殿、利息でござる(映画)の無料動画フル配信｜DVDレンタルよりオススメ

個人的に好きな題材でした。史実に基づいているらしいのですが、良い話であり、最後までとても面白く観られました。

人のために行う。これは大義名分であり、本当は私欲の気持ちの方が大きいかもしれません。ですが、その小さい方の気持ちであっても、動き出すことが大事なのかな。と思えた作品です。

出演者のみんなが良いキャラでラストも良い終わり方でした。竹内結子さんの竹内結子さんらしい演技が見られて泣けてきました。ご冥福をお祈りいたします。

コメディ作品でしたが、凄く良い話でした。しかも時代劇の所作あ言葉遣いだｔったり凛としていてとても好き。

タイトルやポスター、予告編の雰囲気からして、ドタバタコメディーなのかと思われることも多い本作。もちろん、軽妙なやりとりや、「参勤交代の負担から脱却するための奇策」など、楽しめる場面はたくさんありますが、それだけではないのがこの映画の魅力です。「人のため、町のために」と考えて、資材を投げ打って奮闘する姿には、目頭が熱くなります。このお話が、まったくの作り話ではなく史実に基づいているというのも驚きです。心温まると同時に、本当にこんな人たちがいたのかなと思うと、感動を覚えずにはいられません。また、阿部サダヲや妻夫木聡など豪華俳優陣だけでなく、仙台が舞台ということで羽生結弦が友情出演しているのもなかなかに楽しめます。普段映画館のスクリーンで見かけない人なので、本作を初めて見た時は驚いて声を上げてしまいそうになりました。そうした出演者の見どころも多く、見ていて飽きない映画です。コミカルさとヒューマンドラマのバランスが良く、単に笑えるだけでなく、シリアスで重たいというわけでもないので、家族や友達と見るのにはちょうどいい作品です。面白いお話、演技派な役者たち、そして全員が報われていく優しさに触れると、この映画が大好きになります。

『殿、利息でござる』は2016年に公開されました。仙台藩領内の宿場町である吉岡宿が舞台の時代映画です。助成金を巡る不平等により困窮した宿場町の住人たちが知恵を絞りお金を集め、仙台藩主を動かす物語です。この映画を東日本大震災後の地方再生に重ね合わせながら鑑賞しました。その中で印象に残ったのは、宮城県民の県民性がよく描かれていた点と豪華な出演者の起用の仕方です。慎重に行動し、忍耐強く、人当たりが良いのが宮城県民の県民性とされています。またシャイな東北人の中でも商いが上手だとも言います。宿場町を立て直す目的のために（キャッチコピーである『ゼニと頭は、使いよう。』を駆使して）町人の小さな力を結集し、仙台藩主を動かす大きな力にするストーリーは言い換えれば、”地方自治的世直し物語”とか”町内会的サクセスストーリー”のようで、身近で共感しやすい時代劇でした。宿場町の窮状を救いたい町人たちの思いと行動が連鎖する共助の様が、震災から現在も途上である東北の復興の姿に重なりました。出演者に宮城県出身者が多数起用されている点も見どころのひとつでした。主人公の娘役の岩田華怜、千坂仲内役の千葉雄大は安心して観ていられる地元出身出演者で当たり役でした。仙台藩第7代藩主役で特別出演したフィギュアスケート選手・羽生結弦がクライマックスで登場した場面は、伊達の殿様オーラと佇まいに目の覚めるような、鳥肌が立った名演技でした。原作は実際の記録がベースとなっていますが、劇中に小技、大技の見どころが散りばめられた娯楽性の高い映画でした。

