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ヒューマンドラマ

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佐賀のがばいばあちゃん(映画)の内容

映画『佐賀のがばいばあちゃん』は、2006年10月に公開されました。

原作は、芸人・島田洋七さんによる400万部以上の売り上げを記録した自伝同名小説。本作の他にも、漫画・テレビドラマ・演劇など一連の作品があります。

祖母の家に預けられた少年時代の物語となっており、がばいばあちゃんを吉行和子さん、少年・明広の母を工藤夕貴さんらベテランに加え、明広の成長していく姿を演じた鈴木祐真さん、池田晃信さん、池田壮麿さんら、新人たちが生き生きと好演しております。

原作を読んでから映画を鑑賞しましたが、ほぼ忠実に再現されていました。この作品はぜひ学校で子どもたちに見せたいと思いました。涙あふれる傑作です!

吉行和子さんは助演のイメージが強かったですが、主演の演技も素晴しく演じてますね。もう一度観たいなと思える作品です。

最近の邦画は、昔の日本を描いた映画が多いのですが、本作も昭和30年代の日本がしっかりと再現されていました。古い町並みも雰囲気が良く、ばあちゃん家もロケハンを重ねて見つけてきた物件とのことです。CGなどが進化した現代でも、やはり本物にしか出せない雰囲気がありますね。

この映画には愛が溢れていて、心温まる傑作です。全ての日本人に観て欲しいですが、それは無理なので、まずは家族や親しい人と一緒に観てほしいですね。楽しめる映画だと思います。

あらすじ

昭和30年代、父がいない母子家庭の明広(池田壮磨)。母(工藤夕貴)は飲み屋で働いていますが、子供を養っていける余裕がありませんでした。

そこで、田舎のばあちゃん(吉行和子)に預かってもらうことになります。そこへ連れていく方法も、明広を騙して拉致したようなものです。

ここから、明広とばあちゃんとの二人の共同生活が始まります。ばあちゃんの家も貧乏でしたが、貧しくても色々な生活の知恵らしき屁理屈を学んでいきます。

見どころ

がばいばあちゃん

「がばい」の意味は「凄い」という意味です。戦後の貧しい時代に、子供を七人も育てたおばあちゃんは「がばい」ですし、セリフには真実があります。

「この世の中、拾うものはあっても、捨てる物はない」「悲しい話は夜するな。どんなつらい話も、昼したら大したことない」「今のうちに貧乏しておけ。金持ちになったら、おいしいものを食べたり、旅行に行ったりと、忙しい」などなど。

教育にお金をかけて、口うるさく手をかけたりしなくても、愛情ひとつをしっかりとかけてあげれば、子供は真っすぐに成長していくことを、この映画は教えてくれます。

自伝作品

原作者・島田洋七の祖母の逸話を耳したビートたけしが、書籍化を強く勧め、それに応えた形で執筆され、その原作小説を基に本作が完成されました。

そんな、ばあちゃんも「がばい」ですが、その周りも優しくて「がばい」人たちに溢れておりました。例えば、緒方拳さんが演じる豆腐屋さんは欠けてる豆腐を半額で売ります。しかし、半額でしか買わない明広には、わざと欠けさせて半額で売ってくれる。

年に一度の運動会。母のいない明広に、担任の先生は必ずお腹を痛くして、豪華な弁当と交換してくれたり。全てが洋七のこやしになっていたんだと感じられ、少し羨ましくも思えてしまいます。

スタッフ

原作:島田 洋七
監督:倉内 均
脚本:島田 洋七 / 山元 清多

キャスト

ばあちゃん:吉行和子
先祖代々明るい貧乏を目指す、明広の祖母。

明広:三宅裕司 / 鈴木祐真(中学生) / 池田晃信(小学生) / 池田壮磨(小学生)
騙された形で祖母の家で暮らすことになった少年。

明広の母:工藤夕貴
早くに夫を亡くし、生活が苦しいため明広を祖母の元へ預ける。

真佐子:浅田美代子
明広の母の姉。

スポーツ店主:島田紳助

大学の掃除夫:島田洋八

中野先生:山本太郎

担当教師:保積ぺぺ

警官:吉守京太

看護婦:石川あずみ

豆腐屋のおじさん:緒形拳

 

