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コメディ

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カツベン(映画)の内容

映画『カツベン!』は、2019年12月に公開されました。

監督を務めるのは周防正行さん。「舞妓はレディ」以来、5年ぶりとなるオリジナル映画作品で、周防監督としては自身が脚本を書いていない初の作品となります。

脚本を描いたのは、周防監督作品「それでもボクはやってない」や「舞妓はレディ」でチーフ助監督として周防監督作品を支えた片島章三さん。本作でも監督補を務めています。

本作は、映画が「活動写真」と呼ばれていた時代に、独自の喋りで観客を沸かせる「活動弁士」を主人公に、約100年前を舞台に、活動弁士を目指す青年と彼を取り巻く人々を描いた作品です。

主演には、映画初主演となる成田凌さんが、ヒロインには黒島結菜が、100名のオーディションの中から選ばれました。成田凌さん起用の理由に周防監督は、活動弁士として活躍する姿がイメージされたと語っていて、黒島さんは初々しさと可憐さから選んだそうです。

共演者には、永瀬正敏さん、高良健吾さん、井上真央さん、山本耕史さん、池松壮亮さん、竹中直人さん、小日向文世さん、竹野内豊さんなど、豪華キャストが名を連ねています。

 

成田凌、永瀬正敏、高良健吾らは相当な期間を発声や独特の話し方の特訓をしたというだけあって、耳でも楽しめる作品だった

劇中に登場する10本の白黒映画のすべては今作のためにシーンを撮影したそうです。そこに出演するのも過去の周防作品で主演した草刈民代や上白石萌音という贅沢ぶり。

起承転結の鮮やかなストーリーと、懐かしい小道具やドタバタコメディのルーティンの安定感がいい

かなりコメディタッチな展開で現実味はあまりないところがあるので好き嫌いは分かれそう。しかし、成田凌始め、永瀬正敏や高良健吾達の演技力は圧巻!観ていて引き込まれてしまいます。

弁士の命である口上の滑舌もしっかりと発声をして聞いていて気持ちがいい。
竹中直人や渡辺えりなどが周りを固めて成田凌がいきいきと輝いていた。竹野内豊のコミカルな演技が最高だった。ドタバタ感がありましたが楽しく観られました。

あらすじ

大正の初め頃、子供の染谷俊太郎(成田凌)は、活動弁士に憧れ、心揺さぶる活弁で観客を魅了したいと夢見ていました。

しかし、成人した俊太郎は、いかさま興行師の安田(音尾琢真)の下で山岡秋声を騙って弁士をします。俊太郎が弁士をしている間、留守になった付近の家で仲間が窃盗を働くという手口でした。そんな生活にウンザリしていた俊太郎は、刑事に追われたことで盗んだ金と一緒に逃げ出し芝居小屋「青木館」の住み込みとなります。

「青木館」には本物の山岡秋声(永瀬正敏)がいましたが酒浸りとなっています。看板弁士の茂木貴之(高良健吾)は、「青木館」のライバル「タチバナ館」から移籍の誘いを受けていて、「青木館」の館主(竹中直人)は、楽士や弁士の引き留めにやきもきします。

俊太郎は映像技師の浜本(成河)と親しくなり、浜本がファンだという女優の沢井松子(黒島結菜)の映ったフィルムの切れ端を見せてもらいます。

そんなある日、出番に出れなかった山岡の代わりに俊太郎が弁士を務めて観客から喝采を浴びます。しかし、戻ってきた山岡にダメ出しされて稽古を付けられます。やがて俊太郎は人気弁士となって「青木館」は賑わいを取り戻します。

一方、「タチバナ館」の手下にいた、いかさま興行師の安田は、俊太郎に気づいて、金を取り戻そうとします。

見どころ

活弁シーン

主人公の活動弁士を演じる成田凌さんは、撮影前には講談や浪曲を観賞し、更に現役の活動弁士からも指導を受けていて、合計半年間の特訓をしたそうです。

その特訓は、大変キツかったそうで、常に漠然とした不安と戦っていたと語っています。その不安とは”できない!”、”どうしたらいいかわからない”というもの。とりあえずやってみようと言われても、何をどのようにしていいかわからなかったそうで、ひたすら特訓に励みました。

その成果もあり劇中では見事な活弁を披露しています。

白黒無声再現映画

劇中で、活弁士たちが解説する10本ほどの無声映画は、その時代の世界観を忠実に再現して作り上げた”新作映画”です。

10本すべてがメインシーンの撮影前後に新たに撮られていて、長い長い撮影を東映がよく了解してくれたと周防監督もビックリするほど贅沢な製作現場だったそうです。

その無声映画には、周防監督の奥様で周防作品「Shall we ダンス?」に出演していた草刈民代さんと、城田優さんが熱烈なキスシーンを見せる1921年の映画「椿姫」の再現映画や、周防作品「舞妓はレディ」で主演を務めた上白石萌音さんが、1932年の映画「金色夜叉」の田中絹代が演じたお宮役を演じたり。

また、映像が残っていない1917年「南方の判事」有名な一説を元ネタにした周防監督のオリジナル無声映画「南方のロマンス」のヒロイン役には、シャーロット・ケイト・フォックスが出演しています。

その他、1915年の映画「怪鼠伝」から着想を得た「怪猫伝」や、1923年の映画「火の車お万」をアレンジした「火車お千」など、さらにエンドロールには、1925年「雄呂血(おろち)」の実在の映像が流れるなど、見どころたっぷり。