実際にあったお話を元にしているので、その事実に驚きました。後世にまで名前が残るようなことをしたにも関わらず、お金を調達した本人たちは名前を明かさないということを条件にしていたわけですから、本当に宿場のことを考えていたんだなということが伝わりました。造り酒屋の長男が家を出て全く違う業種の店を興し、造り酒屋を継いだのは二男。でも父親は長男には別の才能があると見込んでいたわけですから、見はなされていたと思っていたのは誤解だったことが分かります。造り酒屋の先代は、いつか宿場町の課税を楽にしたいという思いから個人的に貯金をしていたのですが、それだけでは金額が足りません。だからこの考え方に賛同をした人たちが出資をしたわけですが、その結束力はすごいと思いました。藩にお金を貸して、その利息を受け取り続けるという考えは中々思い浮かぶことではありません。自分の利益のことばかりを考えずに周りの人の幸せ、生活が向上をすることを考えることができるというのは、人としても素晴らしいと思いました。またその考えに賛同をした藩主も心が広いと思いますし、領内の人々の生活を知るよい機会になったんじゃないかなと思いました。こういう藩があったことにも本当に驚きました。

元々、時代劇にそこまで興味があるわけでもなく、出演している俳優陣のファンというわけでもない。そんな私がこの映画を観たのは、CMが陽気で楽しそうだったからだ。楽しそうな映画は好きだ。映画館に行くにしても、レンタルするにしても、配信サイトで観るにしても、どうしたってお金はかかるし、アマゾンプライム無料期間なので観るにしたって、2時間程度の時間はとられる。映画は観るのにコストがかかるコンテンツだ。だから、楽しいほうがいい。
そう考えてこの映画を観たが、想像以上に楽しめた。想像以上というのは、思ったよりも笑えた、という意味だし、思ったよりも感動した、という意味だ。24時間テレビを観ても鼻で笑える感性の私だが、この映画の感動部分は誠実で、だからこそ心を打った。ここからはネタバレを気にせずに書くが、作中でケチとして嫌われていた人物が、誰よりも皆のことを考えて動いていたことが分かるシーンは、彼の高潔な精神に思わず拍手した。最後に殿様が登場するシーンもいい。上の者に対して辛酸を舐めるシーンが多いだけに、話の分かる、誠実な上位者が登場することで、視聴者はスッキリとした心持で映画を観終えることが出来る。観て損は無い、そんな映画だ。

歴史が苦手な方だと、観る前にあらすじを読むのはオススメしません。予告を観るのもオススメしません。知らずに「観る」と、面白いし楽しい上、驚きます！友人に「面白いから」と勧められたものの、イメージ写真が豪華キャストの方を見て、「何だこれ…」感があり、観ようと思うまで、かなり時間が開きました。観始まると、小難しくて分からなかったあらすじ、時代背景も、ある人のナレーションで、スルスルと頭に入ってきます。イメージ写真の阿部サダヲとは全く違う、生真面目で不器用な性格の、造り酒屋の十三郎を中心に、酒の勢いで言った、お茶屋の篤平治の「ポロッと案」から数年後、ポロッと案に乗ってお金をコツコツ貯めていた十三郎と叔父の十兵衛。そのポロッと案は、小さい町に間違った話で広がります。そこから、雑穀屋、質屋、小物屋、住職まで、個性的なキャラの会話のテンポとやり取りが、とにかく楽しい。でも、心折れ抜けていく人もあり…その人たちの気持ちも分かります。ポロッと案は、今の時代でも、「え?!」と思わせるのに充分なものです。個人的に、お茶屋の篤平治役の瑛太と、しれ〜と冷たい仙台藩の財務担当の松田龍平が、とても重要で一緒と言うには程遠いシーンは、「まほろ」好きには嬉しかったです。「面白いから」の言葉から、観るまでに時間は掛かったものの、今では、元気が欲しい時に何度も観ている作品です。阿部サダヲさん1人のイメージ写真があります。このイメージがこの作品を表しています。

