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サスペンス・ミステリー
グラスホッパー

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グラスホッパー(映画)の内容

映画『グラスホッパー』は、2016年10月に公開されました。

原作は、2004年に角川書店から出版された人気作家・伊坂幸太郎さんの140万部突破したベストセラー小説。伊坂さん曰く、今まで書いた小説の中で一番達成感があった作品とのこと。第132回直木三十五賞候補作にもなりました。2008年には井田ヒロトさんによる作画で漫画化され「コミックチャージ」で連載もされ、今作は待望の映画化となりました。

主演を務めたのは生田斗真さん。恋人を殺害した犯人への復讐に燃える元教師・鈴木役を演じ、人の心を操り自殺に追い込む殺し屋、その命を狙うナイフ使いの殺し屋の運命が、それぞれの思惑を抱えながら交錯していくさまが展開されます。

監督は、生田斗真さん主演映画「脳男」の瀧本智行監督で、脚本は2012年の高倉健さん主演映画「あなたへ」で日本アカデミー賞優秀脚本賞を受賞した青島武さんが担当しました。

共演者には、浅野忠信さん、Hey! Say! JUMPの山田涼介さん、菜々緒さん、波瑠さん、麻生久美子さん、吉岡秀隆さんなど豪華キャストが顔を揃えています。

 

無差別殺人事件で恋人を殺された主人公は、復讐のため犯人組織に潜り込むけれど何者かに復讐相手を殺されてしまう。そのため自分に容疑がかかり、追われるはめになる。アクションは手が込んでいて良かった。

納得出来ない流れもあるけど、まずまずの映画か。石橋蓮司の息子が車に轢かれて死ぬシーンが物凄くリアルだった。口コミを見ると、原作の方が良かったという人が圧倒的多数。村上淳がとにかく良い!山田涼介もすごく良かった。

特に演技に圧倒された映画。山田涼介の耳を切るシーンやアクションでの動き、雇い主の岩西とのユーモラスな会話には本当に驚かされた。殺し屋特有の、ぎりぎり見られるグロいシーンも、菜々緒のキレも、展開に緊張感を与えている。生田斗真の、恋人を「笑うな」と言うシーンも感動、そして最後、観覧車で子どもに指輪を渡されるところも、原作以上の感動を与えてくれる。

なかなか面白く原作を再現されていて良い。何と言っても浅野忠信さんが味を出している。伊坂映画は再現が難しいと思いますが、グラスホッパーでここまで再現出来るのであれば最高なんじゃないかな。

あらすじ

渋谷のスクランブル交差点で、交差点に車が突っ込む事件が起こり、百合子(波瑠)は、男の子をかばったことにより、車にひかれて死亡します。恋人を失った鈴木(生田斗真)は、事故現場へ行くと、「本当の犯人は別にいる」と書かれた紙を拾います。そして、鈴木は中学教師を辞め、フロイラインの新人社員として潜入します。

フロイラインへ潜入した鈴木が、ダイエット薬を売るため路上で女性に声をかけていると元教え子(佐津川愛美)と出会います。すると、フロイラインの幹部の比与子(菜々緒)が現れ、事務所に呼び、元教え子を薬で眠らせて、フロイライン社長の寺原(石橋蓮司)息子・ジュニア(金児憲史)のところへ連れて行こうと言い出します。待ち合わせ場所に行ってみると、ジュニアが路上で誰かに押されて車にひかれ死ぬのを見てしまいます。鈴木は、比与子にその押した人物である押し屋(吉岡秀隆)を追うように言われ、尾行を始めます。

一方、自殺屋の鯨(浅野忠信)は、寺原の依頼でスクランブル交差点の真相を知るジャーナリストを自殺に追い込みます。しかし、鯨は今まで自分が殺した霊に話しかけられて苦しみます。

また、殺しのターゲットの居場所を突き止める岩西(村上淳)は、寺原から鯨殺しを依頼され、ナイフ使いの殺し屋の蝉(山田涼介)に殺させようとします。しかし鯨は、自分が追われていることに気が付きます。