スタッフ

監督:周防 正行
脚本・監督補:片島 章三
音楽:周防 義和
エンディング曲:奥田 民生「カツベン節」

キャスト

染谷 俊太郎:成田 凌(幼少:牛尾 竜威)
主人公。活動弁士を夢見る。

栗原 梅子(沢井 松子):黒島 結菜(幼少:藤田 りんか)
女優を夢見る。俊太郎の初恋相手。

山岡 秋声:永瀬 正敏
大酒飲みの活動弁士。

茂木 貴之:高良 健吾
スター気取りの活動弁士。

安田 虎夫:音尾 琢真
俊太郎が偽弁士だった頃のインチキ興行師。

牧野 省三:山本 耕史
映画監督。

二川 文太郎:池松 壮亮
映画監督。

青木 富夫:竹中 直人
青木館の館主。

青木 豊子:渡辺 えり
青木富夫の妻。気が強い。

橘 琴江:井上 真央
橘重蔵の娘。

橘 重蔵:小日向 文世
タチバナ館の館主。

木村 忠義:竹野内 豊
ニセ活動弁士を追う熱血刑事。

定夫:徳井 優
青木館で働く楽士(三味線)。

金造:田口 浩正
青木館で働く楽士(鳴り物)。

耕吉:正名 僕蔵
青木館で働く楽士(管楽器)。

浜本 祐介:成河
青木館で働く映像技師。

内藤 四郎:森田 甘路
汗かき活動弁士。

梅子の母親:酒井 美紀

劇中無声映画の登場人物

「南方のロマンス」ヒロイン:シャーロット・ケイト・フォックス

「金色夜叉」お宮:上白石萌音

「椿姫」アルマン:城田優

「椿姫」マルギュリット:草刈民代

「火車お千」お千:椎名 慧都

 

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カツベン(映画)の感想

 

40代女性

カツベンとは活動弁士のこと、スクリーンで映像を流すという技術が生まれてから音声を入れられるようになるまでのほんの一時だけ花開いた文化だったことでしょう。でもその話術は素晴らしく、絶やすべきでは無かったのではと思えます。もちろん今の映画のありようも良いのですが、人の肉声の温かさに勝るものはありません。映像と全く同じ内容をなぞっているのではなくそれぞれの弁士ごとの解釈の元で面白おかしく進められる物語に惹きつけられてしまいました。同じ映像でも人によってうまい下手もあり、好みもあったはずです。そんなカツベンを演じるのは成田凌さん、もっと無口なイメージのあった役者さんですから朗々と語るその口調に驚かされます。演技もですがカツベンの技術も必要で大変な役どころ、見事ものにしてくれていました。物語自体は「オールウェイズ三丁目の夕日」でも感じられるノスタルジックでのんびりした雰囲気で進んでいきます。泥棒たちとの追っかけっこも新喜劇を観ているかのよう、こういう雰囲気というのは現代社会には無いもので良い時代だったのだなと温かく見守ることが出来ました。青年の成長・更には恋の物語までと盛沢山、でも上手くまとまっています。

20代男性

「カツベン!」は2019年の3月に公開されました。大正時代のキネマ、無声映画のセリフに声やナレーションをあてる活動弁士のお話です。主演は成田凌さんでヒロインは黒島結菜さんで他にも、永瀬正敏さんや高良健吾さんや竹中直人さんや井上真央さんなどとても豪華な俳優さんが出演します。この作品の監督は周防監督で、周防監督の作品は面白い作品ばかりなので、この作品が周防監督に決まった時はとても嬉しかったです。周防監督らしい品が良いコメディでとても面白かったです。主演の成田凌さんの演技がとても素晴らしく、活弁が特に素晴らしく相当練習されたのだと思いました。活動弁士の葛藤や成長が描かれており、とても感動しました。活弁についてだけでなく、アクション要素や恋愛要素などがあってとても面白かったです。私は2015年に公開した「ストロボ・エッジ」で初めて黒島結菜さんを観てファンになり、そこから黒島結菜さんが出演している作品は欠かさず観ています。この作品に黒島結菜さんが出演することが決まった時はとても嬉しかったです。黒島結菜の演技はとても美しく、観ていてとても引き込まれます。この作品の最後のシーンはとても悲しく感動しました。キャスト一人一人のキャラが濃く、ストーリーの進むテンポが良いので観やすくとても楽しいです。ぜひおすすめする映画です。

 

50代女性

成田凌さんが、人気職業の活動弁士を夢見ているけれど、雑用ばかりの毎日を送っている俊太郎を熱演していて、とても良かったと思いました。相当練習したのだろうという努力の跡が伝わってきました。黒島結菜さんが、とても可愛かったと思いました。声に力があって梅子を熱演していて良かったと思いました。高良健吾さんが、とてもいい演技をしていて、良かったです。永瀬正敏さんが、さすがの演技力で存在感があったと思いました。竹中直人さんが、さすがの演技力でとてもいい味を出していて、素晴らしかったと思いました。彼の存在がこの映画を盛り上げていたと思いました。無声映画に活動弁士が、語りを入れるというスタイルを確立したのが、日本独自のものだったことをこの映画で初めて知りました。活動弁士が、作品の内容をただ説明するだけではなく、全く違う文脈に変えたりするなど、細かい描写があって活動弁士の魅力がしっかり描かれていて見ごたえのある映画だと思いました。さまざまな人間模様が描かれていて、ドタバタも入れながらストーリーがテンポ良く進んでいって、とても面白かったです。建屋や衣装、カメラや映写機などの機器類、また上映される無声映画などが大正末期の時代の空気感を漂わせていて、とても丁寧に作られていると思いました。出演者たちの言動に笑い、俊太郎が必死に奮闘する姿に泣いて、悪漢との追跡劇に手に汗を握る展開に引き込まれてしまい大団円のエンディングに、満足感と幸福感に包まれるとてもいい映画でした。奥田民生さんの「カツベン節」が、作品にマッチしていて盛り上げていて、とても良かったと思いました。

 

まとめ

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