さくらん(映画)の無料動画フル配信｜DVDレンタルよりオススメ

蜷川実花さんの写真をそのまま映画にしたような鮮やかな映像。さらに、江戸時代という設定にとらわれない現代的なデザインと椎名林檎さんが担当した音楽でスタイリッシュにまとめられており、とても良かったです。

大好きな安野モヨコ先生の大好きなさくらん！物語も原作のままでキャスティングも最高すぎて大満足！

土屋アンナさん、菅野美穂さん、木村佳乃さん。花魁を演じた彼女たちがひたすら美しくて見惚れてしまいました。

土屋アンナさんの映画って、パワフルで可愛い。さらにカッコイイ生き方が観れました。中身があるのに無いフリをするのが粋でした。

安野モヨコ氏のコミックを原作とし、写真家の蜷川実花氏が映画化した作品です。もともと原作自体、若い人がターゲットなので、舞台である吉原も現実のものとは違い、派手な色使いが印象的。主人公・きよ葉を演じる土屋アンナ氏のちょっとやんちゃな感じが面白いです。先に書いた通り、実際の吉原とは全く違う世界観なので、実在していたものと比較して観るよりは「蜷川版吉原」として観るのがよいかと思います。特に印象的だったのは姉貴分・粧ひの菅野美穂さんの演技です。堂々とした風格、いい意味での高慢さが光っています。粧ひの出番は少しだけでしたが、存在感は大きいです。全体を通して原色、特に赤色が強く使われており、場面ひとつを切り取って見ると華やかなのですが、「映画」としてそういった絵面が続くと少しくどいようにも感じました。物語自体は原作とほぼ同じに進んでいますが、原作は完結しておらず、そこをうまく締めているのがいいです。きよ葉と「彼」のその後は明らかに想像されるものがあり、華やかな桜の下で歩いているだけに少し切なくなりました。時代ものですが、スタッフロールを締めるのは椎名林檎さんの楽曲。世界観に合っていていいと思います。ただ、何度も書いている通り、若い方向けではあります。ご年配、または吉原について詳しい方には少し受け入れにくいところもあるかもしれません。

ミステリアスなイメージで、いまだ人を惹きつけてやまない花魁をモデルにした、安野モヨコ原作・蜷川実花監督の映画さくらんは、画面いっぱいに煌びやかな映像が広がるゴージャスな世界観になっています。赤を基調として繰り広げられる花魁の世界は、日常のちょっとしたことから花魁同士のいざこざ、悲恋、それぞれの思惑などが張り巡らされている、遊廓でのドラマを楽しめる映画です。この映画の中でとんでもないことが起こったりしても、そこまで気分が重くなってしまうようなこともなく、観終わったあとも華やかな映画の世界観がとても印象に残るので、蜷川実花監督特有の極彩感あっての作品なのでしょう。とにかく映像が綺麗なので、その絢爛さに目をひかれるのですが、出演している役者も絶妙なチョイスになっています。気だるいのにやる時はやる鉄砲玉のような役の土屋アンナや、表面上は感情を出さないのに内面は激情的な役の木村佳乃、掴みどころがないけれど時には鬼のように厳しい役の夏木マリなど、誰が出ているシーンも魅力的です。その中でも特に観て欲しいのが、菅野美穂です。子供時代の土屋アンナの役の子を預かる役回りなのですが、冷たいようなそれでいて全てを見透かしているような、ミステリアスなのにあたたかい演技をぜひ観てください。

『さくらん』を観て、女性の感情を「色」で表現されているように感じました。どのシーンも、色鮮やかで、写真館に来たかのような芸術的な美しさを感じました。蜷川実花さんの世界観が感じられる映画だと思いました。映画の中の色は、赤色がメインとなっている感じがあって、女性の持つ、情熱やエネルギー、愛情を感じました。ですが、その赤色には深みがあり、女性が持つ、嫉妬心、怒りなどの感情が入り混じったような印象を受けました。その表現の仕方が、蜷川流なのかな、とも思いました。また、女優さんの演技も素晴らしく、大胆な演技に目を奪われてしまいました。女性の感情は、いつでも複雑で、その葛藤を映画の中でも感じました。大胆だけど繊細な表現が見え隠れてしていて、そこが儚くて美しい作品だと思いました。そのヒロインが、土屋アンナさんというのも魅力的だと思います。ゴージャス感が増して、より華やかになったな、と思いました。女性なら一度は観ていただきたい作品です。内容はもちろんですが、映像を観ているだけでも楽しめる作品だと思います。恋愛で傷ついたことがある人、辛い経験をしたことがある人、そして女性の複雑な感情を感じたい人にとってオススメできる映画です。

