蛇にピアス(映画)の無料動画フル配信｜DVDレンタルよりオススメ

吉高由里子さんの初主演映画ですが、言葉が出ないほど美しいです。ラストシーンの顔を上げた時の彼女は表情は気高く品の良ささえ感じました。また、彼女はどれほど生々しいセックスシーンを演じたとしても、下品にならない不思議な清潔感を持ち合わせてます。彼女がいなければ、本作は成立しなかったと断言できるほど、吉高由里子さんの評価が上がる作品です。

好き嫌いがはっきりと別れる作品になっているかと思います。個人的には好きな作品ですが、全編に緊張感をもたらしているので、見るのに集中力が必要です。蜷川監督は只者ではないなといった印象を受けました。

メインキャラからサブキャラまで、演じた俳優が本作を経て第一線で活躍する俳優になったんだなと。物語とは別のところで深い感慨を持ちました。

舞台の演出家としても有名な蜷川幸雄さんの最後の映画作品。本作の撮影当時72歳の蜷川さんが、当時最年少で芥川賞を受賞した金原ひとみさんの原作作品を監督するということで、興味深かったのを覚えています。文学作品の映像化として成功した映画といえるでしょう。

吉高由里子に興味があり視聴させて頂きました。いつの時代も変わらずいると思う平凡な道を歩かない人に焦点をあてた作品です。その中でも何か満たされず変わったことを求め続ける姿がとても印象に残ります。この映画で見てほしいと思うセールスポイントは１番に満たされない自分の感情をどうやって満たしていくか、どのような方法をとっていくかに注目して、さらに自分だったらなんて想像してみることも楽しくて何度もみたくなります。なぜそこなんだろうという不思議な魅力を感じさせてくれます。２番目は役者さんたちの細く美しいからだに注目してください。男性陣は細いだけではなく引き締まった感じのするからだがとても良く俳優さんって細いだけではなく鍛えてるのかと想像を膨らませてくれる作品です。３番目は予想を超える展開を楽しんでください。役者さん達の演技の上手さがよく、ストーリもよいのできっと楽しめる作品だと思います。役者さん１人に感情移入するとなんでこうなんだろう、なにがこうさせるんだろうって考えることがものすごく楽しく感じます。最後にですが吉高さんの若かりし頃の演技は若々しくもありますが、とても上手な演技をしていると思いますのでぜひ見て頂きたいです。

吉高由里子のデビュー作ですが、難しい役どころを体を張って上手く演じていたと思います。吉高演じるルイは、家族がいる様子もなく、渋谷のクラブでナンパされた同じく身よりのないアマとなし崩し的に同棲を始め、アマに影響されて体に入れ墨、また舌先を裂くスプリットタンをやり始めます。かえって吉高が他の作品にまだ出ていない分、名前も身元もよく知らない男性と一緒に暮らして流されてタトゥーを入れてしまうような、意志の弱く空虚な女の子の雰囲気が出せたのかなと思いました。ルイがヤクザ（藤原竜也と小栗旬の特別出演でした）に絡まれた際、アマは怒りで我を忘れて、１人を殴り殺してしまいます。殴って抜けた相手の歯を拳から出し、愛の証だとルイに渡したときの笑顔が、キレてるときのギャップを感じ鳥肌が立ちました。ルイに入れ墨を入れる彫り師のシバさんも、口数が少なくつかみ所のない役ですが、ルイとアマとの関係を大きく変えていきます。個人的にはルイの背中に龍を彫っているシーンの映像美が好きです。画面全体を暗くしている分、鮮やかな入れ墨の色彩が印象に残りました。最後にルイがアマの愛の証を自分の体に入れるシーンもぐっときました。過激な表現もありますが悪目立ちするのではなく、現代にはびこる人に対する無関心さや、逆に執着、個々の欲望がバランスよく描かれており見応えのある作品でした。

毎日お酒に溺れていたルイが、赤毛のアマと出会って、純粋に恋をしていたのに、ある日ヤンキーにナンパで絡まれたのがきっかけで、ルイと友達を助けるためにアマが殺人の指名手配者になってしまい心が痛かったです。でもそこでアマがルイに対する気持ちが本気なんだなと心を撃たれました。ルイもアマのことが大好きだから、捕まらないように目立っていた赤毛も、アッシュ系のカラーに変えて、守り続けた行動に感動しました。でも、スプリットタンに憧れてしまったルイがアマの紹介でベテラン堀師のシバと出会ってから、アマの知らないところで刺繍の代金はカラダで払うようになってて、過激すぎました。類の痛みで生きていることを感じるという概念がすごいと思いました。私には無理です。しかも彼氏がいるのに。でもこの後の展開の方がキツかったです。ルイはアマの彼女なのに、シバがルイのことを好きになってしまって、自分のものにしたいが為に殺していて、知らないふりして傷ついてるルイに近づいて、ほんとに許せなかったです。しかもシバとアマにもカラダの関係があったと知ったときは、ルイが可哀想でした。でも、シバはアマにも好意があって好きになりすぎて殺したんじゃないかなと思ったけど、殺したくなる意味がわかりませんでした。私なら好きな人とはちゃんと生きた状態で愛し合いたいなって思いました。