草食男の鈴木、憂える自殺屋の鯨、若き殺し屋の蝉、闇の中で3人の生きざまが交錯していきます。

見どころ

生田斗真の鈴木役

草食系男子の鈴木役を演じた生田斗真さんは、鈴木を演じる上で監督から、”弱さ”を強めに出すよう言われ、すぐ悲鳴を上げたり、変な走り方をしたりと、やり過ぎないように自然に見えるくらいで演じたそうです。

一番のこだわりは、鈴木が掛けているメガネ。鈴木はズレたメガネを上げる時のレンズを触るので、いつもレンズが曇っているという設定にしたそうです。これは、生田斗真さんの高校時代の友だちからヒントを得たとか。だけど、撮影中には、小道具さんにレンズを綺麗に拭かれてしまったこともあったそうです。

そんな鈴木のメガネの曇り具合に注目してみてくださいね。

殺し屋の鯨と蝉

殺し屋の鯨を演じた浅野忠信さんは、いままでに色々な殺し屋の役を演じてきていますが、本作のような”自殺屋”は初めてだそうで、現場では、なりきって殺気だっているときもあったそうです。また、鯨は大男の設定だったため、靴の中には背を高くするため中敷き入れて背を高く見せています。

山田涼介さんは殺すことでしか“生”を感じられない蝉を演じましたが、その気持ちが分からないと思っていたら、監督に、人を刺す時は、みんなが歯を磨くような感じでと言われ、さらに難しいなと感じたそうです。

また、バタフライナイフの扱いも手馴れた感じ見えるように、撮影中だったドラマ「金田一少年の事件簿N(neo)」で金田一を演じながら練習を重ねたそうです。

原作とは違うストーリー

原作小説は伊坂幸太郎さんの文体ならではで描かれていて、そのまま映像に移行できるものではなかったため、緩急をつけたシナリオに変更したそうです。暴力シーンでは、生々しく撮り、ケーキを作ったり、冷凍した料理を温めたりなど鈴木の恋人・百合子のエピソードを膨らませたりし、バランスをとって鈴木に感情移入しやすくしています。

また、鯨のエピソードに父親を登場させてみたり、鈴木の相手役が恋人だったり、復讐のきっかけが入っているなども原作とは違ったストーリーになっています。

スタッフ

原作:伊坂 幸太郎「グラスホッパー」
監督:瀧本 智行
脚本:青島 武
音楽:稲本 響
主題歌:YUKI「tonight」

キャスト

鈴木:生田 斗真
殺された恋人の復讐のため、裏組織に潜入した元教師。

鯨:浅野 忠信
人を絶望させる力を持ち、自らも精神を病む自殺専門の殺し屋。

蝉:山田 涼介
驚異的な身体能力を持つ孤独な若き殺人者。

百合子:波瑠
鈴木の恋人で婚約者。

すみれ:麻生 久美子
謎の主婦。

比与子:菜々緒
非合法的仕事を好むフロイラインの幹部。

槿:吉岡 秀隆
押し屋。

岩西:村上 淳
蝉の上司。殺し屋を斡旋する仲介業を営み、依頼人との交渉や身辺調査をする。

鯨の父:宇崎 竜童
今は亡き鯨の父親。

寺原会長:石橋 蓮司
裏の業界のドン。

寺原Jr:金児 憲史
身体が動かない父の手足となり組織を動かしているが、押し屋に命を狙われる。

メッシュの女:佐津川 愛美
鈴木の元生徒と名乗る女性。

桃:山崎 ハコ
業界の情報屋。

 

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グラスホッパー(映画)の感想

20代男性
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伊坂幸太郎原作の映画であり、2015年に実写化された。キャスト陣が非常に豪華であり、生田斗真、浅野忠信、山田涼介、波留、吉田秀隆、菜々緒など国内でも有数の実力派がたくさん集まっている。殺しや復讐にテーマが当てられており、キャラクターがそれぞれ確立されており影の薄いキャラクターがいないくらい強烈な登場人物が多い。サスペンス感のあるストーリーながらもアクションシーンもしっかりと描かれており、演出面でも余念がなく気合が入っているように感じる。様々な要素が絡み合うことによってきちんと一本の映画として成り立っているのが興味深いところだ。原作のイメージを崩さずにそういった挑戦も感じられた。作中ではいたるところにギミックとして巧妙に伏線が張られており、それを回収しながら見るのも楽しみの一つだろう。終盤のカタルシスは素晴らしいものになっていて見ごたえがある。とはいえきちんと分かりやすい展開になっているので初見でも詰まることなくみられる構成である。若年層から中年齢層に関して幅広くお勧めできるクオリティの作品であることは間違いなく、伊坂幸太郎ファンはもちろんサスペンス好きの方にも是非見てほしい作品となっている。