好きすぎて安野モヨコ原作漫画も買ってしまいました。極彩色の衣装や豪華絢爛なセットはまさに蜷川実花！という世界観で、初めて万華鏡を覗いたときのような高揚感があり、吉原の外の無味乾燥な世界との色調対比は見事でした。公開当時わたしはまだ１０代でしたので、大人の色恋を盗み見ているような気持ちにもなりました。主演の土屋アンナさんは彼女以外考えられないというくらい、主人公きよ葉にはまり役だと思います。生意気な表情と啖呵を切るハスキーボイスのきよ葉が恋をするとこんなに愛らしく不器用になるなんて、と演技というよりは土屋さんが元々兼ね備えている素質がにじみ出ているように思いました。その他の役者陣も原作ファンも納得のキャスティングだと思います。音楽に関しては、椎名林檎さんの色っぽくて切ない歌声がストーリーの抑揚に非常にマッチしていて、エンディングテーマの「この世の限り」（椎名林檎×斎藤ネコ＋椎名順平）は華やかなのにどこかもの悲しさがあり、「遊郭で起こった色恋は、涙も憎しみもすべて見世物（エンターテイメント）でしょ？」という皮肉の効いたミュージカル調のナンバーなので、もちろんエンドロールの最後まで映画の余韻に浸ることができました。

蜷川実花監督による、豪華絢爛な映像と、これまた豪華な出演陣が集結した映画です。もともと安野モヨコさんの原作まんが『さくらん』が大好きで、それを蜷川実花監督が実写化するというので期待をして見に行ったのですが、期待以上の作品でした。蜷川実花監督独特の色彩の鮮やかさに、椎名林檎さんの歌う主題歌も、この映画の雰囲気にぴったりですし、なにより、主人公のきよ葉（日暮）の奔放で破天荒な気質を、土屋アンナさんが十二分に発揮されていて、ほんとうに、きよ葉そのままでした。気が強くて喧嘩っ早いのに、乙女な部分もあり、出入りの花屋からもらった花を無邪気に喜んだり、廓そだちなのに、純愛を貫いたりする姿が魅力的でした。映像も歌も登場人物も、これほど原作の世界観をうまく表現した映画は他にはないんじゃないかと思うほどです。また、周囲の登場人物も芸達者な方々ばかりで、先輩女郎で、きよ葉に影響を与える粧ひには菅野美穂さんが演じていて、これもまた手練手管で何を考えているかわからない粧ひ役にぴったりでした。登場人物の演技や演出の他にも見どころが多く、原作者の安野モヨコさんと友人の漫画家、伊藤理佐さんが花魁役のエキストラで出演していたり、安野モヨコさんの夫で映画監督の庵野秀明さんなどはセリフつきで登場していて驚きました。

映画「さくらん」は土屋アンナさん主演で原作は安野モヨコさん、監督は蜷川実花さんとまさにこのタッグでなければ完成しない映画です。土屋アンナさん演じる気の強いこどもきよ葉が花魁になるまでの物語です。しかし、この物語はそんなにうまくいくサクセスストーリーではなく、吉原が舞台の恋物語といった感じです。はじめての恋に堕ちてしまった吉原の女が恋に破れるシーンは本当に辛かった。見受け人は良い人で、とても良い条件で花魁を見受けするつもりでいた。きよ葉は日暮という名前になり、吉原から出ていきたいと願っていたんです。吉原には桜が咲かないから。自分には本当の名前も家族もいない事を嘆きつつも本音は語らない強さを感じるシーンも多く、情に暑い一面もあってなんとも憎めない花魁になっていきました。見受け人が吉原に桜の木を持ってきて、窓から見える桜を見た花魁の日暮は、もっともっとと走り続けるのですが、その先の日暮はどうなっていくのか。何度観ても美しい映像の中に秘められた悲しい気持ちが伝わってくる映画です。ラストシーンも自由になれて嬉しいという反面の気持ちを桜が表現してくれているようで切ない映画でした。吉原を舞台にした映画や本は多いですが、私はさくらんが一番好きです。