小説を読まずに観たので全く内容を知らずに観ましたが、最初から吉高さん（ルイ）の体当たりの演技が衝撃的かつ魅力的で、引き込まれました。登場人物は少なくてほとんど吉高さんと井浦新（シバさん）さんと高良（アマ）さんのやりとりで進行していきますが、ちょい役で出演される有名人がサプライズで、あれはもしや！と発見したりして内容とは別の気持ちで面白いと思わせてくれました。舌ピやスプリットタンや入れ墨等の正直痛々しい映像も多々ありますが、CGを使われているのでしょうが、本当にリアルですごいな！と感心しました。ルイがスプリットタンへ惹かれて、穴をあけて、それを広げようとする時の涙の出し方とかも生々しくて、ほんとにやってるのかなと思わず調べてしまいました。違って安心するくらい技術がすごいなと思いました。アマがルイを守るために殺してしまったヤクザの歯を愛の証としてルイに渡し、ルイはアマが犯人と気づかれないにする必死さがなんとも切なかった。その後しばらくしてアマは誰かに殺されてしまうのがやるせなかった。その後アマとシバさんの関係も本当かどうかはルイの想像の中だけなのかもしれないけど、ルイはそれが分かってしまっても、気づいてないふりをしてごまかして、人が傷つかない方向にいくようにする優しさが、余計に自分を苦しめているようで辛かった。でもアマを愛していたという証は一生消えないままなので、こういう愛の形というのもあるのかと、終始ドキドキした映画でした。

金原ひとみさんの原作が大好きで、何回も読みました。ルイが吉高由里子さんだと知った時は、イメージとピッタリ！と思いました。その他の登場人物も想像通りでした。アマにシバさん、二人ともいい意味でアンダーグラウンド感が出ていたと思います。アマ役の高良健吾さんはどこか可愛らしく素直なところも出ていて、こちらも原作通りだと思いました。そして何よりもシバさん！実際こんな見た目の人いたら、怖くて近寄れないかも！と思うのですが、そこはやはりルイの好奇心と無邪気さが相まって仲睦まじくなっていくんだよねというのがすごくよく伝わりました。とにかく出ている役者さん皆が体当たり演技なのが見ていて分かります。かなり難しい役どころだったのではないでしょうか。吉高さんって、清楚な役も見事に演じ切りますが、こういった少し影のある役もとても合っていると思えてくるのが不思議なところ。ハイテンションでふりきっていても、心の中には寂しさや辛さを抱えているのだろうということがすごく伝わりました。一番のお気に入りはやはりラストシーンですね。見終わった後、ものすごく考えさせられるつくりになっています。ルイのその後が気になってしょうがないです。色々と思想を巡らせることのできる映画でした。

予告から泣けて、カオスでノスタルジックな気持ちになる映画です。原作は読んだことがありませんが、映画予告を初めてみたときに私が高校生の時に同じような思いをした思い出にとても似てるなと感じ、見始めました。楽しいこともなく、ただひたすら時間だけが過ぎていく毎日に嫌気がさして、痛みという刺激に触れ合うことが自分が生きている証だと思う主人公・ルイ。極端に性格の違う男性二人に翻弄されて、自分がもし死に近づいたときにどちらが幸せに殺してくれるのかを考え始める。ルイにスプリットタンを教え、ルイへ過剰な愛を届けるアマ。ルイを見るたびにサディスティックな気持ちでDVするシバ。人は刺激を求め生きる生き物であり、気づいたときには、いわゆる平凡な幸せは存在しなくて、悲しみ陥る。だだ、それこそが生きていく面白さなのかもしれない。傷を負って、大人になっていく若者のストーリーが描かれていて、そこで人生をあきらめちゃう人も中にはいると思いますが、私はこ映画じゃら生きる喜びをすごく感じ取りました。もう5回以上は見ていますが、年齢によって、感じ取り方がちがうので、いつまでも新鮮な気持ちで見れるし、「生きるとは」を考えさせられる映画でとても大好きな作品です。

これまで平凡に、何事もなく普通に生きてきた私にとっては、衝撃の内容の映画でした。とても痛々しく感じるシーンがあり、そういうのが苦手な方にはオススメできません。公開当時、ものすごく話題になっていたことを覚えています。芥川賞をとった小説家金原ひとみの作品であり、吉高由里子がすごいらしい、ということは知っていました。やっと観て、ほんとに衝撃です。吉高由里子はキレイで、確かにすごかったです、色んな意味で。ただ最近のドラマでは、弱さと強さを持つ魅力的なキャリアウーマンの役柄が多かったので、こんな役もやっているのだと驚きました。そして、脇を固める高良健吾とARATAもすんごいです。ブッ飛んでいました。ARATAは特に、爽やかな優しい顔のイケメンだと思っていたので、ここまでエッジの効いた役柄に、少しのショックを受けました。いや、すごくハマっていたのです。どういう風にこの映像を撮ったのか、とても気になりました。耳や鼻やヘソのピアスは分かりますが、ここまでの世界があるとは知らなかったので、人の体には、こんなにも手を入れることができるんだと初めて分かりました。高良健吾の舌が今どうなっているのか、気になりました。（映像はCGだったようですね。ホッとしました。）