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佐賀のがばいばあちゃん(映画)の感想

20代女性

私はこの話を見て、貧乏なのに明るくて凄いと思いました。息子をお母さんが1人で育ててきたけど、仕事で家にいないことが多くて、働く母を恋しがって、まだ幼い昭広が物騒な夜の盛り場にやってくるので、佐賀のおばあちゃんの家に預けられますが、このおばあちゃんが凄いです。奇想天外なアイデア、破天荒な発言をしますが、あんなに明るく貧乏暮らしが出来る人はなかなかいないなあと思います。かわでせんたくしたり、野菜が流れて来たら拾って食べたり、貧乏でもあんだけ明るかったり、色々貧乏なりに工夫とかしていて凄いと感心します。今は裕福な人か多く、何でも買える人が多いですが、戦後の話なので、貧乏な人が多い時代です。そして、このおばあちゃんが、よその子と比べたらあかんと言ってますが、今の世の中って比べる人が多いです。でも、自分を信じて生きるのも大切なのかなと思います。それから、昔は好き嫌いが少なかったみたいですが、出されたものは必ず食べてた子が多かったみたいですね、今はお母さんが工夫して食べられるように料理するとかしてますが、昔は食べたくないなら食べなければ良いという時代だったのでそのへんも昔と今は大違いだし、今は子供を甘やかし過ぎな親が多いのかなと改めて思う映画でした。

30代女性

「貧乏には二通りある。暗い貧乏と、明るい貧乏。うちは明るい貧乏だからよか。それも、最近貧乏になったのと違うから、心配せんでもよか。自信を持ちなさい。うちは先祖代々貧乏だから。」見終わった後にいちばん心に残ったのがこの台詞でした。貧乏だからと、卑屈にならない。部屋の電気を消して「電気がもったいないから早く寝ろ!」と言うがばいばあちゃん。英語が難しいと言えば「日本人だから、必要ないと言え。」漢字が書けないと言えば「平仮名とカタカナで生きていくと言え。」歴史が難しいと言えば「過去にはこだわりませんと言え。」と、言い訳を考えてくれるがばいばあちゃんの台詞は勉強至上主義の親たちに是非とも聞かせたい。あきひろが野球部のキャプテンになった時には大喜びをして、最高級のスパイクを買ってくれるがばいばあちゃん。いつでも味方になってくれるおばあちゃんの優しさに大笑いしながら、いつしか涙ぐんでしまいました。貧しくても逞しく明るく、元気に楽しく生きる……簡単にはできない事だけれど、おばあちゃんだけではなく、ご近所の豆腐屋さん、先生、町の人達みなの温かさがそれを支えてくれる。見ていてほんわかとあたたかな気持ちにさせてくれる作品でした。

20代女性

原作は読んでいましたがHULUに配信されていたので鑑賞。おじいちゃんやおばあちゃんが大好きな私は終始見ていてほっこりさせて貰いました。経済的な問題を抱えた母親が望まずに子を送り出す。可哀そうで泣き虫な男の子がたくましく強いおばあちゃんと一緒に過ごす事で成長していく姿に頼もしさとうれしさを感じました。決して裕福ではない為たくさん我慢して我慢して、それでもその中に小さな幸せや喜びを見つけ出す姿に、今の自分の生活にも必要な何かを見出す事が出来る作品だと思います。川に流れてくる野菜に感謝して幸せを感じる、それって本当に素敵な事。運動会で先生がおなかを痛いと嘘を吐き、豪華なお弁当を渡すシーンが一番好き。おばあちゃんの「人に気づかれないようにするのが本当のやさしさ」ってセリフに胸をうたれました。おばあちゃんの人生観は全て共感でき、また本来で有れば教えて貰っておかなければならないもののような気がしまして…。少し遅くなりましたがこの映画を鑑賞する事で素敵な人生観に触れる事が出来て、なんだか自分も逞しく、立派な人間になれたような気がしてしまう、そんな作品に仕上がっています。また作中に出てくる節約術も必見です!

