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ヒミズ(映画)の内容

映画『ヒミズ』は、2012年1月に、PG12作品として公開されました。

『行け!稲中卓球部』をはじめ、2016年に実写化された『ヒメアノ〜ル』の原作者・古谷実さんによる同名漫画を原作に、映画ファンに人気の鬼才・園子温さんが監督と脚本を務めました。

園子温監督は、原作に基づいて映画化しようと思っていた矢先、2011年3月11日に起こった東日本大震災による影響で、脚本を変更して製作されました。

物語は、ごく平凡な15歳の少年と少女の運命が、ある事件をきっかけに激変する過程を描いており、主人公の住田役を染谷将太さん、ヒロインの茶沢役を二階堂ふみさんが演じました。

ほかにも、渡辺哲さん、光石研さん、渡辺真起子さん、モト冬樹さん、窪塚洋介さん、諏訪太朗さん、吹越満さん、堀部圭亮さん、でんでんさん、村上淳さん、吉高由里子さん、西島隆弘さん、鈴木杏さん、新井浩文さんなど豪華面々が出演されました。

あらすじ

中学生の住田佑一（染谷将太）は、貸しボート屋で暮らしていました。劣悪な環境で育った彼の願いは“普通”の大人になること。

一方、クラスメイトの茶沢景子（二階堂ふみ）も、母（黒沢あすか）との確執を抱えていました。そんな茶沢は住田に恋をし、住田が疎ましがり邪険にされても、住田にぶつかっていきます。

そんなある日、住田の母（渡辺真起子）は愛人とともに蒸発。そして行方不明だった住田の父（光石研）は借金を作って戻って来たことで暗転します。住田を激しく殴りつけ金をむしり取る父親。

そして酔っぱらって言った「あの時死ねばよかったのに」という父の言葉に耐えられなくなった住田は衝動的に父を殺してしまいました。

普通の人生を全うすることを諦め、世間の害悪となる悪人を殺していこうと決めた住田。自らの未来を捨てて選んだ住田に、茶沢は再び光を見せられることができるのでしょうか？

見どころ

最優秀新人賞をダブル受賞

漫画作品を原作として本作は、原作ファンも納得のクオリティに仕上がっております。物語の中で大事なシーンが忠実に再現されており原作ファンは必見です。

また、映画だけのオリジナルシーンも存在します。その中で特に印象的なのが、染谷将太さん（住田祐一）と二階堂ふみさん（住田祐一）が殴り合うシーン。実際に撮影でも本気で殴り合ったそうで、染谷さんは「生まれて初めて女性をビンタした」と明かしていました。

そんな体当たりの演技をした主演の二人は第68回ヴェネチア国際映画祭で最優秀新人俳優賞をダブル受賞。彼らの本気の演技が凄く、目が離せません。

東日本大震災後の世界

園監督は原作に基づいた映画を製作しようと考えていたそうですが、本作の製作中に東日本大震災が起こりました。そこで、脚本を変更し、本作での世界は“震災後の日本”として描かれております。

また、東日本大震災を受けたことにより、“終わらない日常”が“終わらない非日常”となったことは決して無視することはできないと感じた園監督は、被災地での撮影も敢行したそうです。

また「希望に負けた」と明かした園監督。原作漫画とは異なるラストが描かれており、どのような結末を迎えるのか。その違いについても注目です。

スタッフ

原作：古谷実「ヒミズ」
脚本・監督：園子温
製作：梅川治男 / 山崎雅史
音楽：原田智英
編集：伊藤潤一

キャスト

住田祐一：染谷将太
貸しボート屋で暮らす中学生。劣悪な環境で育ったため、普通に生きることを目的としている。

茶沢景子：二階堂ふみ
両親から「要らない」と言われて生きてきた住田のクラスメイト。住田に恋心を抱いている。

夜野正造：渡辺哲
東日本大震災で被災して家や家族を失い、ボート小屋の近くに野営している男性。

住田の父：光石研
住田を置いて家を出ているも、しばし金をせびりに戻ってきては、住田に虐待をする。

住田の母：渡辺真起子
昼間から愛人のてつを連れ込み情事にふけっており、住田の世話を放棄している。

てつ：モト冬樹
住田の母の愛人。

テル彦：窪塚洋介
スリの名人。鮮やかな手口を夜野に見られたことをきっかけに、弟子入りを懇願される。

まーくん：諏訪太朗

藤本健吉：川屋せっちん

田村圭太：吹越満

田村圭子：神楽坂恵

茶沢の母：黒沢あすか

茶沢の父：堀部圭亮

金子：でんでん

谷村：村上淳

ミキ：吉高由里子

YOU：西島隆弘

ウエイトレス：鈴木杏

シュウ：新井浩文

コメンテーター：宮台真司

怪しい男：手塚とおる

妊婦の義母：木野花

ファミレスのヤンキー客：坂ノ上朝美

ヒミズ(映画)の感想

まとめ