BS1スペシャルの見逃し無料動画配信と再放送情報6/28イタリア封鎖｜Youtube/Dailymotion/Pandora/Miomio/9tsuよりオススメ

イタリアでは、３月に新型コロナウイルスの間瀬爆発が起きて、それを伝えるニュースから、新型コロナウイルスの恐ろしさをまざまざと感じていました。そんな大変な状況でも、88日間もの間、街が封鎖されていたコドーニョという土地の様子に密着して番組を制作していたことに、まず驚きました。日本では、まだここまで人々の生活に密着した番組を見たことがないと思います。イタリア人は、底抜けに明るく、計画的と言うよりもおおらかで、小さいことはあまり気にしないのではないかと思わせるような、いわゆる“イタリア人気質”の人が多いと思っていましたが、100年に一度、あるかないかという世界の有事の際に、人々がどう行動していたかを記録するというのは、とても良い試みだと思いました。そして、カメラに映し出された人が、みんな新型コロナウイルスの状況に戸惑いながらも、前を向いていて、今できることを探しながら模索している姿には、人間の底力を見せてもらったような気がしました。まだ、ワクチンもなく、治療薬も確立していない状況が続いていますが、今は世界が試されていると捉えて、苦しいときを乗り越えていく努力をしなければならないのだと感じました。絶望的な状況でも、感染しないように気をつけながらできることは何かあるはずだという希望を捨ててはいけないと改めて感じました。

日本の報道番組では特集されていなかったイタリアの医療現場に携わる女性のリアルを知ることができましたが、医療崩壊に陥る中で命の選別にかかわった人の心のケアが今後必要ではないかと感じました。彼らが第１波で心のケアが十分ではない中で、今後は第２波に突入し、人間としての心を回復しないままでＡＩと化して人間を取捨選択するのではないか。また心が回復しない中で社会の一員として日常生活に戻る中で、何らかの支障がでてくるのではないかと危機感を覚えました。他方、家族の一員を亡くすこと事態が心に大きな打撃を与えますが、回復可能性がないとして治療すら施されなかった人の家族の心の衝撃は計り知れません。一人の人には少なからず家族、愛する人、友人など、周りに人がいます。実際の死者数だけではなく、これらの治療の選択の対象にならなかった人の周囲の人こそ、本当の地獄を見たのではないでしょうか。また、今後もコロナという単語に出会う度に、地獄の風景を思い出し苦しむのではないでしょうか。報道されている死者数だけで悲惨さを捉えるのではなく、死に値する体験をした人たちを含めてコロナの悲劇を考えなければならないのではないかと思いました。