曇天に笑う(映画)の無料動画フル配信｜DVDレンタルよりオススメ

テンポが良くて最後まで一気に見れた。躍動感のあるアクションやカメラワークが見どころ。

『曇天に笑う』は原作が漫画の作品になります。主人公の曇天火（くもうてんか）は、三人兄弟の長男。２４歳という歳の若さでどこか達観したような姿勢を見せながらも笑顔を絶やさない、理想のお兄ちゃんという概念を集めて一点集中したような性格をしていました。天火の弟二人は歳が離れていて、そんな兄を憎まれ口を叩きながらも尊敬しているようです。頼れるお兄ちゃんに少々反抗期ぎみの次男・空丸（そらまる）、それから明るく天真爛漫な宙太郎（ちゅうたろう）という三兄弟はとてもバランスが良く、見ていて不快感なく微笑ましい気持ちで見守ることができました。序盤、大津の町で逃走していた罪人を三兄弟が捕まえ、町人たちが野菜やら米やらを次々に贈るシーンがあるのですが、こんな三兄弟が町にいたらそりゃかわいがるだろうなあ、と思います。おすすめポイントはやはり殺陣のシーンですね。アクション要素が非常に強いので、あちらこちらに殺陣のシーンが用意されているのですが、天火の持ち武器がなんと鉄扇。扇を華麗に扱いながら戦う姿はめちゃくちゃにかっこいいのでぜひ見て欲しいです。また、ヤマイヌという政府直属の部隊があるのですが、そちらに所属している五人も大きな太刀であったり二丁銃であったりとそれぞれ個性ある武器を使っていて観ていて大迫力の映像になっています。

原作は漫画であり、私はアニメを先に見ていました。舞台は維新の記憶も新しい明治時代初期ですが、岩倉具視が登場するものの、あまり史実と関わりはなく、一言で言えば伝奇色の強い時代劇と言ったところでしょうか？　ストーリーはシンプルで、重犯罪者が送り込まれる獄門処での曇三兄弟と、右大臣直属部隊犲との対決がメイン。弟が人質に取られてしまう展開など、この手の作品にはありがちな話とも言えますが、派手な演出のアクションがあり、衣装デザインも大胆で、あまり難しいことを考えなくても、軽い気持ちで作品に見入ることができると思います。残酷すぎる展開もなければ、頭を使わせられるミステリー色もありませんから。また主人公たちが清々しくて爽快なキャラクターなところも、好感度が高いのではないでしょうか？　元気いっぱいと言ってもいいかも知れません。女性キャラクターがとても少ない作品なのですが、その分主演を務めている福士蒼汰さんや中山優馬さんといった若い男優さんたちの演技がたっぷりと楽しめる映画です。まさにライトエンタテイメントと言うべき映画で、作品の中では曇り空が広がっていますが、晴れた青空を見上げる気分で楽しめると思います。

福士蒼汰くんが主人公を演じた「曇天に笑う」。舞台が琵琶湖のほとりにある大津でロケーションもなかなか良かったです。曇りが続き大蛇の復活におびえる人々とそれに立ち向かう天火が描かれていましたが、兄弟もいたので頼もしかったです。また曇三兄弟の他に国から選抜された特別チームや政府の転覆を目論む忍者集団たちが入り乱れてなかなか見応えがありました。さすがに戦いが多いだけに主要メンバーは男性ばかりでしたが、イケメン揃いで衣裳も原作となった漫画コミックの世界観がそのままで楽しめました。明治初期って文明開化っていうイメージがありますが、日本古来の風習などもまだ濃く残っているのでその化学反応が一番輝いていたかもしれないなぁと感じました。生きることに今よりみんなが必死な時代だからこそのパッションを感じました。この作品を通じて兄弟の絆、男同士の友情なども描かれていて健気さを随所に感じました。オロチに寄生された次男、空丸が狙われ一時は撃退するも助けたはずの白子に裏切られ風魔一族に空丸がさらわれた時はどうなるかと思いましたが、最後は天火が敵を撃退し三兄弟揃って仲良く帰って行く姿が微笑ましかったです。ジャニーズメンバーの出演もありましたが、中でも、当時の権力者、岩倉具視役で東山紀之さんが出てたのは驚きました。

江戸時代後期、300年に一度、人という器を利用して復活し全てを破壊するというオロチを復活させようとする風魔一族と復活を食い止めようとする曇天三兄弟と政府部隊の物語です。曇天兄弟の長男　天火をブリーチでも見事なアクションを披露している福士蒼汰さんが本作でも抜群の身体能力で魅せてくれます。優秀な兄に絶望的なコンプレックスを持つが故にオロチに利用させてしまう次男　空丸役の中山優太さんのラストシーンの会心の笑顔は本当に美しくて忘れられません。三男　宙太郎役の若山耀人さんは愛くるしいキャラクターで緊迫していくストーリーに終始癒しを与えてくれます。素晴らしい俳優さんたちの中でも、心優しい同居人を演じながら最後に曇天三兄弟を裏切る　金城白子役の桐山漣さんの優しい顔と仕草からの冷酷な顔への変貌ぶりは必見です。相手を思う気持ちゆえの行動が血の繋がりのあり、近すぎる兄弟だからこそ上手く伝わらなかったするのかなとか、なんの為に人は強くなるのかとか、曇天三兄弟の姿を通して色々考えました。人の運命や使命という普段は考えないスケールの大きな事にも思いを馳せました。平和な世界で家族が笑い合える環境というものをもっと有難く受け止め、大切にしなくてはと思いました。