地獄でなぜ悪い(映画)の無料動画フル配信｜DVDレンタルよりオススメ

初めての園子温監督の映画。良いところも苦手なところもある作品でしたが、嫌いではない。むしろ好きな作品でした。

『地獄でなぜ悪い』という映画のタイトル通りであり、豪華キャストと園子温監督によるハチャメチャ映画。暴力シーンが多いので苦手な方は注意です。

グロ描写に耐性があって、ヤクザ映画が好きで、二階堂ふみが大好きな方にはめちゃくちゃオススメ！

好き嫌い別れる作品だと思いますが、自分は好きでした。映画に対する情熱をヒシヒシと感じました。

地獄でなぜ悪い、こちらは園子温監督の映画なので、もうそれは見事に血しぶきが舞います。というか、最後の方は真っ赤です。しかし血を見るだけでダメだというレベルでなければ、意外と楽しく観れてしまえるほどエンタメな血しぶきは一見の価値ありです。そんな地獄でなぜ悪いの最大の見どころは配役の妙だと思います。出だしの友近のハマりぶり、國村隼のイカツイのにおちゃめなさま、星野源の頼りない兄ちゃん姿、長谷川博己の突き抜けた変人感、堤真一の絶妙なヘタレとキレ、そして何より二階堂ふみの可愛さと暴力性。全部がビタっとハマっていて物語がどんどん進みます。あんまりグロい感じで描かれてはいないのですが、それでも体のパーツが飛んでったりと、それなりの表現は出てきます。特に二階堂ふみ演じるミツコが、ある男にするお別れの様が思わず顔をしかめるほど痛そうでした。登場人物はみな突き抜けたところがある人物たちなので、その潔く突き進む様が爽快で、血は飛び散れども愉快で、観終わった後は面白かったー!となること間違いなしです。ちなみに星野源好きで血やスプラッター表現が苦手な友人は、星野源が…と目を背けつつ観たらしいので、星野源のカッコ良さ、可愛さだけを求める方は要注意かもしれません。しかし、星野源の一見普通だけど、スイッチが入るとたちまち暴走するキャラクターとしてのハマりぶりが気になる方は、是非チェックして欲しいなと思います。

映画好きの人間には必ず「刺さる」映画。大河主演俳優、長谷川博己さん演じる平田の叫びにワクワクし、爆笑し、最後にはなぜか涙ぐんでしまう。「たった1本の映画を撮る」って、こんなに崇高なことなんだと感動しました。平田の姿は、「地獄でなぜ悪い」の監督園子温監督そのものなのかも。園監督の映画がもっと観てみたくなりました。「ヤクザの抗争を映画にする」といった主題のため、血みどろ、大乱闘シーンもありますが、名優たちが大真面目にふざけているのでそこまで怖くありませんでした。また、星野源さん演じる主人公の「なぜか巻き込まれた男」コージと、二階堂ふみさん演じるヤクザの娘、ミツコの恋も意外と微笑ましくて可愛かったです。幼いころのミツコが赤いと白の色彩の中に印象的に描かれていて、とても象徴的でした。「全力歯ぎしり」の歌は、しばらく頭から離れないかも。神社の境内で、ヤクザと映画バカの青年と気弱な男が騒いでいるシーンは、さながら「討ち入り前」のカオスさで観ているこっちも一緒にテンションが上がりました。園監督の奥様、神楽坂恵さんがいい感じの役で今回も出ていて、こちらも嬉しく思いました。ラストは観客に投げかける粋な演出。園監督の映画哲学を感じます。

鑑賞後に鋭く後味の悪いのに、中毒性のある作品を創る園子温監督が、♪全力歯ぎしりレッツゴー？「冷たい熱帯魚」や「恋の罪」「ヒミズ」で見せてくれた、エログロドロっとした何とも言えない気分のエンドロールはこの作品になくて、サクッとしたコメディで驚きます。園子温エッセンスはあんなシーンやこんな所などに、ちょこちょこと残しつつ、笑える。「冷たい熱帯魚」以上の血の量で、かつヤクザ映画で、あの園監督に笑わされる。ヤクザの抗争、映画監督になりたい平田率いる映画オタク軍団、巻き込み事故になってしまった青年。全く関係ないような登場人物たちを、パズルのピースがパチっときれいに合う気持ち良さを園子温監督作品で観れるとは正直思わなかったです。ごめんなさい。二階堂ふみ演じる武藤組の組長の娘ミツコに振り回される3人の男たち。溺愛し過ぎて暴走する父、大勢いる中の1人のファン、惚れ込んでいる抗争相手の組長。何で？という男たちが、どう絡んでくるのかは観てのお楽しみ。驚いたのが、二階堂ふみ。「ヒミズ」での田舎臭さを残したまっすぐで純な印象は、どこへやら。もう完全に、つい最近までの二階堂ふみが出来上がっています。凄い女優さんだな、と惚れ惚れしました。また、友近の出演は、本人嬉しかっただっただろうな、と彼女のコントを思い出して、シミジミさせられました。スナックの看板も思い出し笑いする感覚で面白かった。「あの」園子温！と思わず観て欲しい作品です。