花魁の社会的地位がどのようなものであったのかは諸説あるようで、「皆の尊敬を受ける存在だった」というものもあれば「奴隷同然にこき使われて死ぬまで働かされた」というものまで多岐にわたり、どうも花魁全体の地位がどうというより個人個人がどの程度出世するかで扱いが大きく違ったようですが、そんな花魁の世界を蜷川実花監督が強烈な色彩感覚で描きあげたのが本作です。主人公きよ葉（後に日暮と改名・土屋アンナ）と、その周辺の人達との関わりを描きながら、吉原における愛憎がドラマチックなストーリーに仕立て上げられています。原作が安野モヨコさんということもあり、いわゆる少女漫画的表現の枠を超えた人間の本質に迫るような描写は突き付けるようなリアルさがあり、人間の暗部にある感情の渦巻と、それを虚飾で隠して煌びやかに見せる空虚さの対比は、何かを売っているようで何も売っていない、しかも大きく金が動き時には血が流れる吉原という世界の本質を見せつけられたようなショッキングさがあります。しかしそんな世界の中でもふと人と人の心が通い合う瞬間があり、作り上げられたかりそめの空間内で本音を見せ合うその姿は、打ちひしがれた人間同士の傷の舐め合いという以上の切なくなるような温かみがあり、思わず見入ってしまいました。社会的な成功が自分の満足と必ずしも結びつかず、しかも成功しなければ破滅するしかない状況下にあっても常に自分に対して純粋であり続けようとした女の生き様に、本当にしたい事を選択する意味を考えさせられました。

江戸時代の吉原遊郭で生きる花魁の半生が描かれた作品で、独特の色彩によって華やかさを感じさせます。土屋アンナの気の強い表情が印象的ですが、花魁としては少し色気が足りていない感じがあるのは、女性が監督で綺麗に見せようとし過ぎている為かなと思いました。劇中の風景は見事に遊郭の世界を表現しており、この辺はさすがに人気写真家らしさを感じました。ストーリー展開は、遊郭での出来事という事で単調になりがちですが、その代わり、映像の美しさは観る価値がありました。着物などの衣装、かんざしなどの小物類の仕上がりも良く、一つの現代アート作品として映画を視聴する方が良さそうに思います。原作とは結末が違うようですが、原作の不条理感の方がこの世界観には合っているでしょう。映像美を重視したり、ファッションが好きであったりする人に適した映画です。一方で、ストーリー重視で映画を観る人には、やや物足りないかもしれません。総合的には高い仕上がりですが、観る人によって抱く感想が異なるのも面白いところです。土屋アンナファン、特に土屋アンナファンではない人でも、映像の美しさは一見の価値があると思います。魅惑の世界という表現がぴったりです。

モダンでおしゃれ、そして切なくて苦しくて。そんなイメージのある作品で、とても大好きです。芸能音痴な私は、これで土屋アンナさんを知り、とても好感が持てる女優さんだなって思いました。もちろん普段の生活とかは知らないですけど、こういうざっくりとした性格のように見えて、強がって何かを秘めている、そんな女性に憧れますね。ちょっと気が強いけど、愛情深くって。最初にお客さんになったおじいちゃんを看取るまで、ずっとお客さんとして大事にして、そして死んでしまった時には、静かに涙する。素敵な女性を演じられていました。それに加えて背景がモダンで美しい。私はフラワーアレンジメントをしていますが、背景に飾られている花がとても素敵でした。和モダンって感じ。そんな中で女性たちの煌びやかな装いが、さらに映えて美しい。見ているだけでおしゃれな気持ちにさせてくれる作品だったと思います。もちろんストーリーも抜群。花魁という、女として切ない職業の中、戦い生き抜いていく、そして本当に愛を見つけるなんて、素敵すぎるではないですか。桜の花が咲いたら一緒に逃げようなんて、そんな儚い約束。でもそれが叶って二人は笑顔で出ていく。素敵すぎました。

安野モヨコ先生の漫画が映画化ということで、とても楽しみにしていた作品でした。主演土屋アンナさんだと聞いたときは、そう来たか！と衝撃を受けたほどです。芯の強さ、美しさ、そしてハスキーがかった声。まさしく主人公そのものだと思いました。映画の中では大人なシーンを見事に艶やかに演じきっていた土屋さん。でも、そんな彼女を追い越す勢いで色っぽかったのが菅野美穂さんです。安野モヨコ先生の作品「働きマン」での彼女とは全く違う印象を見せつけてくれました。菅野美穂さん、どんな役でも演じきれるから本当に素晴らしいですね。こんな花魁いたら、そりゃあもう人気絶頂になるだろうと思います。でも実際人気の花魁はこういう感じだったのかもとリアルさが引き立てられるのがさくらんの魅力的な部分でした。これはまさに演出の力と言えるのではないでしょうか。ストーリーは、大先生の漫画原作ということもあって見応えありで飽きることなく一気見できます。漫画同様、艶やかさ、惨めさ、残酷さ、そして女性の強さが出ていました。この映画は一人でどっぷり見ることでより時代の良さが伝わってくると思います。日頃の疲れを癒す気分で、素晴らしい芸術的映画に触れてみることをおすすめしますよ。