とある飛空士への追憶(映画)の無料動画フル配信｜DVDレンタルよりオススメ

アニメになっても、原作の感動は薄れること無く、それどころかより一層際立って、めちゃくちゃ胸に迫って来ました。
美しいビジュアルも、若いふたりの儚い恋を際立たせるようで、素晴らしいなぁ、と感じました。王女と飛空士の身分違いの恋物語に胸をときめかせ、切ないラストに涙しました…。

原作とか知らずに見にいったんですけど、面白かった。
背景っていうか、景色、空や海の景色や星空が本当にきれいで！

甘くてほろ苦い恋の感じですよ！アニメに抵抗ある人も、是非見て欲しい作品です。

ヒット作を多く排出しているマッドハウスの新作、『とある飛空士への追憶』はとてもオーソドックスな昔ながらのラブストーリーでした。

ベテラン脚本家の腕か監督の意向か、欲張らず、ただただオーソドックスにまとめあげたことと、マッドハウスの丁寧な作品作りにより、なかなかの良作になっています。

飛行艇による空中戦がすばらしくて、あまり派手な話ではないのに、すごく心に残りました。あらすじが明快で、オチまでのまとまりもよく、いい映画を見たという気持ちにさせられました。

王道ともいえる身分違いの愛の物語、でもそれだけ多く取り上げられるということは人々が望むからです。この作品も素晴らしく、感動しました。王女と飛行士っていうだけで絵になるのに、実際の絵柄も美しくはかなげです。そして声は神木隆之介くん、さすがは声優としてもずっと活躍してきた俳優さんですからあのどこかはかなげな声色が正にベストマッチしていて良かったです。彼が向かうのは敵の領地、そこでお姫様を奪還して自国へと連れ戻すのがミッションです。だからこその空の上での戦いのシーンも迫力があって、目を離すことが出来ませんでした。身分が低いとはいえそれは敵国の母親を持ち混血児となっているからに過ぎません。貧民の街で暮らしてきた彼がどうしてこれほどまでの技術を身に付けることができたのかは無茶な設定という気はしますが、海面すれすれを銃弾の中突き進んでいく姿はかっこよかったです。シャルルという名前もいい、お姫様が恋するのも当然と言えるでしょう。でももちろんそんな恋が許されるわけもなし、切なすぎる物語だからこそ人は惹きつけられるのでしょう。彼のこれまでの不当な扱いを観てきていたので、最後にお金をばらまく姿は余計かもしれません。

皇子の婚約者である少女と、身分が低くてドブネズミと呼ばれるような被差別民出身の飛空士による、身分違いの男女の許されざる恋の物語で、まさに王道と言えますね。変に奇をてらった展開もありません。この手の作品は、2人が駆け落ちとかをして最後に結ばれるような展開が多いと思うのですが、この映画の2人は互いに惹かれ、恋しながらも、それぞれの立場を守り抜いて別れることになります。それだけにとても切ない終わり方でした。キャラクターデザインや背景も美しく描かれていますし、水上偵察機サンタ・クルスの戦闘シーンもとても迫力がありました。空戦が緻密に描かれているからこそ、エースパイロットとしての主人公狩乃シャルルの技量に説得感がありましたね。その腕を見込まれて、ファナ・デル・モラルの護送を託されたわけですから、ここは重要な部分です。また敵側の千々石というパイロットがまた良い味を出しているキャラクターです。敵なのですが、シャルルの技量に敬意を払い、好敵手として正々堂々と戦い、敗北の受け入れ方も渋くてカッコよかったです。また、2人が出会い、共に苦難をくぐり抜ける中で恋心が芽生えてゆく様子の描写もとても丁寧で、それだけにラストの別れのシーンにはこみ上げてくるものがありました。

次期王妃の令嬢と彼女を護送する飛空士のお話しなんですが、令嬢ファナの変化が楽しいです。最初の登場から既に可愛いいですが、どこかお人形のようで親の言うことをよく聞いているだけのお嬢様に過ぎない印象です。ですが、命をかけた飛行を主人公シャルルと共にするうちに、彼女の内面が表現されていき、表情も生き生きしたものに変わっていきます。シャルルの秘めたる想いに気づいているのかいないのか、という若干ではありますが恋の駆け引きも見ていて楽しいですし、何より、シャルルの誠実さがとても光っていたと思います。初恋っていうのはいつでもキラキラしていて、見ていてとても気持ちがいいものだな、と感じます。空戦の描写も素晴らしく、海と空に囲まれた青い機体がとても美しいです。ただシャルル達の国はとても差別的な意識の強い国のようで、敵の方がよっぽどいい人間に見えてしまうのが切ないです。手柄を横取りしようとしていたりしますし、正直、国内の差別主義者がクズすぎて敵国の方が礼儀正しい印象です。せめて艦長さんがいい人でほんとに良かったです。主人公2人を演じたのは神木隆之介さんと竹富聖花さんで、プロの声優さんにはさすがに及びませんが、とてもキャラにはマッチしていたと思います。名家のお嬢様と幼い頃から差別を受けて来た青年の、小さな恋と旅の物語りはとても纏まった内容で見やすく、最後のシーンもとても綺麗です。残酷な描写もなく誰でも楽しめる作品に仕上がっていると思います。