30代男性

冒頭から主人公の少年昭広は、広島で暮らしていたところ母と別れて、佐賀に住んでいる祖母の家へ送り出されてしまいます。しかもそのお婆ちゃんもとても貧乏で、昭広にいきなり自炊させようとします。この流れだけを読むと、何やら暗い雰囲気に感じますが、作品は全編に渡って明るく楽しい雰囲気に満ちています。それも事実上の主人公であるお婆ちゃんのキャラクターによるところが大きいでしょう。貧乏で苦労人なのに、底抜けの明るい性格で、逞しく、破天荒で、孫である昭広を圧倒してゆきます。そんなお婆ちゃんの下で、昭広がすくすくと育ってゆく物語なのですが、周囲にも優しい人が多くて、恵まれているなと感じました。客観的に見ると、お婆ちゃんと昭広は貧困に喘いでいて、かなり悲惨な暮らしを送っていると言えるのですが、何事も気の持ちようと言うことなのでしょうか? 幸福か不幸かを決めるのは物質的な豊かさではなく、精神的な豊かさであることを訴えかけている映画だと思いました。ちなみにお婆ちゃんは貧乏で破天荒なのですが、どことなく品を感じさせるところがキャラクターとして良かったですね。演じ手の吉行和子さんの女優としての実力の高さを感じさせられました。

50代男性

島田洋七の「佐賀のがばいばあちゃん」を見ての感想です。B&Bの「もみじ饅頭」の島田洋七の少年時代を赤裸々に描いた作品です。昭和33年、高度成長期が始まりますが、まだまだ当時、特に地方は、貧しかったと思います。主人公・明広(島田洋七の本名)は、広島の地で、父親を亡くし、居酒屋で働く母親に育てられていました。ところが、母親の女手一つでは世話がしきれず、また明広の将来のことで悩み、明広を佐賀の祖母(吉行和子)の家に、騙すようなかたちで、送りました。明広はどう思ったのか、といいますか考える暇もなかったのではないかと思います。しかし、このおばあちゃんがすごい(=かばい)人です。貧乏を受け入れ、ポジティブに生きていきます。昔の人は、こんなたくましい人はたくさんいたのかなと想像してしまいます。明るく、たくましく、愛情ふれる生き方で、パワフルな生き方に元気をもらえます。成長する昭広少年とがばいばあちゃんと過ごした8年間は考えただけでも涙があふれ出ます。今の時代はまったく考えられないでしょうね。余談ですが、2007年の『甲子園がばい旋風』のことは、島田洋七さんの運命を感じます。佐賀北高の優勝、下した相手は広島・広陵高。なんと洋七さんの母校だったようです。摩訶不思議です。そしてわたし自身長崎なので、なんとなくこの映画に親近感を覚えます。自分が小学生のとき、祖母の家で暮らすことで、転校して来た子を思い出しました。最後にこの映画は島田洋七さんの漫才の原点を感じました。

 

