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火花(映画)の内容

映画『火花』は、2017年11月に公開されました。

原作は、活字が躍りだす夢を見るほどの読書家であり、お笑い芸人の又吉直樹さんによって執筆され、新人小説家の登竜門である芥川賞を受賞した同名小説作品です。

監督と脚本は、原作者の又吉さん同様のお笑い芸人である板尾創路さんが務め、漫才の世界に飛び込んだものの結果を出せずにいる男と先輩芸人。厳しいお笑いの世界に生きる若者たちの姿をが描き出した青春映画作品となっております。

キャストは、菅田将暉さんと桐谷健太さんが主演を演じました。ほかに木村文乃さん、三浦誠己さん、加藤諒さん、高橋努さん。また、お笑いコンビ・2丁拳銃の川谷修士さんをはじめとするお笑い芸人が多数出演しました。

あらすじ

まったく芽が出ず売れない漫才コンビ「スパークス」の徳永（菅田将暉）と相方の山下（川谷修士）は営業先である熱海の花火大会で漫才をしていました。お客さんは無関心で、からかいに来たヤンキーたちからの罵声を浴び舞台を降ります。

彼らと入れ替わりで舞台に立ったのは先輩コンビ「あほんだら」として活躍している神谷（桐谷健太）と大林（三浦誠己）。このコンビは常識の枠からはみ出した漫才で、罵声を浴びせたヤンキーたちに「お前は地獄行き、地獄、地獄、地獄」と言い放って漫才を終えます。

この姿に魅了された徳永は神谷に「弟子にしてください」と申し出ます。すると神谷は「俺の伝記を作ってほしい」と頼み、この日から徳永は神谷との日々をノートに書き綴ることに。

それから2年後。徳永は、拠点を大阪から東京に移した神谷と再会をし、毎日のように呑みに出かけては、芸の議論を交わしては、仕事はないものの才能を磨き合う充実した日々を過ごしていました。

しかし、共に過ごしていくうちに2人のお笑いに対して意識のズレが生じ始めてしまうのです…。

見どころ

芸人による芸人の作品

芸人であるお笑い芸人ピースの又吉直樹さんが執筆した原作小説に、お笑い芸人の板尾創路さんが監督と務めただけあり、芸人という世界の厳しさだったり内部事情が、物語の中でしっかりと描きこまれていました。

板尾監督の意識した“芸人の行動や表情にカメラを合わせた”の通り、劇場での実際の漫才シーンでも、映し出されるのはあくまで芸人たちなのです。

建物外の寒そうな螺旋階段で順番待ちしながら最後のネタ合わせをする漫才師や、打ち上げの場で番組ディレクターへ媚びを売って営業活動に精を出す芸人たちの姿など。まるで密着ドキュメンタリーを見ているようでもありました。

芸人になるために毎日を明け暮れる若者たちに対して、彼らへのエールも込められたような、原作者・又吉さんと板尾監督の暖かい視線を感じることができたのが印象的な作品となっております。

号泣必至の“死ね”

そんな本作の最大の見どころはクライマックスで披露される菅田将輝さんと川谷修士さんによるノーカットでやり切った渾身の漫才シーンになります。

全ての喜怒哀楽という感情が大爆発した鬼気迫る演技が素晴らしく、あらすじにも書いてある通り、冒頭での神谷がお客さんに発した「地獄、地獄、地獄」に呼応するかのように、徳永が「死ね！死ね！死ね！」と叫ぶシーン。

これほど愛の溢れた“死ね”という言葉は生まれて初めて出会いました。号泣必至の感動のクライマックスとなっているので、涙を拭う物を用意して鑑賞を始めてください。

スタッフ

原作：又吉直樹「火花」
監督：板尾創路
脚本：板尾創路 / 豊田利晃
製作：岡本昭彦 / 市川南
編集：今井剛
音楽：石塚徹
主題歌：菅田将暉・桐谷健太「浅草キッド」

キャスト

徳永：菅田将暉
お笑いコンビ・スパークスのボケ担当。営業先で神谷と出会い、人生が変わっていく。

神谷：桐谷健太
お笑いコンビ・あほんだらのボケ担当。常識を覆すお笑いを追求するため、人から評価を受けづらい。

真樹：木村文乃
上京したての神谷を住まわせていた、恋人ではない女性。

山下：川谷修士（2丁拳銃）
お笑いコンビ・スパークスのツッコミ担当。徳永をお笑いの道に誘った人物。

大林：三浦誠己
お笑いコンビ・あほんだらのツッコミ担当。気性が荒いながらも人情味あふれる人物。

鹿谷：加藤諒
独特のキャラで売れっ子へと駆け上がっていくピン芸人。

真樹の新しい男：高橋努

オーディション審査員：日野陽仁

オーディション審査員：山崎樹範

火花(映画)の感想

まとめ