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スキャナー 記憶のカケラをよむ男(映画)の内容
映画『スキャナー 記憶のカケラをよむ男』は、2016年4月に公開されました。
『リーガル・ハイ』や『探偵はBARにいる』などの脚本家・古沢良太さんによるオリジナル作品を、『ガメラ』シリーズや『デスノート』シリーズを手掛けた金子修介さんが監督を務めて制作されました。
本作は、物や場所から、そこにある記憶や感情を読み取る特殊能力の持ち主と相方に舞い込んだ依頼。それは、行方不明になった女性を探してほしいという内容でした。捜査を続けるうちに、ある事件へと巻き込まれていくミステリー作品となっております。
そんな特殊能力の持った主人公の仙石役を野村萬斎さん。相方の丸山役を宮迫博之さん。彼らの依頼主・亜美役を杉咲花さんが演じました。
意外と言っては失礼ですが、想像以上にミステリーサスペンス映画となっており、楽しめた逸品です。続編が書けるであろう面白い設定となっているので、このまま終わらせるのは勿体ないなと感じました。
後半にかけてゾクッとする緊迫感があり、どんとんと面白さが増していく感じで非常に良かったです。
野村萬斎さん、宮迫博之さんの名コンビの掛け合いが楽しく、コメディ調で進行していきますが、ラストはしっかりとした着地点となっており、素晴らしかったです。また、彼らを引き立たせた脇役の役者さんたちも素晴らしかった。とくに木村文乃さんの活躍する場面が印象深かったですね。
登場人物へのキャスティングが見事だったと思いますが、その中でも、関ジャニの安田くんにいい役をありがとうございます！と、声を大にして言いたいです。とても良かった。
あらすじ
スキャニングという物や場所から、そこにある記憶や感情を読み取る特殊能力の持ち主である仙石和彦（野村萬斎）。彼はその能力を使って、マイティーズという元お笑いコンビで日本中を沸かせておりました。
しかし、スキャニングを使っていくうちに人間の闇の深さを見続け、人間不信を起こしてしまいコンビは解散。今は、マンションの管理人として人目を避けた生活を送っております。
そんな彼の元へ、元相方である丸山竜司（宮迫博之）が亜美（杉咲花）という女子高生を連れてやってきました。亜美は行方不明となったある女性をマイティーズに探して欲しいという依頼をしにきたのでした。しかし、仙石は能力は失われたと冷たく言い放つと、二人を追い出します。
二人が去った後、一人で黙々と部屋の片づけをしていると、見たことのないビジョンが目に浮かびました。それから、行方不明になった女性のことが頭から離れず眠れなくなってしまった仙石は、亜美の依頼を受けることにします。
しかしそれは、誰しもが予想だにしない事件の入り口だったのです…。
見どころ
完全オリジナル作品
本作の脚本は、感動溢れる人間模様を描いた『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズ。探偵ものとなる『探偵はBARにいる』シリーズ。そして、詐欺師たちのドタバタ劇を描いた『コンフィデンスマンJP』シリーズを手掛けた古沢良太さんによるオリジナル作品です。
どんでん返しに次ぐどんでん返しで、最後まで犯人がわかりませんでした。また、伏線の張り方と回収の仕方が物凄く上手でした。
そんなオリジナルストーリーを『ガメラ』シリーズや『デスノート』シリーズを手掛けた金子修介さんが監督を務めて制作されました。
本作は主人公が特殊能力を使い事件を解決していくのですが、緊張感あふれるシーンと笑いを誘うようなシーンにしっかりとしたメリハリがあり、最後まで見逃せない展開となっており、金子監督のこだわり演出に注目です。
狂言師とトップアイドル
本作の主人公の仙石 和彦役の野村萬斎さんが魅せる演技が素晴らしい。幼少期から伝統芸能の道を歩んできた彼だからこそ出せる独特の雰囲気があります。また、狂言師ならではの表情や発声法などに注目してみると、より演技の魅力が伝わってきます。
また、トップアイドルグループ・関ジャニ∞の安田章大さんは、『ばしゃ馬さんとビッグマウス』の際にも思ったのですが、演技が上手ですね。佐々部 悟刑事は、彼でなければリアリティがなく登場人物として映えなかったでしょう。今後の俳優業にも期待したいですね。
スタッフ
監督：金子修介
脚本：古沢良太
音楽：池頼広
助監督：村上秀晃
制作担当：白石治
キャスト
仙石 和彦：野村萬斎
元お笑いコンビ「マインティーズ」のメンバー。スキャニングという物や場所から、そこにある記憶や感情を読み取る特殊能力の持ち主。
丸山 竜司：宮迫博之
元お笑いコンビ「マインティーズ」のメンバー。毒舌芸のピン芸人として活動を続けるも芽が出ず、借金まで抱えている。
秋山 亜美：杉咲花
将来が期待されているピアニストで、失踪してしまった雪絵先生の捜索を「マインティーズ」に依頼する。