ヤクザの親分が刑務所に服役している妻の面会に行くシーンで出てきたのが友近さんってあたりですでにコントの香りが漂う。妻のたっての願いである子役出身の娘を主役に映画製作というステージママらしい頼みを叶えるべく奮闘するのが家族思いの親分。白羽の矢が立ったのが映画オタクで一世一代の映画を撮ると豪語しながら時が十年も経ってしまった素人に近い映画監督。演じたのは長谷川博己。イケメンよりもこういう癖の強い役が似合う。主演に据え置かれる気の強い娘ミツコ役に二階堂ふみ。クライマックスでのシーンではかっこいい立ち回りを見せている。その娘によって自分の彼氏の代わりにさせられる青年役が星野源。気弱そうな顔つきといい、おどおどする挙動不審な演技と言いハマり役。似合う、気弱で勢いにのまれそうな役が。だってなんとミツコにより勝手に映画監督までさせられそうになるんだから。そのミツコに恋するライバル組の組長に堤真一。凄みの声量や表情も上手いし文句なし。情けない演技も自然だし対応できるところもすごい。メインの出演者はみんな実力者ぞろい。サイコパスな映画監督のプランで組同士の抗争をフィルムに収めるとかアイデアが危険すぎて怖すぎ。どういう演技プランで主役の娘を引き立てようとしてたんだろう？という疑問すらも怒涛のクライマックスで見事に回収する。そして最後のまさかの展開、やっぱりねと思うか、ああそうなるよねと思うかはあなた次第。

「地獄でなぜ悪い」は、園子温監督のバイオレンス・アクションコメディー映画でした。やくざの組長家族の一人娘を中心に物語は進んでいきます。彼女を主役にした映画を作ることで幸せな家庭を取り戻そうとする武藤組の組長・大三は、娘・ミツコと彼女のとりあえずの恋人となった橋本公次に映画製作を命令します。映画なんてよくわからない公次は逃げ出しますが、そんなとき、映画バカの平田鈍に出会います。物語の展開は、いつの間にか平田の思い描く狂気のストーリーと重なり、激しいバイオレンスシーンに突入します。どこまでも続く狂気の展開は、観ていて癖になります。一人もまともな人が出てきません。それなのに、画面で描かれる人たちの熱量がものすごく高く、観ているこちら側の人間も、熱くなってしまいます。映画製作に血道をあげる平田を、インテリっぽい印象のある長谷川博己さんが演じていました。まったく周囲の空気を読まない平田を演じるその姿は、とてもリアリティーがあって、映画撮影に巻き込まれるやくざの面々がその気になってしまうのがわかるような気がしました。絶対にありえないけど、本当に起きていることのように楽しめるのが、この映画のすごいところだと思います。粗暴だけど魅力的な二階堂ふみさんに、日本の任侠道を演じ切ろうとする池上組組長・上淳の滑稽さの中に見える凄みを演じ切った堤真一さん、気弱だけど変態チックにどこまでもミツコを愛する橋本を演じる星野源さん、そしてやくざの皆さん、すべての役者陣がとことん狂気を魅力的に見せてくれました。歓喜に高揚し、夜道を血だらけで走る長谷川さんのシーンまで楽しめました。すごい映画でした！

当時はまだあまり有名ではなかった星野源さんの「地獄でなぜ悪い」という曲が主題歌の映画。若かりし星野源さんご自身も出演されていて、気の弱い青年役がハマっています。映画全体の印象としては、とにかく血みどろでした！さすが園子温監督です。映画愛に溢れていながらも、映画に振り回されるという人達を痛々しく映し出していました。ストーリー展開のテンポがよく笑える展開もあり、俳優陣も豪華でそれぞれのキャラクターが生かされていて、飽きずに最後まで観ることができます。國村隼さんと堤真一さんのヤクザ役はさすがの格好良さで、貫禄がありながらもお茶目な面もあるキャラクターを好演。ヤクザの妻の友近さんもいい味を出しているし、若い二階堂ふみさんも存在感抜群で、長谷川博己さんの狂気じみた演技にも目を奪われました。後半のハイテンションでハチャメチャな乱闘シーンはまさに圧巻の地獄絵図。なりふり構わずに自分の撮りたいものを撮るという園子温監督の気概が、あのシーンに詰まっていたような気がします。血みどろが大丈夫な方は最後まで楽しく観れると思います。私は観終わった後、「全力歯ぎしりレッツゴー」のフレーズがしばらく頭から離れませんでした(笑)