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ただいまジャクリーン(映画)の内容

映画『ただいま、ジャクリーン』は、2013年4月に公開されました。

数々の映画監督を輩出してきた映画美学校が開講した脚本コースに入学した村越繁さんのオリジナル脚本を、同学校の卒業生であり『勝手にふるえてろ』などを手がけてきた大九明子さんが監督を務めました。

物語は、天涯孤独の青年と腹話術人形が巻き起こす小さな奇跡が描かれており、青年・悟を染谷将太さん。同じ施設で一緒に育った恵美を趣里さん。ほかに高木煌大さん、いっこく堂さん、菊地麻衣さん、西村凪さん、西村颯さん、江原由夏さん、中原三千代さん、夏日凜子(声)さんが出演しております。

あらすじ

峠の森の中に建てられた小さな慰霊碑。大きなバス事故の犠牲者への花が供えられていました。たった二人の生存者である悟と恵美も、事故で犠牲となったそれぞれの両親に花を供えにやってきたのでした。

そこで悟は高い木の枝に引っかかっていた腹話術人形を見つけ、両親を失って施設で暮らす悟と恵美は持ち帰り、汚れを丁寧に拭き取っていきます。人形の服には『ジャグリーン』と名前が書かれていました。

それからしばらくして、ジャグリーンの持ち主の師匠である腹話術師・だっこく堂（いっこく堂）が、事故に遭った弟子が遺したジャグリーンを引き取りに来ました。ですが、悟がジャグリーンを大切に扱っていることを知り、その場で腹話術を披露し、ジャグリーンを託して去っていきました。

その日から、腹話術の練習を重ね、施設で暮らす子供たちに披露するようになると、みんなが笑顔になり、悟もずっと忘れていた笑顔を取り戻したのでした。

13年後。施設を出て一人暮らしをしていた悟（染谷将太）のもとを、恵美（趣里）が訪れ、施設に外部の人を招いて行う催し物の「喜劇王まつり」で、ジャグリーンとの腹話術をやってほしいと依頼されます。長い間、ジャグリーンほったらかしにしていた悟は、恵美の頼みを聞いて、もう一度腹話術の練習を始めます。

しかし、事故の記憶は悟の中に深く刻まれています。救出されたときの報道陣からのフラッシュや大きい声。その光景は繰り返し夢に現れては悟と苦しめているのでした…。18歳になったいまでも…。

見どころ

才能の塊

腹話術人形のジャグリーンとのハートフルな物語ですが、催し物の「喜劇王まつり」で腹話術を披露するために悟が練習をしているシーンでの掛け合いが非常に面白いです。

ジャグリーンの腹話術が10年以上ご無沙汰となっていた悟が練習を始めるのですが、そこからはジャグリーンの心の声と、悟の声と、悟の腹話術での声。三人の掛け合いになるのですが、地味にジャグリーンが毒舌で良い味を出していました。

そんな悟を演じた染谷将太さんですが、演技を披露するときなど、染谷さんの顔、特に目の感じがだんだんと腹話術人形の顔に見えてくるほど、役にはまり込んでいました。

ベネチア国際映画祭で、最優秀新人俳優賞にあたる「マルチェロ・マストロヤンニ賞」を受賞しただけのことはある演技力は見応え抜群です！

映画美学校が制作

本作は、映画界の一線で活躍する映画監督を多数輩出している映画美学校は、2011年に脚本コースを新たに開講しました。その第1期初等科初の映像化作品として製作されました。

篠崎誠監督のもとで映画制作を学んだ後、映画美学校脚本コースに入学した村越繁さんが、少年と人形の不思議な関係を描いた『ただいま、ジャクリーン』は、講師である高橋洋さん（『リング』脚本）、村井さだゆきさん（『夏目友人帳』シリーズ構成）、三宅隆太さん（『クロユリ団地』脚本）に絶賛され、全員一致で映像化作品に選ばれた脚本になっております。

その脚本の魅力に惹かれて、映画美学校出身で『勝手にふるえてろ』などを手がけてきた大九明子さんが監督を務めました。

視線や視点をつよく意識させた演出は、登場人物たちの見る・見られるの関係を引き立てており、新たな才能と実力派スタッフ・キャストが作り出した快作となっております。

スタッフ

監督：大九明子
脚本：越繁
脚本監修：高橋洋
音楽：江口拓人
製作・配給：猿と蛇 / 映画美学校

キャスト

悟：染谷将太
不慮の事故により養護施設で育った青年。

恵美：趣里
悟と一緒の施設で育った女性。

ジャグリーン：夏目凛子
腹話術の人形。

久美：江原由夏
澄子：中原美千代
施設を切り盛りする女性たち。

だっこく堂：いっこく堂
ジャクリーンの持ち主の師匠である腹話術師。

ただいまジャクリーン(映画)の感想

まとめ