サイドカーに犬(映画)の無料動画フル配信｜DVDレンタルよりオススメ

奔放で綺麗なお姉さんを演じた竹内結子さんと、可愛らしく静かで味のある演技をしていた子役の松本花奈さんの関わり合いが、観ていてほっこりします。
中学生だった頃に視聴してから、竹内結子さんが好きになりました。この度は残念ですが、天国でゆっくり休んで欲しいです。ありがとうございました。

10歳の薫を演じた松本花奈さんが素晴らしかったです。微妙な心の揺れを表情豊かに演じられてました。

父の愛人と少女がひと夏を過ごす話ですが、全くドロドロしたところがなく、観ていて心地よく爽やかな映画でした。凄く大好きな1本です。

自分を好きになってくれた人を大切にしたいと思う気持ちは永遠ですね。余韻の残るいい映画でした。

面白いタイトルに惹かれて、どういう意味があるのかとても気になりました。カオルがおんぼろ車越しに見た光景が印象的で、カオルの口からその意味が語られ、なるほどと納得がいきました。また、突然現れたヨーコさんが、けだるいような雰囲気の中にどこか色気が漂っていて、彼女の纏う空気が好きだなあと直感的に感じました。自分の娘でもないのに、カオルの為に自転車の練習に親身に付き合ってくれるヨーコさんに対して嫌な感情はひとつも感じられず、むしろ、心優しく、そして型にはまらず新しい世界をみせてくれる素敵な女性という印象を抱きました。さらに、時折みせる彼女の涙がとても美しいなとも感じました。また、母とヨーコさんが揉み合いになるシーンでは、揉み合って倒された母よりもヨーコさんを心配するカオルの気持ちにとても共感できました。自分がカオルでも、きっとヨーコさんを心配するだろうということをカオルが代わりに表現してくれたと感じれて嬉しかったです。作品では、経験したことのない夏休みをくれたヨーコさんの明るい姿がありありと映し出され、大人になったカオルの心の中で今でもヨーコさんの存在がひときわ大きかったことがラストシーンからうかがえます。作品全体にも懐かしさが散りばめられて、レトロ感漂うほのぼのした作品です。

私が本作品を見ようと思ったきっかけは、タイトルに興味を持ちそそられたからです。サイドカーに犬ってどうゆう意味。そのままの意味。頭の中にはてなが浮かんだので本作品を観ました。そして、本作品を観て3点の感情を抱きました。1点目はサイドカーに犬が乗っている勇ましさです。本作品ではタイトルそのままに犬がサイドカーに乗っていました。その犬は前だけを真っ直ぐ見つめ、勇ましくサイドカーに座っていました。その光景はまるで、人間に飼われている犬というよりかは人間と対等の立場でドライブを楽しんでいる光景に見えました。犬は人間に飼われているのではなく、人間と共に生きていると思わせくれました。2点目は竹内結子が子供に向かって、買うのと買われるのどっちがいいと質問したシーンには、人間の心の声だと思いました。誰しも人間は人の下になる、人の命令を聞くよりも、人の上に立ち、人に命令したい生き物だと思います。しかし、同じ人間。皆んなが皆んな、人の上に立ち、命令する事はできません。しかし、犬は人に命令する事ができず、人の命令で育ち、人がいなければ生きていけません。竹内結子の質問は人間が動物より勝っており、人間の本質について問いただした質問だと思いました。

自分が幼い頃、母の良子が失踪するというショッキングな経験をした主人公の薫。その薫にとり、母とは全く異なる自由な生き方を好むヨーコという若い女性が突然に現れます。こんな経験を子供の頃したら誰しもいろんな意味で永遠に忘れられない思い出になるはずです。この映画はまさにその設定である。ヨーコは束縛のない自由な生き方を好みなにか問題が起きると自分の感情を抑えず勝気な面を見せる女性。薫にとりヨーコから勧められて初めて飲んだコカ・コーラへの初めての経験。薫は突然現れたヨーコという今まで出会った事にない女性にどんどん引かれていきます。衣服や身だしなみなどこだわりを見せない新鮮味のあるヨーコの生き様への強い関心は子供の好奇心がいかに旺盛であるかをよく表したとてもいい話の展開だと思います。この映画の見どころは繊細さと几帳面な産みの母の良子とは価値観や思考体形が根本的に違うヨーコと2人で出かける旅と思います。2度と来ない夏休みに自分の母でない女性と出かける旅は薫にとり忘れられない思い出になったはずです。ヨーコそして母。2人の生き方を通じて薫は人生にはどんな生き方も素晴らしくどの生き方もそれぞれ価値があるという事を子供心に学んでいくのではと感じました。ノスタルジックな気分になれるいい映画です。