初主演、まだ今みたいに有名ではなかった吉高由里子が、大体裸なのが衝撃的だった。大体ヤルか彫るか。（笑）でも、本当にいろいろ考えさせられる映画だった。そしてアマ君とシバさん、かっこよすぎたし、アマ君は本当にドンピシャにタイプすぎてこの映画を見た後に、勇気がなくてしてないけど”スプリットタン”したくてしたくてたまらなかった。（笑）最終的に何を伝えたかったのかわからなかったけど、とても感情移入してしまい、すごい引き込まれる内容だった。こういう若い子って意外と結構いると思う。生きている意味や、自分がどこに向かってるのか、自分はなにがしたいのか。叶えたい夢がなくて、生きる意味を自分で見いだせない。誰かはいるのに、孤独を感じていたり。「痛みだけがリアルなら痛みすら私の一部になればいい。」激しい痛みや激しい快感で生きてることを実感していたんだろうなって思う。壊れそうな精神でぎりぎりなところで生きてるあの感じ、なんだかわかるし、心がぎゅんっとなった。だれしも心に暗い部分を持っていて、どうしたらいいのかわからなくてもどかしいときってあると思う。なにかにすがりついてなんとか過ごしている。とらえ方は人それぞれだからこの映画をみんながどう解釈したのかが気になる。生きるってなんだろう、ってストーリー。

人体改造やサディスティックな内容、精神的痛みと肉体的痛み。ルイがアマの本名も知らないのに同棲を始めたり、シバには身体に彫りをいれてもらう代わりに身体を提供する。どれも「普通」や「現実」からは離れたところにある気がするけど、不思議と最後まで吸い寄せられるような感覚で見ました。夢も何もなく何のために生きているかわからないルイが、痛みで生きていることを実感しているあたりは、リスカなどをしながらも必死で生きている若い子などは共感できる部分もあるのではないでしょうか？スプリットタンや刺青で身体に激しい痛みを与える、シバからの苦痛を伴うSEXを受け入れる姿は、その肉体的痛みで心の痛みを覆い隠して小さくしようとしているように見えました。好きだったアマが亡くなって、犯人の証拠になりそうなものをシバの店で見つけてしまったルイが、必死で隠しているのは、正直、「独りになりたくない、一緒にいてくれたら誰でもいい」という気持ちなんじゃないかと思います。吉高由里子さんの演技にも引き込まれましたし、シバ役のARATAさん、アマ役の高良健吾さん、は言われないとわからないくらいのピアスや刺青だらけで…でもとても雰囲気にあった演技でした。この映画を見てからしばらくは何故か脱力感でいっぱいになりました。賛否両論ある映画だと思いますが、私はここまでの経験は無くとも、若いときには、「生きてる意味がわからない」と思ったこともあります。なにかで生きている実感が欲しいと思ったことがあるかたも少なからずいると思います。

「蛇にピアス」は、芥川賞受賞作を蜷川幸雄さんが監督として製作された映画です。主演の吉高由里子さんが、自分が生きていると言うことを実感できる瞬間を求めて奔放に生きていく姿が描かれます。その生き方は、刹那的で投げやりにも見えますが、自分と繋がった人を心底思いやる優しさがどの場面からも感じられます。どんな境遇で育ってきたのだろうか、見ていてそんなことを考えさせられます。でも、映画の中では、恋人同士の会話の中で普通に聞かれるような「家、どこ？」「私の母さんはさあ…」「明日、どこに行こうかぁ」といった言葉は出てきません。吉高由里子さん演じる主人公ルイと高良健吾さん演じるアマは、お互いの本当の名前すら知りません。それなのに二人は惹かれ合い、深くつながり合い、生きている実感を共有します。吉高由里子さんのの官能的で過激なシーンが注目されたりもしましたが、奔放に生きながらもアマを求め続けているルイに魅力を感じ、最後まで目が離せなくなります。アマは、スリップ・タンと言われる舌先が蛇のように二つに裂けた舌と竜のタトゥーをまとっています。その過激でピュアな容姿と心に共鳴して、ルイも舌にピアスを付け、背中に竜と麒麟のタトゥーを入れます。生活のすべてに対して常に感じていた心の痛みを、ピアスやタトゥーの痛みでリアルに実体化させ、すべてを自分の肉体で受け止めようとする生き方は、普通の人にはできないなあと思いながらも、ルイの生き方に憧れを感じたり共感したりしてしまいます。犯罪に関わってしまうアマや彫り師シバをどうにかして救おうとするルイですが、物語は驚くほどに急展開していきます。そんな状況下、脆くて哀しげに見えるルイが、“アマの愛の証”を砕いて飲み込み、自分で決断し、前に進んでいきます。Charaさんの歌うエンディングも素敵です。とても印象にのこる作品でした。