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3歳の娘を子育て中のパパです。劇中で語られていた娘さんの何気ない一言が、印象に残り涙が止まりませんでした。とても良い作品です。

序盤から子育てあるあるが連発しており、ただでさえ大変なのにシングルとなると苦労が図り知れません。孤軍奮闘の山田孝之さんを応援しながら鑑賞しました。

シンプルなタイトルがまた味があっていいですね。優しい主題歌に、優しい余韻を味わいながら、観て良かったなとしみじみ思わせてくれる良作。2020年のマイベスト映画です。

どのシーンにも意味があって、どのシーンを切り取っても良く、1秒たりとも無駄なシーンがありませんでした。

山田孝之、伊藤沙莉、川栄李奈、広末涼子など自分が個人的に大好きな俳優たちが多く出演していた極めて豪華な映画だったなという印象をまず持ちました。30歳というまだまだ若い年に山田孝之演じる主人公が妻を亡くしてしまうという非常に悲しいストーリー設定にすぐに引かれました。小さな子どもがいる中で、妻を亡くし、子どもにとっての親が父親の自分一人になってしまうという現実がどれほど厳しく悲しい現実なのかが伝わってきたような気がします。自分には幸いにも両親ともにずっと健康体でいるので、このように自分の人生において経験することのなかった色々な家族の形がリアルな映画の世界で見られて、今までの価値観も変わったように感じています。男手一人で育てると決心し、娘にはしっかりと教育を受けさせて育て上げた健一の姿を見ていると、大きく励まされるものがありました。全体的にこの作品を観て、普段自分がどれだけ恵まれた環境にあったのかということを実感できたような気がします。自分にとって山田孝之と言えばコメディのようなイメージが定着していたので、珍しくまじめで切ないストーリーの主人公を演じていましたが、お父さん役がかなり似合っていたと思います。

原作を読んでとても良い本だったので、映画化されることを知り観てみました。私のイメージでは山田孝之さんがお父さん役というのが、ちょっとつかめなかったため、どんな映画になるのだろうと不安な気持ちの方が強かったです。しかし、実際に観てみるとハマっていたと思います。実生活でも山田さんはお父さんだそうなので、ちゃんとお父さんらしさが出ていたと思います。題名のとおり、ステップファミリーに関するお話です。私は女性なので父親になるという気持ちや小さな子を持ちながら再婚するという気持ちなどは想像つきませんが、何となく自分だったらどうするだろうと考えながら観ました。このお話に出てくる義理の両親などの身近な人たちはみんな良い人なので、主人公は恵まれているなと感じました。これからステップファミリーになる人にはぜひ観てもらいたいです。また、今後、ステップファミリーはどんどん増えていくような気がしています。誰にでもこういった環境に置かれる可能性はあると思うのです。このお話のように、私が同じ立場になった時はきちんと家族と向き合ってステキなステップファミリーを築けたらいいなと思いました。どんな立場の人が観てもそれぞれの視点で様々な想いを感じられる作品かもしれません。

健一（山田孝之）がシングルファザーとして、幼い娘が小学校を卒業するまでを描いた物語です。健一の妻は30歳でなくなってしまい、まだ幼い美紀（白鳥）を自分で育てることを決意します。保育園の先生、義父母など周りの人々との交流を丁寧に描いています。亡くなった妻の両親と、美紀を見守り育てる中でできた、本当の親子のような絆がとても尊いものに思えました。美紀がまだ幼い頃、ご飯を食べさせたり、お風呂に入れたりするシーンはほほえましくも、リアルな育児の大変さがよく表れていました。仕事との葛藤するところも健一の心情が良く伝わります。ケロ先生と呼ばれる保育士さんを演じた伊藤沙莉さんははまり役でした。とても優しくて、明るくて良い先生で、亡くなった美紀の母に思いをよせる優しさに涙がでました。小学校では、母の日の絵についてのエピソードが、切なかったです。お母さんがずっと家にいるという美紀の純粋さを嘘と呼んでほしくないなと小学校の先生の発言に少し抵抗を覚えましたが、それでもそんなエピソードも親子で乗り越えて成長していく二人に共感します。登場人物が優しくて、よい人が多いストーリーで心が温まりました。いたわり合う、寄り添い合うことの大切さ、温かさを感じるストーリーです。

映画『ステップ（山田孝之）』を観て、「悲しみを乗り越えようとする健一」と「健一を支える人々」が特に魅力的だと思いました。まず、悲しみを乗り越えようとする健一についてです。この映画では、妻を亡くし娘と二人で生きていくことになった健一の様子が描かれます。健一は大好きだった妻を亡くしたショックからなかなか抜け出せずにいましたが、一年の時を経て娘と一緒に新たな人生を始めようと決意します。父親として娘と向き合うことの難しさや新しい仕事に戸惑いながらも、妻の死を乗り越えるために懸命に日々を過ごす健一の姿に、勇気をもらいました。次に、健一を支える人々についてです。仕事と子育てに追われる慌ただしい日々を送る健一は、義理の家族や同僚たちなど、健一の大変さを理解する人々に支えられていきます。それぞれ大変な状況があるはずなのに、健一のことを思いやり、優しい言葉を掛ける周囲の人々の姿に、心動かされました。また、健一と接している時の周囲の人々の眼差しや表情がみんな穏やかで温かく、健一のことをどれほど大切に考えているかが伝わってきて、健一との信頼関係も感じられて、どこか羨ましさも感じながら食い入るように観ていました。

癖のある映画に出る事が多い山田孝之が、めちゃめちゃ涙を誘うような映画に出ている事にびっくりすると思います。お父さん役のイメージもそんなにないので、まずどんな演技をしているかだけでも楽しめます。父親と娘の関係というのは母親がいる時はどうしてもイメージが湧きにくいものですが、母親がいないとどんな親子関係になるのかという部分に興味が湧きました。最初に感じたのはどちらも相手に迷惑をかけてはいけないんだ、と思っているような感じです。父親は娘が寂しがらないように仕事をどうにかやりくりしますし、娘も寂しさを見せないような態度を取るのです。この辺はものすごく応援したくなってしまう部分です。また小学校に入るとお母さんに関するイベントがあって、その事がこの2人を悩ませます。しかし様々な出会いや助けがあっていい思い出にする事ができたのは、ものすごくハートフルで心が穏やかになります。少しづつ娘が大きくなってくると、仕事も以前のように忙しくなってまた2人の環境が変わってくるんです。そして父親に新しい女性ができて娘はどういう反応をするのかという部分は、受け入れるということの難しさがわかった気がします。最後まで心温まる物語です。