東京家族(映画)の無料動画フル配信｜DVDレンタルよりオススメ

映画史に残る小津安二郎さんの不朽の名作『東京物語』を、山田洋次監督が舞台を現代に置き換えて繊細なディテールは残しつつも大胆にリメイク。とても良かったです。人にオススメしたくなる映画で、とても泣けました。やっぱり家族っていいな。と思わされます。

私の母は、高齢者施設で過ごしております。本作で、母親が倒れたあたりから、自分の母とダブってしまい、涙が止まらなくなりました。
私も機械的な面会ではなく、ユックリと過ごしていこうと思った次第です。

このあとに作った映画『家族はつらいよ』と同じ俳優さんたちが出ています。役柄が全く違いますが、それもすごく面白いので、あわせて観ることをおすすめします。

吉行和子さん、夏川結衣さん、中嶋朋子さん、蒼井優さんと皆さんがステキです。日本人で良かったとさえ思いました。

この映画は2013年に監督は山田洋次。主演は、橋爪功、吉行和子といったキャストで公開されました。この「東京家族」、1953年、小津安二郎が撮った日本映画の名作、「東京物語」を現代風にしてリメイクされた作品です。主演、笠智衆、原節子。その「東京物語」。日本はもちろんの事、海外でも高い評価を受けた、小津安二郎の代表作でもあります。きっかけはよく分かりませんが、山田洋次はあえて現代に、このリメイクに挑んだのがこの「東京家族」です。リメイクですから当然ですが、物語は前作と同様、子供たちに会いに広島県から東京へと上京する老夫婦のお話です。日々を忙しくしている子供たちに、なかなか思うように会えず、寂しく、やがて穏やかに一家がバラバラになっていきます。リメイクですが、前作をちょっと今っぽくしている箇所もいくつかあります。子供たちからのプレゼントが熱海の宿から、横浜の高級ホテルに、戦死した設定だった次男が生きていたり、その次男はまだ結婚前だったり、この辺などが変わっています。どうしても前作の印象が強いのですが、こちらの「東京家族」の方が良い意味で軽やかです。テンポも良く、深刻になり過ぎない所が良いと思います。

この「東京家族」という映画は本当なら2011年に公開予定だったそうです。公開予定だった年に東日本大震災が起こった為に2013年の公開予定に変わり、キャスティングも変えたそうです。東京家族は何度も観た映画ですが、観る度に感じるところが変わってくる映画です。山田洋二監督らしいごく普通にいるような家族の話でありながらも、どこか心が苦しくなったり、じーんと温まったりするお話しでした。両親が上京してくるというのに子供たちが邪魔もの扱いで小競り合いするシーンはリアルです。クスッと笑えるし「あるある」と、どこの家庭にもあるシーンのようです。せっかく両親が来たのだから東京観光をさせてあげようと思ってはいるけれど子供たちにもそれぞれの都合があるんです。大きく頷けるポイントでした。でも、邪魔者扱いされていることに気付きながらも部屋で大人しくしている高齢の両親の姿は胸が痛みました。吉行和子さんの物静かな物言いと佇まいがなんとも愛しく見えて、そして儚げにも見えるんです。ホテルでのシーンは思わず泣いてしまうこともあってこの「東京家族」を見終えるといつも親の事を考えてしまいます。果たして自分は親にどんな思いをさせているんだろう？何かできているのかな？と。

田舎に住む両親（橋爪功・吉行和子）がお世話になった元同僚のお線香をあげるため、東京にやってきます。まずは第一子である長男（西村雅彦）で医者の家へ行きます。しっかりしていて、奥さん（夏川結衣）もいい方でさすが長男という感じです。それから第二子の長女（中嶋朋子）の家へ行きます。長女は自営業で両親の面倒を見られないこともあり、ホテルを取ってそこで過ごしてもらうことにしました。しかし、あまりホテルに慣れていない両親はすぐに帰ってきてしまいます。真ん中は自由人とよく言いますが、その通りだなと思いました。その後、別行動をとることに決め、父親は友人宅へ、母親は第三子となる次男（妻夫木悟）の家へ行きます。末っ子は甘えん坊とよく言いますが、夢を追いかける優しい青年という感じです。母親を彼女（蒼井優）に会わせます。東京での生活の中でも、両親は郷里に残した犬のことが心配になって、世話を任せている隣の高校生の女の子（荒川チカ）に電話します。山田洋次監督のファンでない方でもこの胸を締め付けられ、問題提起があり、考えさせられる作品が好きな人は必見だと思います。遠くの親戚より近くの友人と言いますが、この映画もそういった面があります。子供たちを無事に育て上げ、子供に期待することは子供たちが自分たちの力で幸せに暮らすことであって、自分の面倒を見て欲しいということではないんだなと思いました。きっと自分もそうなるのだろうなと想像できました。どの世代の人が見ても考えさせられ、改めて家族を理解することにつながるような映画になっていると思います。出生順による性格の違いも面白かったです。是非一度ご覧ください。

瀬戸内に住む親と、もう成長し東京で生活を築いている家族のお話です。小津安二郎監督の『東京物語』へのオマージュと書いてありましたが私は観ていないのでわかりませんでした。出演している俳優さんも舞台も現代ですが、台詞の言い方は古い昭和の時代です。自然な映画というより演劇を観ているような映画という感じでしょうか。映像が暗めで綺麗でした。お父さん、こちらはかなりの頑固者。お母さんは優しく相当苦労しただろうと思いました。東京に来て二人で肩身狭そうにしている姿を見ていると、娘たちに構わず二人で勝手に遊びに行ってしまえばいいのにと思いました。田舎からでてきて東京のゴミゴミしているところでふたりきりではぶらぶらしたくなかったのでしょうか。私はまだ３０代ですがこの所在なさそうな2人を見て、こんな風に歳をとりたくない、心の自立した年寄りになろうと決意しました。2人いっしょくたに書きましたが、母親のほうはとても優しく吉行和子が素敵に演じていました。次男に結婚相手がいると分かった時の優しい対応、心の底から喜んでいる感じが胸に残ります。息子に内緒で未来のお嫁さんにお金を渡したり。次男は映画の中で優しい子だと言われていましたが、父親に似ているところがあり、不貞腐れたり人に大事なこと押し付けたり、あんなに良くしてくれる婚約者をもっと大切にしないと逃げられるよ！とハラハラしました。今後、婚約者を大切に優しく暮らして欲しいです。父を嫌いながらも母のような優しい婚約者に甘えています。所々、吉行和子が絡むと涙が出そうになりました。着物姿が素敵でした。父親は少しは改心したのか…これから歳を取っていく身には反面教師になって勉強になりました。