに通じるとは思いもよりませんでした。私たちの毎日は「わかっちゃいるけどやめられない」もので溢れています。それは今も昔も変わらないのだなぁと思いました。映画「本日ただいま誕生」の言葉にも感動しました。過去を振り返らず、今を生きることが大切なんですよね。私の中の植木等さんは「スーダラ節」や「無責任男」というより、好好爺を演じる俳優さんというイメージが強いです。真面目さはにじみ出ていました。昨日は感慨深い回でした。もっとこのような回を増やしてほしいです。