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ゾンビという存在をこの世に生み出したジョージ・A・ロメロ監督によるゾンビ映画で、冒頭から雰囲気のある流石の物語。もう彼の新たな作品が見られないのが悲しいですが、これからも見ていこうと思える作品でした。

ゾンビ映画が好きだけど得意ではない私でもしっかりと観れる適度なゴア描写で、ゾンビを含めた三者三様の生き方が面白かったです。

ロメロのゾンビ3部作完結編は痛烈な一作でした。間違いなく『アイアムアヒーロー』も本作にインスパイアされてるんだろうなって思いました。

凄くゾンビと共存していた、新しい視点のホラー・ゾンビ作品。細かなところまで面白く、痒い所にまで手が届いたゾンビ映画でした。

タイトルからもわかる通りゾンビ映画です。ジョージ・A・ロメロといえばゾンビ映画知る人ぞ知るゾンビ映画の大家・・・らしい。設定はけっこう壮大な感じ。ゾンビの制圧に失敗した人間社会の秩序がゾンビによって歪んだ形で保たれている状態です。そんな中で新しい種類のゾンビが登場することで、不安定ながらも平静を保っていた世界の均衡が壊れていくストーリー。新しいものの登場による秩序の崩壊は、皮肉にも現代にマッチするテーマかもしれません。『進撃の巨人』にしても、『約束のネバーランド』にしても、特別な存在によって秩序が崩壊している世界の出来事ではあるので、今の人たちの感覚にマッチするフォーマットなんだろうなと感じながら作品を鑑賞していました。ゾンビ映画としては定番といえば定番なんですが、これが定番化するのはやっぱり面白いから。そして、何を隠そうゾンビ映画でこのシチュエーションが模倣された元祖はこの『ライフ・オブ・デット』。原点を目撃するのはそれだけでも価値があることだと思いませんか。また、本作で特徴的なのは、ゾンビに知性があること。知性のないゾンビがゆらゆらと人を襲う感じと違って、銃をぶっぱなしたり、ガソリンを撒き散らしたりして、展開に奥行きが出るので追い込まれ方がやっぱり違ってくる。知性がないゾンビは、冷静に見てしまうと、「いや、これ、なんとかなんじゃね？」っていう作品もあるけれど、知性を与えればやっぱり追い込まれやすいですからね。

『ランド・オブ・ザ・デッド』を見た感想はこの映画における世界観はゾンビがいる世界がある程度認知された世界であり、そんな中を生きていく人達にスポットライトを当てた映画だと思いました。映画の中では主人公であるチョロは傭兵部隊の副隊長として働いていますが、傭兵として命をかけてゾンビを戦うことで生計を立てていますが、命がけで働いている現状に対して不満を持っており、富裕層が住んでいるフィドラーズグリーンへ移り住むために権力者のカウフマンに取り入るために色々とご機嫌を取っているのですが、冷淡な対応を受けてしまい報われません。富裕層と貧困層の対立のような構図があり、そういった構図は最近のゾンビ映画にはあまりないので斬新な作品だと思いました。単純にゾンビから逃げ延びるためのサバイバルな映画というわけではなくて、富裕層と貧困層の世界観が分かれておりなんだか今の世の中に訴えかけるメッセージ性のようなものを感じた映画です。単純にゾンビから逃げ延びるような作品ではないので非常に考えさせられる映画だと思いました。アクションシーンやゾンビとのバトルシーンに関しては爆発ありの非常に迫力あるシーンがありますのでその点を重視する方にはオススメです。

知能を得たゾンビたちの心情が描かれている映画でした。この映画の世界観はもちろんゾンビがひしめき合っているこの世の終わりのような世界で、川に囲まれた安全な街（先進国）で外にいるゾンビたちは先進国によって今までぞんざいに扱われてきた人間たち、という考え方をすると現実社会とそう変わらないなと思いました。そう考えるとゾンビ映画としてハラハラとする恐怖より、いつこのぞんざいに扱われている層が暴れだして世界が逆転してしまうのか分からない、といった感じの現実的な恐怖を抱いてしまいました。ゾンビものって、たいていゾンビ側の都合はお構いなしで人間側に重点をおくものが多いからこそ、この「ランド・オブ・ザ・デット」みたくゾンビは弱い存在としてストーリーが進むのは少し新鮮でした。ですが、そうだといって本当にゾンビがあふれる世界になったとして、人間を襲撃するような恐ろしいゾンビを弱い存在だからと言って放っておくことなんてできないだろうなとも思います。結果的にゾンビと人間とすみ分けることが大切で、人間に襲われたくないならゾンビはひっそりと静かにどこかで暮らし人間以外の動物を捕らえて食べたらよいのではないかなと思ったりもしました。

　ゾンビの出てくる映画やドラマは普段あまり見ないのですが、友人にかなり強くオススメされたので渋々見てみることにしました。しかしよくあるゾンビものの映画とは違って、妙におもしろく、映画を見始めると一気にストーリーに引き込まれていったような気がします。この作品で出てくるゾンビたちは、武器を使ったりして非常にスマートで力強い印象を受けました。また最後の見つめ合うシーンはこの映画の見どころでもあり、かなり心にグッとくるものがありました。主人公とゾンビの聞こえない会話がそこにあっただろうと想像できました。人間とゾンビがその先もストーリーの中で共存していくのだろう、としみじみと感じさせられました。これまでゾンビといえば「悪い者」といったイメージを持っていましたが、これほどゾンビにも魂のようなものがあるのだなと感じさせられた作品は今までで一度も見たことがありません。どこかゾンビの「進化」みたいなものを見たような気がしました。見る前はそこまで期待をしていなかったのですが、かなりクオリティが高いと感じたので、また見返したいと思います。ゾンビ映画・ドラマ好きの人や洋画好きの人にはぜひ一度は見てみて欲しいと思います。

この映画の面白い所は、ゾンビも意思疎通をして人間のような感じがするところです。多くのゾンビ映画は噛まれれば感染してしまい、噛まれたものはゾンビとなってひたすら人間を襲っていくというパターンが多いと思います。当然この映画もそういった光景は繰り広げられますが、知恵を持ったというところが面白いのです。また世界観もすごいですよ。ゾンビがいるという設定で世の中が動いているのですが、一方では戦いの日々が続いていてそんなことをしなくてもいい裕福な家庭もあるのです。金持ちの生活が描かれているところは、ある意味衝撃的です。これはやられてしまう憎むべくゾンビが、知恵を持って人間に復讐するといったらいいのでしょうか。彼らがどんな行動をして人間を驚かしていくのか、恐怖に陥れていくのかはものすごく見てもらいたい部分です。なんか笑っちゃうし、生前はもしかするとこういった事をしていたのかなという彼らの過去を感じてしまうのです。彼らもゾンビになりたくてなったわけではなく、嫌われて殺されるのが不満だったのかな。なんか同情心も芽生えてしまう、不思議な感覚に襲われます。今までありえなかった行動をする描写はとても新鮮で、主人公が誰なのかよくわからなくなります。