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最初から最後まで楽しく観られましたし、原作をちゃんと読んでみたくなりました。

妻夫木さんと柴咲コウさんのペアはカッコ良くて最高でした。また「まだ俺は女にはならねえからな」というセリフは、いつかくっつのかなと、ニヤけてしまいました。

天真爛漫などろろの笑顔は張り詰めた気持ちをほぐしてくれるし、優しいどろろの涙は新たな決意と力をくれる。
柴咲コウさんのどろろ役が本当にハマり役でした。

アクション、親子の関係など色々要素のある作品ではありましたが、個人的には“どろろと百鬼丸の愛”を描いた作品だと思ってます。

手塚治虫さんの漫画が原作ということで、それを映像化できるのかと少し不安視していましたが、原作の世界観をそのままに表現していて驚きました。出てくる魔物たちもリアルで恐ろしく、戦いのシーンなどはその映像技術に驚かされました。そして漫画では可愛い少年のどろろを柴咲コウさんが演じるというのもよかったです。普段はクールなイメージの柴咲さんですが、この作品では無邪気で可愛らしく、百鬼丸の側で元気に跳ね回る姿がとても微笑ましかったです。そして百鬼丸も妻夫木聡さんのイメージとはかけ離れているので、心配していましたが、爽やかで優しい笑顔の印象的な妻夫木さんがまるで違った表情を見せてくれたので驚きました。最初はどろろのことを鬱陶しがっている百鬼丸ですが、段々と心を開いていく様子が伝わってきて嬉しくなりました。どろろのおかげで心が柔らかくなっていく様子を妻夫木さんが素晴らしい演技で感じさせてくれました。2人のコンビネーションも最高で、かけがえのない存在になっていくのを見ているとなんだか感動してしまいました。まだ続きがあるようなラストだったので、今後2人がどうなっていくのか、魔物を全て倒すことができるのか非常に気になりました。

手塚治虫氏原作の同名漫画からの映画化。漫画ならではの奇想天外なところがとても生きています。妻夫木聡さん、柴咲コウさんという豪華俳優ががっぷりと組んだ超大作で、見どころが多い作品。百鬼丸役の妻夫木さん、どろろ役の柴咲さんが役にとても合っていて二人のかけあいがとても良いです。また、他の出演者も素晴らしいメンバーが揃っています。特に武将・醍醐景光役の中井貴一さんは流石ですね。百鬼丸の父親で、乱世を治めて天下を統一するという願いために自分の子供を四十八体の魔物に差し出すという非情ともいえる人物を演じていました。この物語はその際に体の四十八ヵ所を奪われ左手に妖刀を仕込まれた百鬼丸が自分の体を取り戻す旅に出る話です。百鬼丸が魔物を倒す度に一ヵ所ずつ体の部位が戻るということで、魔物を退治していくのですが、そこで百鬼丸の妖刀を狙う野盗・どろろに出会います。そんな関係の二人なのですが、つけ狙うだけでなくて絆を感じさせます。印象に残ったシーンは百鬼丸が失った両目を取り戻すところです。命をかけて自分の体を得ていく過程がとてもよく描かれています。妖怪を退治するストーリーということで、アクションシーンも素晴らしく手塚マンガをとても忠実に映画化していて、おすすめの作品です。

初めてこの映画を見たのは１３年前。まだ小学生だった私はPG１２作品だった為、父にお願いをして鑑賞しました。この映画が見たいと思ったのは、歌手として大人気の「柴咲コウさん」と、当時人気若手俳優として大注目の「妻夫木聡さん」のW主演作品だったからです。主人公2人の生い立ち、冒険、戦い、ストーリー展開が面白く、小学生の私も、４０代の父も、見て良かったと思える作品でした。もちろん主人公に注目して見るのも良しですが、私はこの作品中で「魔物！魔物！」と町人達に、煙たがられていた存在に注目していただきたいなと思います。公開当時2007年には、驚くようなリアルさを感じられ、「怖い、グロい」と私自身もしばらくは「なんだか、すごい映画だった」と余韻に浸っていたのを覚えています。しかしその「魔物」達にもそれぞれのストーリーがあり、１回目の鑑賞は衝撃！２回目以降はじっくり考えながら見る。そんな作品です。初公開時は子供でしたが、大人になった今でも、また見たいと思える映画です。冒険心で見ていた感情から、登場人物のそれぞれの切ない感情に、寄り添う気持ちで鑑賞することができます。続編も予定されていましたが、予算の都合で中止になってしまった、そんな噂もありました。非常に残念ですが、１作品だけでも、相当な迫力ある作品に仕上がっていると思います。ぜひ１回目は冒険心で迫力を！２回目からは魔物達のストーリーを、３回目以降は感情に寄り添って見ていただきたいです。