40代女性
40代女性

渋谷など大きな都市の交差点に車が突っ込んで無差別に人を殺しまわるという事件は現実にもあること、でもたいていは妙な主義主張を掲げるものや薬漬けでおかしくなっている人が犯人です。犯人当てをするにしても救われないのではと思いきや、「犯人は別でいる・フロイラインに入れ」といった紙を拾ったところからミステリー色が強くなっていくのです。大切な恋人のために今の仕事をやめてフロイラインに入るその勇気がすごい、復讐を目標にしなければ生きていけなかったのでしょうか。波留さんが好きなので、あっという間に殺されて終わりというのが悲しかったです。とにかく殺し屋が多すぎてびっくり、さすがは東京です。教師だった彼が教え子のためにと頑張っているのにその教え子まで殺し屋、何がどうすれば高校生にしてそういった境遇となるのか荒唐無稽すぎる展開です。どうやら原作がある物語で、それを2時間ものに集約してしまっているみたいです。きっともっとあれこれストーリーがあって主人公が少しずつ真相を突き詰めていくのでしょうが、そんな暇は無いのか殺し屋のくせにペラペラと何もかも情報を話していくのも笑えました。殺人とか犯人とか怖いのは苦手という方でもそういったツッコミどころが満載だから大丈夫です。

50代女性
50代女性

暴力的なシーンの多い映画だと思い、躊躇していましたが観て嵌った映画です。数々の難しい役柄を見事に演じられている生田斗真さんが平凡で穏やかな日常を送っていたのに、婚約者の突然の事故死をきっかけに思いもよらなかった世界へ足を踏み入れる鈴木という男を実に頼りなく、格好悪く演じられています。他人を殺すことでしか自分を解放、肯定出来なかった哀しく美しい残忍な殺し屋 蝉を山田涼介さんが素晴らしいアクションと壮絶なまでのリアリティで魅せてくれます。ベテランの浅野忠信さんも吉岡秀隆さんもそれぞれの殺し屋の持つ独特の世界を怖いくらい静かに淡々と描き出してくれています。比与子役の菜々緒さんは本当に凄い女優さんです。もちろん美しい事この上ないのですが、極悪人をこんなにも軽妙に、嫌悪感を抱かせずに演じ切れる女優さんは中々いらっしゃらないと思います。素敵でした。ストーリー展開も入り組みすぎず、くどすぎず、心地良いスピードでどんどん引き込まれていきました。全体的に暴力的、悲劇的要素がいっぱいなのですが、ラスト近くの蝉と浅野忠信さん演じる鯨の奇想天外な設定が印象的なせいか、俳優さんたちの素晴らしい演技のお陰か、観終わった後に一陣の風が吹き抜けた様な爽やかさを感じました。時々、無性に観たくなる映画です。

30代女性
30代女性

とにかく最後まで目が離せない映画でした。握っていたハンカチが汗でグッショリになったほどです。生田斗真さんって本当に演技の幅が広い!と圧巻でした。イケメンの山田涼介さんも、こんな悪い顔する!?というくらい狂気迫る演技でした。そしてやはり浅野忠信さんの安定感は素晴らしいです。海外で活躍されているだけのことはあって、映画の中で出てくるだけで雰囲気がずいぶん変わります。ストーリー自体は、恋人が殺されてしまった男の復讐劇なので重ための内容です。でも、脚本の組み立て方のおかげが最後まで中だるみすることなく見ることができました。原作は読まずに映画から先に見たのですが、これで正解だったと思います。一体どうなるの!?というスリルを感じながら見ることができました。でも、一緒に見た友達は原作を読んでいた後だったそうなのですが、それでも十分楽しめたとのこと。むしろ、あの描写をこういう風に表現するのか!という感動があったそうです。原作未読でも既読でもどちらにおいても楽しめる映画ってすごいですよね。映画鑑賞後原作を読んだのですが、これがまたおもしろい!小説&映画のセットでここまで楽しめて余韻に浸れる作品を未だかつて見たことがないので、まだ見ていない方は早めに見た方がいいですよ。