沢村 雪絵：木村文乃
亜美にピアノを教える教師。ある日、失踪してしまう。
伊藤 忍：ちすん
雪絵の同僚で音楽教師。
佐々部 悟：安田章大
警視庁捜査一課のエリート刑事。
野田 直哉：風間杜夫
警視庁捜査一課の主任警部補。悟の上司。
松下巡査：梶原善
山梨県霞高原署の警察官。
仙石 隆則：嶋田久作
仙石 佳美：北島美香
和彦を養子として育てていた義父母。
峠 久美子：高畑淳子
竜司が所属する芸能事務所・峠プロダクションの社長。
唯川 ひな子：福本愛菜
峠プロダクションの事務員。
里奈：岩田さゆり
孝：絲木建太
恋人同士で「マインティーズ」のかつてのお客さん。
平野俊樹：篠原悠伸
八王子の会計士で、髪の長い女が関わっている連続殺人事件の被害者の一人。
高柳優也：高島豪志
横浜の建築家で、髪の長い女が関わっている連続殺人事件の被害者の一人。
高柳 久恵：峯村リエ
高柳優也の母。
巣鴨響子：なかじままり
島倉千代子のモノマネ芸人。
エリカ：前野えま
スキャナー 記憶のカケラをよむ男(映画)の感想
この映画はお笑いコンビが登場してきますけど、そのうちの1人を演じているのが宮迫博之さんです。本物の芸人が芸人役として映画に出ている状況がまず新鮮な気がしました。そして、その相方を演じていた野村萬斎さんに関してもかなり印象的でした。ただ、彼が演じた人物に関しては映画の中では芸人らしさはあまりなかったと思います。作中では、すでに芸人はやめている設定でしたから。そういう意味では、芸人としての演技のような面も見たかった部分は多少ありました。この映画は芸人をやっていた彼らが主役級の扱いになっているので、全体的にコメディ風の作品かと思いきや、そういう雰囲気ではないのが特徴だと思います。全体的にはややシリアスな雰囲気でストーリーが進んでいく感じであり、ある女性の行方を追っていくというのが1つのテーマです。その部分にこの映画に出てくるお笑いコンビがかかわってくるわけですが、姿を消した女性の居場所を探るという、ミステリーのような雰囲気も感じさせる作品だったと思います。全体的なストーリーで言えば、あまり見ないタイプの映画かな？と感じました。その点において、これまでの作品とは違う感覚で見ることができましたし、そこは良かったと思います。
冒頭は人を襲うシーンがあり、ホラー映画やサスペンス関係かと思われるような映画です。見ていると今は地上波に出ていない宮迫さんが俳優として出演されており、とても久しぶりに見る演技でした。不思議な能力を持っているという内容の映画ですが、そこから展開されていくと３人のコミカルな演技に吸い込まれるようです。野村萬斎さんの演技はやはりすごく目立つほど貫禄があり、主役にはもってこいの演技力でした。納得です。根暗で人と関わることが嫌いな大家さんで、芸人という不可思議な役を演じています。最後まで犯人が誰だか見当がつかず、どんどん時間が過ぎるほどに最後まで一気に見てしまいます。誰が犯人か気になってしまい、途中で飽きてしまうことがありません。人間嫌いの仙谷さんが、人間も悪くないと感じることは、その人にとっての人間の大きな成長の第一歩だと思いました。宮迫さんは役柄のこともあって関西弁ではなく、標準語だったところが少し見どころでもあります。最後、ラストは少し心が温かくなるので好きでした。才能は自分のためではなく、人のためにあるという言葉もとても印象的でした。２人のコンビ感がなかなか面白かったです。ちょっとしたコントのようでおすすめです。
私はスキャナー 記憶のカケラをよむ男を観て、3点の感情を抱きました。1点目は記憶にフォーカスを当てている点が面白いと思いました。普通記憶は人の頭や心に残ります。インパクトが強い出来事は1回の体験で記憶することができますが、インパクトの弱い出来事は記憶することができます。基本的に人は物事を記憶する為に、何度も同じことを反復します。しかし、何度も反復してます思い出せない記憶もあります。記憶は厄介な生き物です。しかし、本作品は厄介な記憶を物が記憶し、そして、物の記憶を読み取れる人を題材にしております。題材としても面白く斬新だと思います。本当に物が記憶することができ、物の記憶を読み取れることができたら、すごい世界になると思います。本作品は記憶の根底を覆した作品だと思いました。2点目は本作品が描いた記憶への可能性です。物への記憶させることができれば、人々の生活は180度変わると思います。本作品は物の記憶を頼り失踪事件を解決していきます。現実の世界でも同じことができれば、犯罪は減り、未解決時間も減ると思います。他にも、記憶忘れが引き起こすミスも減り、仕事の効率と格段に上がると思います。本作品には記憶で世の中を変えることができる可能性を感じました。
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