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飛べダコタ(映画)の内容

映画『飛べ！ダコタ』は、2013年に公開されました。

太平洋戦争の終結から5か月後に佐渡島で起こった実話を基に、海岸に不時着したイギリス軍輸送機の愛称「ダコタ」を、村人とイギリス兵の言葉の壁や戦争という過去を乗り越えて、無事帰還させるまでを描いた感動作です。

主演は、今作が映画初主演となる比嘉愛未さん。比嘉愛未さんは、実在する方がモデルとなった森本千代子を演じています。森本千代子は、明るく優しい性分で、困っている人を見過ごせない性格。千代子のように人を思いやる心が映画のテーマとなっています。

共演者には、窪田正孝さん、柄本明さん、洞口依子さん、中村久美さんなど演技派俳優が脇を固めます。監督は、数々のサスペンス系のテレビドラマの監督を務めてきた油谷誠至さん。2020年春には、比嘉愛未さん主演の日本酒映画「吟ずる者たち」も公開予定です。

あらすじ

終戦から間もない昭和21年。のどかな新潟県佐渡島高千村に、イギリス空軍の飛行機「ダコタ」が凄まじいエンジン音とともに不時着し、島民たちは、わずか5ヶ月前の戦争の記憶が蘇り慌てふためきます。

砂浜に不時着したダコタの周りには野次馬が集まっています。真っ先に駆けつけたのは村長の娘・森本千代子（比嘉愛未）はダコタから降りてきたイギリス兵に、「オッケー？」と声を掛けますが、敵国であったイギリス兵に様々な想いを胸に抱く島民たち。

しかし村長の森本新太郎（柄本明）は、「困った者を助けるのが佐渡の精神」だと、イギリス兵たちを自分が営む旅館に迎えることにします。初めのうちは、警戒していたイギリス兵たちも島民たちの温かいもてなしに、打ち解けていきます。

かつては成績優秀で、村の期待の星だった千代子の幼なじみ・木村健一（窪田正孝）は、海軍兵学校時代に、訓練中の事故で足が不自由になり出征することなく終戦を迎えたことで表情も無くなり、家に籠もります。

島民たちとイギリス兵たちが力を合わせダコタを再び空に舞いあがせるための滑走路作りに励む中、健一は、ダコタが親友の死んだビルマ戦線で、イギリスの将軍専用機だったこと知り、暗い憎悪の炎を燃えたぎらせます。

見どころ

飛行機「ダコタ」

実際に不時着したイギリス軍輸送機は、第2次世界大戦中に使われていた要人専用機で、ビルマ戦線で日本軍と戦い、最後は勝利しました。この不時着機は、いまでもアメリカ人オーナーによって格納庫に保存されていましたが、個人所有のため撮影に使うことは出来ませんでした。

そこで、撮影スタッフがタイに現存するダコタを見つけ、分解して佐渡に移送しました。全長20メートル、両翼30メートル、重さ6トンもの大きさの機体の存在感は圧倒的です。

佐渡島民の協力

ロケ撮影は、実際の現場である佐渡で行われ、地元住民もエキストラで出演しています。佐渡島でのロケは2012年2月から2013年1月までと長く、その間、地元企業の社員寮を安く借りたり、小道具も島民の皆さんの力を借りて作成しています。

海岸に埋める滑走路用の石を作るため、島民の皆さんにお願いして、新聞紙を粘土状にして作成したのですが、作るのも大変で、濡れた新聞紙の塊を乾燥させるのは至難の業だったため、近くのシイタケ栽培農家で使用している乾燥機を借用し、何とか模造石を乾燥させ、撮影に間に合いました。佐渡島民の協力なくして、この映画の完成ありませんでした。

スタッフ

監督：油谷 誠至
脚本：安井 国穂、友松 直之、油谷 誠至
音楽：宇崎 竜童
主題歌：石井 里佳「ホームシック・ララバイ」

キャスト

森本 千代子：比嘉 愛未
高千村村長の娘。9歳の時に母が死亡。明るく優しい。困っている人を見過ごせない性格。

木村 健一：窪田 正孝
海軍兵学校時代に、訓練中の事故で足を引きずっている。引き籠もり。かつては千代子に想いを寄せていた。

森本 新太郎：柄本 明
高千村村長。千代子の父。自宅で旅館を経営。

村上 敏江：洞口 依子
千代子と健一の同級生。戦地に行った義治の母。息子の生還を待ち続けている。

ブラッドリー少佐：マーク・チネリー
ダコタの機長。温厚で、紳士的なリーダー。

ディヴィット少尉：ディーン・ニューコム
ダコタ乗組員の青年。イギリス軍人。明るく人懐こく、千代子に親近感を抱く。

浜中 幸三：螢 雪次郎
国民学校校長。千代子や健一の先生。

高橋 源治：ベンガル
高千村の消防団長。無愛想。娘を空襲で亡くしている。

飛べダコタ(映画)の感想

まとめ