30代女性
30代女性

冒頭から衝撃的な事件の映像で始まり不安でしたが、テンポよく進むストーリーと数々の謎、登場人物の格好良さに惹かれてあっという間に最後まで観てしまいました。主人公は生田斗真さん演じる鈴木で、その鈴木が婚約者を殺した組織に復讐する話かと思って観ていましたが、途中から主人公が浅野忠信さんと山田涼介さんに代わってしまったのかと思うくらい2人が格好良かったです。山田涼介さん演じる蝉と村上淳さん演じる岩西の2人の関係性を表す重要なシーンは胸にグッと来ました。孤独なもの同士が寄り添って生きている感じが切なかったです。浅野忠信さんはハマりすぎていてめちゃくちゃ格好よかったです。ただ強いだけじゃなく、心の葛藤もある殺し屋の役を見事に演じていました。鯨と蝉が対面するシーンでは2人のアクションも見どころですが、2人で語り合うシーンも好きでした。その後の展開も微笑ましくてよかったです。終盤ではいろいろな謎が解けさらに驚きも待っていました。ラストは感動もあり、冒頭のシーンで観るのをやめなくて良かったなと思いました。それにしても菜々緒さんはやっぱり悪役がとっても似合うなと思いました。あの役は菜々緒さんにしかできないと思います。

30代男性
30代男性

作家・伊坂幸太郎のベストセラー小説を原作に作られた作品。生田斗真が主演、そして他キャストにも浅野忠信や山田涼介など豪華俳優陣がズラリと並ぶ。恋人を殺された復讐を果たすために闇の組織に潜入する元教師の『鈴木』、直接手を下すのではなく相手が自ら自殺するように仕向けて行く殺し屋の『鯨』、殺しを単なる仕事として実行していくナイフ使いの殺し屋の『蝉』。この3人が様々な思惑を抱えながら交錯し、重なり合って展開しながら、最終的には同じ場所に居合わせることになる。「殺し屋」がテーマということで、一見恐怖を感じるだけのサスペンス映画にも思えるが、それぞれの登場人物の抱えている悩みや迷い、そして喜怒哀楽もとてもうまく描写されており、かつ中心人物ではないすべての登場人物までもが何かしら関わっていくような素ぶりを見せるところが「この後何か起こりそう」とドキドキさせるミステリーな要素も多く含まれている。そして、最後にはヒューマンドラマのような感動もあり、一つの映画で様々なジャンルを味わえるのもこの作品の魅力と言える。小説をきっかけにこの作品を知った方もいるであろうが、逆に小説を読ますに映画を見た方にとっては、この複雑に絡み合う出来事や真実、そしてそれぞれの人物の背景や心情が、小説ではいかに描写されているのかということにも興味をそそられてしまう。いずれにせよ最初から最後まで一切目が離せない作品である。

 

30代女性
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大好きな伊坂幸太郎先生の小説が原作ということもあり、期待していましたが、ストーリー展開もテンポ良く、ハロウィンの凶悪事件の真相が思わぬ方向に進んでいくのがとてもおもしろかったです。原作のストーリーとは少し違う所もありましたが、小説の世界感はしっかりと表現されていて、最後までハラハラしながら観てしまいました。生田斗真さん演じる婚約者を亡くしてしまった主人公も、とてもいい味を出していて、頼りないながらも、教え子や家族を持つ容疑者を守る姿は、とてもかっこ良かったです。ところどころで登場する、波瑠さん演じる婚約者との回想シーンも切なくて、涙が出ました。作り置きのスープをタイムカプセルみたいだねと微笑むシーンは今でも強く心に残っています。菜々緒さんのクールな悪役の迫真の演技もさすがでした。最初は復讐心に溢れて、敵対視し、殺し合おうとしていた自殺屋と殺し屋が、思わぬ共通点から心を許し、分かり合って行くシーンがとてもよかったです。本当にありそうな話で、日本の都会の闇や陰謀についてとても興味深く描かれていて、人間の罪の重さや、命の重さについても考えさせられました。もう一度観たいと思えるとても素晴らしい作品でした。

 

まとめ

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