この映画は、原作とかなり異なる設定を持った作品です。だから、原作ファンとしては正直、最初は複雑な気持ちを抱きましたが、原作とは全く別物の、「”どろろ”という共通のコンセプトを持った作品」として見れば見え方がかなり変わってきます。まず、主演ふたりが演技派なため、否応なしに物語に惹き込まれます。特に人物設定が原作とかけ離れているのがどろろですが、柴咲コウの演技力を見て、へたに子役を使って原作に寄せるよりも良いのかもしれない、この設定・キャスティングがベストなのかもしれないと思わせられました。また、原作では設定にあいまいな部分（おそらく設定を出し切れなかったため）も多々ありますが、この映画版ではオリジナルの設定でそのあいまいさを補完しており、どろろという作品になじみがない人にはむしろ優しい作品なのではないかと感じました。世界観がほぼオリジナルですが、予想以上にしっかりと作り込まれていたが嬉しかったです。原作ファンの中には、どろろと百鬼丸に訪れたあっけなくも切ない結末に胸をかきむしりたくなるような気持ちになった人も多いかと思いますが、映画版では、原作とは少し違った結末が用意されています。私は、そこに一番救われました。

「どろろ」は、かっこいいバイオレンス・アクション映画でした。百鬼丸の父である醍醐景光が魔物と契約を交わし、特別な力を手にするシーンや、百鬼丸が魔物を倒すシーンは、ホラー映画の要素も満載で、観ていて目が離せませんでした。とてもおぞましシーンであっても、嫌な気分にならないのは、百鬼丸を演じる妻夫木聡さんの陰のある魅力的な表情と、どろろを演じる柴咲コウさんの喜怒哀楽で変化する印象的な目の表情のためだと、私は思います。CG画像の密度の濃い画面に負けない、存在感のあるお二人を見ていて、本当に悲しくなったり、悔しくなったりしました。百鬼丸が原田芳雄さん演じる寿海の手によって人の形を整えていく場面は、戦乱の世であっても命を大切にしようとする寿海の凄みが感じられ、心に響きました。人間が人間であるための矜持が示されていると思います。その後の前半は、バイオレンス・ホラー的なスピード間のある展開で、見飽きる暇はありませんでした。後半は、親子、兄弟、そして百鬼丸とどろろの絆の不思議さや強さが描かれます。人の道を外れた醍醐景光の愛の形は、とてもいびつでむごいものです。それを受け入れ、戦う百鬼丸。どろろは、百鬼丸が醍醐景光の子であると知り、醍醐一族への恨みをどうやって昇華させたらいいのか苦しみます。百鬼丸の母も弟の多宝丸も、自分の存在の意味とたくさんの後悔を抱え、苦しみます。後半は、切れのあるバイオレンスアクションシーンが見せ場ですが、戦う人たちの姿を見ながらその胸の内を考えると、ちょっと辛くなりました。アクション映画が好きな人も、映画から人間の心の深いところを感じるのが好きな人も楽しめる映画でした。

この映画の原作は手塚治虫で、ストーリーはある武将が天下統一の為に自身の百鬼丸の体を魔物に捧げます。百鬼丸は医者に拾われ、失った体を補う仮の体を手に入れるんですが、魔物を倒せば体の部位を取り戻せると知り魔物退治をするといった流れです。ちなみにどろろとは「人の形をした得体の知れない化け物」という意味で使われていて、そんな百鬼丸を妻夫木聡、どろろ役を柴咲コウがＷ主演で演じています。基本設定は原作寄りですが2人の年齢差は小さくなっているし、ストーリーはオリジナリの部分が多いと言えます。だから原作を読んだ人も読んでいない人も楽しめる作品と言えるのではないでしょうか。オリジナルの部分が多い作品によくある支離滅裂なストーリーにはなっていない上に、この映画は百鬼丸という主人公が持つ悲劇性、格差社会への訴えという主軸はブレていないのが魅力です。あと全体のまとまりは良かったとおもいますし、主演2人の演技の掛け合いがばっちり嵌っていました。他にも2人の生き様、バトルシーンが見所と言えます。特にワイヤーアクションは凄いのと、音楽、映像から漂う哀愁が映画の雰囲気を盛り上げてくれたので、自然の映画の世界に入っていけました。主題歌はミスチルのフェイクで、作品に合っていたと思います。

10年以上も前の映画のわりにはワイヤーアクションなど迫力があって見応えありました。すこし残念な箇所は各妖怪のCGが微妙な点でしょうか…。内容も冒険者によくありがちな一点のみの話を重点的に描くというやり方ではなく、原作にある複数の物語を映画の中に詰め込んでいるやり方が個人的にはいいなぁと思います。ただ詰め込みでストリー性もよくわからない流れ映像ではなく、Aという物語があって、Aの概要をしっかり描写しているものが複数ある感じです。限られた時間の中でよくできているなぁと思いました。もちろんパパッと妖怪倒しましたよーみたいな描写もあるのですがそこは映画なので仕方ないかなと。また、俳優さんがたみなさん演技力がすごくうまくて感情移入もしやすかったです。原作ではどろろは子供ですが、映画ではすこし大人になっており、違いにだいぶ驚いたのですが柴咲コウの演技でカバーできています。妻夫木くんも比較的明るい役を演じることが多い中、寡黙で感情表現がしづらい役をうまく演じられており百鬼丸のカッコよさが際立ってて良かったです。キャストは個人的には大満足です。