50代男性

この映画はお笑い芸人さんの自伝でした。幼少期に広島で育ち佐賀で小学生低学年から中学卒業するまでを描いていました。佐賀に来て主人公の昭広少年はおばあちゃんと共に生活します。おばあちゃんの家ですがかなり経済的に困窮している様子にも関わらずこの人の生き方は極めて前向きな生き方でした。全ての面で究極な形でお金を使用しない生活をおくる事に長けていました。家の事をからかわれて気にしている昭広少年に我が家は明るい貧乏だから気にする必要性もないというおばあちゃんのセリフにはどんな状況はでも考え方次第でかなりわかるんだなと感じました。このおばあちゃんは与えられた状況の中で自分がどうすれば豊かさを享受できるかを知り尽くした知恵あふれた人だと思いました。現代は経済が発展し、皆がそれなりに豊かな生活をしています。昭広少年が佐賀で育った昭和30年代はすべての人が十分経済的に豊かだったわけではありません。しかしこのおばあちゃんは経済的な豊かさのかわりに生活を豊かにしていく術を知りつくした心の豊かな人だったと思います。昭広少年はどこかで貧乏である事を周囲からからかわれていたのかもしれません。しかし人からの情にも助けられます。
先生がそれとなく気が付かれない形で豪勢な弁当と昭広少年の梅干しだけの弁当を交換してくれる大人の配慮がありました。この場面ですが先生のさりげない心配りは人の温かさからだと感じました。この時代は貧しいながらも共生していこうという気持ちが特にあったのかもしれません。最後の場面で広島の高校に進学する際、佐賀に残る事も考えつつおばあちゃんとの別れを決断する場面は自立していこうとする昭広青年の成長の証を感じさせてました。つらさもあったかもしれませんが新しい人生の夢に向かい一つの区切りをつけると決めた一人の青年の強い決意だと伝わってきました。

50代女性

太平洋戦争が終わって国中がまだまだ貧しく、地域によってはその日その日を暮らすことに皆が苦心していた頃の作品です。今は物質的には十分すぎるほど満たされていますが、大人も子供も心は満たされているのかといわれると、100パーセント満たされていますとは言えない時代です。皆豊かなはずなのにどこか心に物足らなさを感じながら暮らしているのが現代です。佐賀のがばいばあちゃんと主人公の少年との暮らしは、物質的な豊かさからいったら今とは天と地の差、ほとんど物がない環境ですが、心はたくましく子供も貧しい中でも生きる活力をもって過ごしていた時代でした。映画の中でばあちゃんが言う名言一つ一つが今満たされていることに慣れきってしまっている私たちの心に刺さります。名言が心に刺さるということは、私たちの心のどこかに、豊かさの陰で忘れておいて来てしまったものをこの作品の中に見て取ることができるということなのでしょう。単に戦後に物のない貧乏な暮らしを楽しい言葉で乗り切ってきたという話ではなく、今の私たちに対する大事なものに気づきなさいよ、という問題提起の作品でもあるなと感じました。そういう意味ではたくさんの人に見ていただいてメッセージを感じ取っていただきたいなとおもいました。

 

30代女性

一昔前の、ドがつくくらいの田舎の風景に心癒される物語だと思いました。小学生の低学年で、いきなりおばあちゃんと暮らすことになるなんて、想像もしない展開も目を引きつけられました。もちろん、コミカルな演技も魅力的、今では見ることのない小道具にご年輩の方々は懐かしむのかもしれません。ただ、若い年代には有り得ないストーリー展開に、先が全く読めないとも感じました。実話だからリアリティもあって、友達関係や親子関係は今の私たちにも理解できる繋がりが秘められていると思います。特に印象的だったのは、学校の先生の情がこもった行動や言動でした。運動会のときのお弁当タイム、こんな先生が今の学校にもいてくれたら、クラスでいじめやらトラブルはなくなるんじゃないかと、そんな温かい気持ちになりました。おばあちゃんとの暮らしは奇妙キテレツ、そこがまたいい、お金がないから、貧乏だからお金持ちになりたいのが世の常なのに、佐賀のがばいばあちゃんには通じないところがまた、魅力にうつりました。こんな家族の姿があってもいい、むしろあって欲しいとさえ思えるホームムービーで、お笑い界で生き残ることができる基盤だったんだと思い知りました。

 

まとめ

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