ちょっと仕事に疲れた薫は仕事を休み釣り堀へ出かける。そこで出会った小4の女の子と釣りをするところから20年前の回顧録が始まる。薫の母親が念入りに家の掃除をし、子どもの薫に大人になる心構えを教えてから家出した。もう母は戻ってこない、薫はそんな予感がしていた。そんな中現れたヨーコ。父に頼まれご飯を作りに来たと言う。派手な身なり、粗暴なら言葉遣いの裏に不思議な温かい優しさやユーモアが見えるところが、ヨーコ演じる竹内結子の魅力を感じる。きっとヨーコは父親の愛人なんだろう。ヨそんなヨーコと母親をどっちがいいかなんて、薫と弟の透で天秤にかけたりする。刺激的なヨーコは母親とは違う大雑把で広い視野を持ち、薫に新しい世界を見せていく。父親は大きな夢を見るダメな大人の典型、透はどこにでもいそうな悪ガキ。でもどこか憎めない。そんな中薫だけは真面目に静かに生きたい様子を感じる。「自転車乗れるようになると世界が変わるよ」ヨーコの薫への声かけだが、何事もきっかけなんだよなと思う。ヨーコの言動は雑なようで深い。母のようで姉のようで。謎だけど魅力的な大人。薫の周りで唯一の心から頼りになる大人だったのかもしれない。自由に見えて、心の芯をしっかりもっているヨーコ。気分転換の夜中の小旅行は薫にとっては大冒険だ。そんな中、ぽろっとこぼす薫のひと言。「お母さんに怒られるから。」母親以外の価値観に気付き始め、ハッとする。母親が出て行っても仕方ないほどダメ人間の父親には、ヨーコも惚れた弱みかトラブルに巻き込まれるが、その泣き笑いが本当に美しい。ヨーコの夏休みについていく薫。行き先は海。アイスを買ったつてで干物屋に泊まった先のおばあさんの樹木希林の演技がすごい。笑っちゃうほど迫真の演技。「嫌いなものは好きになるのに、好きなものを嫌いになるのは難しいね」「あたしも前は左側しかだめだったのに、いつの間にかどうでもよくなっちゃった。でもあんたは大丈夫」「あたし薫のことすきだよ。薫と友達になれてよかったと思ってる」ヨーコの薫への愛のこもった言葉たち。愛人と男の娘。トリッキーな組み合わせだけど、温かい心のふれあいが確かにそこにあった。それが今を生きる薫の糧になるんだろうと思う。そして、ヨーコも変わらず飄々とでも温かくどこかで生きてるんだろう。気持ちが温かくなる良い映画だ。

主人公の薫と薫の父の愛人ヨーコのやりとりがあたたかく描かれていて、前向きな気持ちになる映画でした。作中では二人のやり取りが微笑ましく、観ていて幸せな気持ちになりました。薫はヨーコにコーラの味を教えてもらったり、麦チョコをカレー皿に入れて食べるという贅沢な食べ方を知ることになったりして生活に楽しさを見出し、薫はヨーコが来る前よりも明るくなったように思えました。特に麦チョコのシーンは映画を観ている私自身も昔やっていたこと、豪快なヨーコの性格がよく表れていたことから印象的な場面でした。さらに二人が小旅行に出かける場面も見逃せません。海辺に出かけて一泊した翌日、ヨーコがカメの手獲りに夢中なるシーンで薫に言った言葉は心に響くものでした。「嫌いなものを好きになるより、好きなものを嫌いになる方が難しい」普段あまり好きなものを嫌いになることについて考えることはないですが、ヨーコの言葉に確かにそうだと思いました。ヨーコの言葉を聞いていると嫌いなものを好きになることのハードルがぐっと下がるようで、苦手なことを乗り越えられそうな気がしてきました。あたたかい作風に元気をもらえ、観終えた後は前を向ける良いストーリーだと思います。

弟・透から受け取った結婚式の招待状を片手に、ぼんやりと釣り堀に佇むアラサー女性・近藤薫の横顔がオープニングを飾ります。暇潰しに見知らぬ女の子の相手をしているうちに、いつの間にか過去へとドライブしていくような幻想的な味わいがありますよ。小学生の頃の薫が家族と一緒に乗っているオンボロの自動車、後方から猛スピードで追い越していくオートバイ、サイドカーにちょこんと乗っているのは犬。飼い主と飼い犬という絶対的な主従関係を押し付けるのではなく、気の合う友人のような距離感が程よいです。実家にある日突然に転がり込んでくる父の愛人・ヨーコとも、義理の親子というよりは年の離れた友人のように打ち解けていて心温まりました。少女時代の薫役を後に映画監督として才能を開花させる松本花奈が、ヨーコ役を竹内結子が豪放磊落に演じているのも忘れられません。「嫌いなものは好きになれるけど、好きなものは嫌いになれない」という、ヨーコのセリフが何とも意味深です。嵐のようにやって来て瞬く間に去っていったヨーコが、果たして1番好きだったものとは何だったのでしょうか。人生の袋小路へと迷い込んで立ち止まっていた薫が、再び歩き始められるように応援してあげてください。