『殿、利息でござる！』は、歴史学者の磯田道史さんの原作「穀田屋十三郎」という、実際の歴史上の出来事をテーマにした映画です。物語自体は感動的であるものの、少し地味な雰囲気があったのですが、映画では原作の感動を残しつつ、エンターテインメントとして映画らしい盛り上がりがありました。物語はタイトルの通り、町民が殿様にお金を貸して利子を取るというもの。とある宿場町が貧困に喘ぎ、崩壊寸前のところを、街の有志があつまってお金をためて元手を作り、それを殿様、仙台藩に貸し付けます。殿様、藩は一見、お金持ちに思えますが、実は対面を保たなければならないので、財政はどこも火の車だったそうです。街のみんなはあの手この手で元手を作り出すのですが、その様子はコミカルにテンポよく描かれています。街の地域ごとに提出する金額を競ったり、「あの人はあれだけだしたから、うちも出さないと…」という、人の世間体やプライドも利用してお金を集める様子は、現代も同じだなと思わず笑ってしまいました。また、この映画では単にお金のことだけでなく、家族愛も描かれます。主人公の穀田屋十三郎は長男なのに養子に出されたことに引け目を感じたり、妻の遺品を売り払ったことで自分の息子とも仲違いをしてしまいます。けれど、やはり人間というものは一つのことを熱心に行うと、その情熱は他人に伝わるもので、お金をあつめることで家族の絆を再確認できたのには感動しました。それと、この作品最大の見せ場はなんといってもフィギュアスケートの羽生結弦さんの出演です。確かに、名俳優たちに混じっても遜色ない人物として最適だったと思います。初演技とは思えないほど堂々としていて、とてもすてきでした。

前情報を入れずに観たため、思ったものとは違いました。キャスティングや宣伝用の画を見て、もっとギャグ、コメディ要素が強くコミカルな作品だと思っていました。演技や話は面白いですが、もっとその時代を反映したヒューマンドラマで心動かされるテンポの良い作品でした。重税に苦しみ、世の中の仕組みがおかしく理不尽な扱いを受けている宿場町、金はなくとも心は錦と百姓たちの各々の思いと行い、偉業を描いています。やはり、登場人物一人一人に異なる人生、事情、思いがあり、その描きがとてもいいと思います。最初から尊い行いをしようという訳ではなく、変えたいという思いと共に各々の自分の私利私欲から行動は始まるとしても物事が進む中でどんどん皆が人のために宿場のためにと変わっていく思いも人間の良さだなと思いました。貧しくとも人のために行いができ、一人一人の力は小さくとも長い時間をかけて何かを成し遂げることは出来るということ、それが身にしみて伝わってきて、自分も腐らずに頑張らないといけないなぁと思いました。人が人を思い、行う行いがとても尊いと思いました。そんな行いで、小さくとも世の中を変え、自分たちや子孫の暮らしを少しでも豊かなものへと変えた先人達の心意気と強さを尊敬します。人から褒められたり、認められたりするためではなく、純粋にこの先の未来のために自分の損得を考えず、何かを行い、今結果が出なくても継続するということ、とても素晴らしいと思いました。自分も偉業でなくていいから、何か小さな事でいいので出来ないかなと思います。

原作は、磯田道史氏の『無私の日本人』の中の一編『穀田屋十三郎』で、江戸時代中期の仙台藩吉岡宿が舞台の実話である。当時吉岡宿は、年貢の取り立てや労役で疲弊し夜逃げ者が相次ぐ最悪の状況であった。そんな宿場町を救うため、造り酒屋の当主・穀田屋十三郎が中心となり、藩に金を貸して毎年の利息を地域の住民に配る「宿場救済計画」に尽力する人々の姿を描く感動の物語である。主人公の阿部サダヲをはじめとして、瑛太や妻夫木聡、竹内結子など実力派の豪華俳優陣が勢揃いしている。実話を基にしたストーリーということもあり、登場人物のそれぞれの背景や計画実行段階での心情の移り変わりなども細かく描写されていて、そこを深掘りして見ていくのもまた楽しい作品である。今の時代では考えられない内容も多くあるが、お金に対する私利私欲や承認欲求など、200年以上も前の時代でも変わっていないこともあり、何とも言えないが人間という生き物の性を考えさせられる内容でもある。それと同時に、夢や目標に向かって奮闘する人々のパワーや団結力、私利私欲を捨てて、国のため、仲間のために自己犠牲を果たす人情深さなど、人間の良さも十分に感じさせてくれる、そんなスケールの大きな作品である。